大船観音寺
インパクト抜群! やさしい微笑みの巨大観音
JRの車窓からもよく見える観音様
駅から見る観音様はとにかく大きくて、まるで特撮映画の世界。胸像で25mもあるのだから立ち上がったらゴジラだって軽く倒せるだろう。とはいえ、少し前かがみで穏やかな笑みを浮かべた観音様はその美しい顔立ちにファンも多い。観音様は鎌倉までの道中に車窓から眺めるものと思っていたが、JR大船駅から歩いてたったの10分程度。駅の西口を下りて橋を渡ると「大船観音入口」という大きな看板があり、そこから裏通りを少し歩いていくとこう配のある参道が見えてくる。参道を上って山門を越え、その先にある階段の下から見上げるとどーんと大きな観音様が目に飛び込んできた。間近にみる観音様は車窓からではわからない想像以上の迫力だった。
建立されたのは昭和に入ってから
大船観音の建立は意外にも昭和に入ってからで1929年(昭和4)に着手された。その後、日中戦争や第二次世界大戦によって建造は一時頓挫、完成したのは30年も経った1960年(昭和35)だ。白衣観音像として知られる大船観音は遠めに見ると真っ白ですべすべした漆喰のようだが、近くに寄るとザラザラした鉄筋コンクリート造なのがわかる。鉄筋コンクリート造というとありがたみがないと思われる方もいるだろうが、地震などで幾度となく倒壊してきた大仏殿を思うと、当時は夢のような工法であったといえるだろう。建立にあたっては「大船観音協会」が設立され、東京急行電鉄の社長や多くの経済人が参加。当時、仏像建立には実業家も加わって、大がかりな巨大仏の建造が盛んに行われた。大船観音建立の構想は第二次世界大戦前の世界大恐慌にさかのぼるので、この戦後の高度経済成長期の建造ラッシュとは一線を画すが、当時の巨大仏建立のなかでは最も早く、その後、宮城県の仙台大観音や千葉県の東京湾観音が建てられている。1981年(昭和56)に「大船観音協会」は解散、同年に創建し、曹洞宗大船観音寺となった。古くからの歴史ある仏像と違って、空に近い山頂でゆったりたたずむ観音様はどこかモダンな印象だったが、現代に入ってからの建立と知って合点がいった。
胎内で大船観音をもっと知ろう
観音像の構想は第一次世界大戦後の不安定な社会情勢のなかで生まれ、庶民の初めての不安や恐怖の経験を払拭するために、平和祈願、厄除け・子宝成就など数知れないご利益を授ける大船観音が建立された。大きな観音様を参拝したあとは、裏に回って観音様の胎内に入ってみよう。なかには花が飾られ、大船観音像の原型が祀られていた。その脇の小部屋には「千体仏」が安置されている。太平洋戦争の被災者や原爆の犠牲者たちの慰霊と平和祈願のために戦後50年の節目に始められた活動で、千体仏は有志による手彫り。現在すでに1000体を超えているが、寺務所で開催される教室で彫られた像が納められており、誰でも制作に参加することができる。
観音様をお参りしたあとは
胎内をあとにして順路に沿って階段を下りる。秘仏(正月三が日公開)聖観音立像が安置された慈光堂で手を合わせ、子育て地蔵尊を拝み、山門近くに戻ったら原爆の碑、戦没者慰霊碑もお参りしよう。原爆の碑は1966年(昭和41)に被爆25年の行事に建立された。慰霊碑の土台は広島の爆心地・西蓮寺から、被爆石は長崎の浦上天主堂から、瓦は広島原爆記念館からの寄贈だ。石灯籠「原爆の火」は1990年(平成2)、被爆後45年に、原爆投下後にくすぶっていた残り火を福岡県の平和の塔から分火された。
スポット詳細
- 住所
- 神奈川県鎌倉市岡本1-5-3 地図
- エリア
- 鎌倉エリア
- 電話番号
- 0467431561
- 時間
- 9:00-16:00
- 料金
-
【参拝料】
[大人(高校生以上)]300円
[子人]100円
[団体(20人以上)]200円
※福寿手帳・身障手帳をお持ちの方は無料 - 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(英語・中国語のパンフレットあり)
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 可(胎内は抱いてください)
- 雨の日でも楽しめる
- 荒天時は参道が危険なため閉門する場合あり
情報提供: ナビタイムジャパン
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