高徳院(鎌倉大仏)

寺院

露座の大仏を拝める日本を代表する観光名所

国内外問わず、鎌倉を訪れる年間2000万人もの観光客のほとんどが立ち寄る人気スポットの浄土宗・高徳院。奈良県東大寺の大仏とともに日本で知らない人がいないといわれる鎌倉大仏がご本尊だ。

鎌倉で唯一、国宝に指定されている仏像} 鎌倉で唯一、国宝に指定されている仏像

「仁王門」と呼ばれる正面入り口の山門

まずは入り口の山門を抜けて境内へ。山門の左右には18世紀はじめに地方から移された一対の仁王像が安置され、眼をかっと見開いて仏敵が寺院に入り込まないように守っている。2014年(平成26)からは、ベンガラ塗料を用いた鮮やかな朱色の姿になっている。

向かって右が阿形(あぎょう)像、左が吽形(うんぎょう)像} 向かって右が阿形(あぎょう)像、左が吽形(うんぎょう)像

境内の真ん中に鎮座する大仏は想像以上の迫力

日本有数の大仏が拝める寺院を訪れてみると、思いのほかこぢんまりとした境内に驚く。とはいえ、足を踏み入れてすぐ視界に飛び込んでくる大仏の姿は堂々としたたたずまいで、青空を借景に圧巻の迫力だ。仏身の高さは台座込みで13.35m。うしろに周ってみると、大仏がちょっと猫背なのがわかるだろう。実は、閉じているようにもみえる大仏の目は下を向いているだけで瞳もちゃんと彫られている。参拝客とちょうど目が合うよう前かがみに設計されているのだ。また、背中には羽のようにもロボットを飛ばす噴射口のようにもみえる大きな窓がふたつ開かれている。これは大仏鋳造の際、中の土や型を取り出すために作られたものと考えられている。現在、空洞になっている胎内は見学可能(2021年10月現在コロナ禍につき見学不可)で、この背中の窓は拝観時の明り取りや換気の役割を果たしている。高徳院に来たなら前からだけでなくうしろ姿の大仏も、忘れずに見てみよう。

大仏の左手側に胎内拝観入口がある。拝観料は20円} 大仏の左手側に胎内拝観入口がある。拝観料は20円

3年ごとに、茨城県常陸太田市の子ども会から奉納される大仏用の長さ1.8mある巨大わらじ} 3年ごとに、茨城県常陸太田市の子ども会から奉納される大仏用の長さ1.8mある巨大わらじ

波乱万丈、知られざる大仏の長い歴史

意外にも鎌倉大仏は造立者も初代住職も不明。建造されたのは1240年(延応2、もしくは仁治元)で当初は木造だった。魂を込める開眼供養をしたにもかかわらず、10年そこそこの1252(建長4)には現在の青銅像が作り始められている。当時は大仏殿もあったのだが、1334年(建武元)と1369年(応安2)の大きな台風と1498年(明応7)の大地震によって損壊に至ったと考えられている。もともと鎌倉大仏は勅命によってではなく、庶民の大仏として民からの浄財で作られたと考えられているため、「台風のたびに壊れるなんてお堂にはお金がかけられなかったのかしら」とあれこれ想像をめぐらせてしまう。その後、殿堂は再建されることなく荒廃の一途をたどり、大仏は荒れ野原のなか野ざらしにされるが、江戸時代に入り、大仏の劣化を嘆いた浅草の商人・野島新左衛門と浄土宗大本山増上寺36世法主・祐天(ゆうてん)によって修復が行われ、高徳院住職の養国(ようこく)が浄土宗として再興した。

数百年雨風にさらされすっかりはげ落ちたが、よく見ると頬に金による化粧の跡が残っている} 数百年雨風にさらされすっかりはげ落ちたが、よく見ると頬に金による化粧の跡が残っている

参拝客がベンチにしているのは、実はかつて大仏殿を支えた土台石。現存する56基が境内全域に点在している} 参拝客がベンチにしているのは、実はかつて大仏殿を支えた土台石。現存する56基が境内全域に点在している

与謝野晶子が「イケメン」と詠んだ大仏様

「美男におわす 夏木立かな」と大仏への思いを詠んだ与謝野晶子。確かに大仏様のやさし気なまなざしもすっと通った鼻筋も、立派な頭のくるくる螺髪(らほつ)も、近代短歌を代表する歌人を魅了するほどに魅力的だ。誕生して770年、多くの人生に寄り添ってきた鎌倉大仏は、その慈愛に満ちた表情とともに今なお人々に愛されている。

与謝野晶子の直筆の歌が刻まれた碑は、裏庭の観月堂のかたわらにある} 与謝野晶子の直筆の歌が刻まれた碑は、裏庭の観月堂のかたわらにある

スポット詳細

更新日:2024.03.30

住所
神奈川県鎌倉市長谷4-2-28 map map 地図
エリア
鎌倉エリア
電話番号
0467220703
時間
【開門時間】
[4-9月]8:00-17:30
[10-3月]8:00-17:00
※入場は閉門15分前まで

【大仏胎内拝観時間】
8:00-16:30
※入場は閉門10分前まで

【御朱印受付時間(寺務所)】
[平日]9:00-15:30
[土日祝]9:00-15:00
休業日
無休
料金
【拝観料】
[一般、中・高校生]300円
[小学生]150円

【大仏胎内の拝観料】
[別料金]20円(一名当たり)
駐車場
なし
※予約制の障害者用駐車場あり
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
0-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店
可(ケージに入れればOK)
備考
※胎内拝観は感染防止のため、現在休止中。

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • かっこいい
    4.0 投稿日 : 2023.01.22
    鎌倉の大仏さんです。江ノ電の長谷駅からちょっと歩いたところにあります。大仏殿がなく、雨ざらしになってしまっていますが、優しい感じのお顔をしているように見えます。
  • 優しいお顔
    4.0 投稿日 : 2022.12.26
    門をくぐると目の前に大仏様のお姿が。大仏殿がないので雨ざらしですね。その分すぐ近くで拝見できます。優しそうなお顔の大仏様です。残念ながらコロナのため、内部の見学はできません。大仏様の周りを一回りして帰る方が多いです。
  • 鎌倉のシンボル
    4.0 投稿日 : 2022.10.05
    鎌倉駅からバスに乗るのが便利です。江ノ電バス、京急バス両方とも高徳院の前に停留所があります。拝観料は300円です。男前の大仏様です。

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アクセス

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