成就院

寺院

目の前に由比ガ浜を一望できる鎌倉ならではの寺院

以前は鎌倉を代表するアジサイ寺として名を馳せた成就院。創建800年の2019年(令和元)に参道の修復工事がなされ、山門へと続く石段の両脇に植えられていたアジサイは一部を除き、移植された。

煩悩と同じ数の108段ある階段を上った先、東結界側の参道から見た由比ガ浜の海岸線} 煩悩と同じ数の108段ある階段を上った先、東結界側の参道から見た由比ガ浜の海岸線

鎌倉の海の風景を楽しめる寺院

平安時代、弘法大師が全国行脚した際、100日にわたり護摩行を行ったとされるこの地に、その後、鎌倉幕府3代執権の北条泰時が1219年(承久元)、創建したのが成就院だ。新田義貞による鎌倉攻めにより1333年(元弘3)に一度焼け落ちるが、江戸時代の1688年(元禄元)に再建する。成就院には東結界、西結界の2つの入り口があり、訪ねるには江ノ電・極楽寺駅から極楽寺坂切通を数分下り、右側に見えてくる石段を上った西結界から入るのが便利だ。門をくぐり、上り切ったらここで一度足を止めよう。東結界がある側に目を向けると海が開け、鎌倉でこれほどの眺めの寺はないだろうと思うほどに、晴れた日は材木座まで見渡せる。右手の山門をくぐり、美しい龍が施された手水で浄めてから本堂へ。本堂には本尊・不動明王をはじめ、聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)や弘法大師座像、大日如来などが祀られている。

極楽寺側から入る西結界。この先の階段を上り切った右手に山門がある} 極楽寺側から入る西結界。この先の階段を上り切った右手に山門がある

本堂と、境内右手に立つ弘法大師の像} 本堂と、境内右手に立つ弘法大師の像

縁結びのご利益があるパワースポット

成就院では昔からアジサイとともによく知られているのが境内中央・本堂前に祀られる本尊・不動明王の御分身だ。不動明王には縁結びのご利益があり、恋愛成就のパワースポットとして昨今人気があるが、縁を結ぶのは恋愛にとどまらず仕事関係、友人、家族など広く人間関係に当てはまるので、年齢、性別問わず良縁を求めてお参りにやってくる人はあとを絶たない。また、成就院では不動明王を参拝したあと写メを撮り、スマホの待ち受け画面にすることを認めている。境内での撮影を禁止する寺院もあるなか、スマホの画面にお守りを忍ばせるのは今の時代に沿った身に着け方ではないだろうか。待ち受け画面に設定したスマホは「不動さまのお守り」として大事に持っていたい。

本堂前、不動明王の御分身。願い事を書いた護摩木を奉納すれば、護摩壇で祈祷してもらえる} 本堂前、不動明王の御分身。願い事を書いた護摩木を奉納すれば、護摩壇で祈祷してもらえる

境内の見どころいろいろ

成就院の境内は決して広くはないが、本堂の脇から小さな散策路に沿って境内をぐるりとまわるとそこここに寺宝が祀られ、見ごたえ十分だ。本堂沿いにある探検家・河口慧海(かわぐちえかい)がチベットから持ち帰った釈迦菩行像のレプリカを見たあと、うしろを振り返ると腕を組んだ「文覚上人荒行像(もんがくしょうにんあらぎょうぞう)」が鎮座していた。このブロンズ像はレプリカで、本物の木像は本堂に祀られている。目をひく大胆なフォルムのこの像は、日本近代彫刻の父といわれる彫刻家・萩原守衛(その後、碌山と呼ばれる)に強い影響を与えた。萩原守衛はその後、同テーマで「文覚」を制作、1908年(明治41)に第2回文展で入選を果たしている。その先には1921年(大正10)、聖徳太子の1300年忌に建てられた八角堂があり、さらに「子安地蔵・子生み石」と続く。子生み石はなでるとご利益を授かるといわれ、かたわらには子授け、安産、子育ての功徳がある子安地蔵菩薩の石仏が安置されている。最後に出合うのは「なで蛙(かえる)」というどこかユーモラスで親しみのある愛らしいカエルの像。「良き心がしあわせを招きかえる」という意味がある「善心廻幸」の文字とともに祀られ、カエルの頭をなでてから寺をあとにする参拝客も多い。

「文覚上人荒行像」。横浜の「証菩提寺(しょうぼだいじ)」、鎌倉・材木座の「補陀洛寺(ふだらくじ)」にも同じ像がある} 「文覚上人荒行像」。横浜の「証菩提寺(しょうぼだいじ)」、鎌倉・材木座の「補陀洛寺(ふだらくじ)」にも同じ像がある

八角堂には聖徳太子が祀られる} 八角堂には聖徳太子が祀られる

左/子安地蔵 右上/霊石はなでるとご利益が 右下/「なで蛙」は成就院のマスコット的存在} 左/子安地蔵 右上/霊石はなでるとご利益が 右下/「なで蛙」は成就院のマスコット的存在

アジサイ寺から萩の寺へ

帰りは東結界側に出て七里ガ浜のほうへ下りていこう。かつてこの参道の両脇には「般若心経」の文字と同数の262株のアジサイが植わっていた。季節になると満開の花を咲かせ「アジサイ参道」ともいわれて親しまれてきたが、2019年(令和元)に修復工事が完了した参道からはアジサイの株はほとんど姿を消していた。アジサイの縁が広がることを祈り、2016年(平成28)に宮城県南三陸町に200株が送られたのだ。アジサイが鎌倉で咲き誇っていたことを考えると同じ海町である南三陸町でも今後、立派に花をつけていくだろう。成就院では以前のような一面のアジサイを見ることはかなわなくなったが、6月には残った100株程度のアジサイが大輪の花をつける。また、代わりに成就院の参道には宮城県の県花・萩の苗が少しずつ植えられ、華やかなアジサイから一変、可憐な美しい花を咲かせ、参拝客を楽しませてくれている。

海側の東結界の門を出て振り返ると、長い坂道だったことがわかる} 海側の東結界の門を出て振り返ると、長い坂道だったことがわかる

スポット詳細

住所
神奈川県鎌倉市極楽寺1-1-5 map map 地図
エリア
鎌倉エリア
電話番号
0467223401
時間
[通常期(3月-10月)]8:00-17:00
[冬期(11月-2月)]8:00-16:30
休業日
無休
料金
[参拝料]志納
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
0-30分
乳幼児の入店
ペットの入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

アニメスポット情報

覆面系ノイズ1話に登場。

※ナビタイム調べ

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クチコミ

  • 1月、5月、9月の13日に本尊ご開帳
    4.0 投稿日 : 2022.08.27
    成就院さんに関連施設になっている様です。丑寅歳生まれの守り本尊。毎年1月13日に初護摩法要が開催される。行基作の虚空蔵菩薩がお祀りされている
  • 星井寺
    3.0 投稿日 : 2021.03.03
    「星月の井」に仏を見た行基が自ら仏像を彫り、お堂を建立したもので、星井寺が正式のお名前のようです。階段を上がったところにある、小さめのお堂となりますが、日本三虚空蔵の一つということです。
  • 行基僧正が建立したお堂
    3.0 投稿日 : 2020.04.19
    極楽寺切通し沿いの崖の上にあり、御霊神社から極楽寺へ行く途中に立寄りました。お堂の横に説明板があり、天平時代に行基が、虚空蔵堂のすぐ下にある「星月の井」の中に虚空蔵菩薩の姿を見て仏像を彫り、虚空蔵堂を建立し祀ったそうです。本堂のみでこじんまりしていますが、歴史を感じるお堂で龍の彫刻も見応えがあります。

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アクセス

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最寄り

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