復活した大船鉾!「京都市無形文化遺産展示室」で祇園祭の新たな歴史を知ろう


2014.09.24

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2014年の祇園祭は『後祭』の復活と、150年ぶりに『大船鉾(おおふねほこ)』が復興され、新たな歴史を踏み出したことで話題となりました。1000年続く祇園祭の歴史と、復興され「後祭巡行」で見事に最後尾を飾った『大船鉾』。その関連展示が通年で見られる場所があります。それが京都駅前のヨドバシカメラにある「京都市無形文化遺産展示室」です。
ヨドバシカメラにある「京都市無形文化遺産展示室」
2010年、京都駅前にオープンしたヨドバシカメラマルチメディア館。その1F部分の北東角に「京都市無形文化遺産展示室」があります。
この展示室は、2009年に『ユネスコ無形文化遺産』に登録された『京都祇園祭の山鉾行事』を記念し、2011年10月に開設されたもの。ヨドバシカメラは東京が本社であり、京都から見ればいわば”外資”とも言える存在。そんなヨドバシカメラが京都のために自社ビルの一角を提供し、無期限で展示室を開設することになったのです。京都市民からすれば、なんともうれしい心意気ではありませんか!
いつ来ても祇園祭を体感!
この「京都市無形文化遺産展示室」の展示は『ユネスコ無形文化遺産・祇園祭山鉾行事』を紹介するパネル展示が主軸になっています。また、バーチャルで祇園祭を体験できるコーナーなどもあり、祇園祭を見たことのない観光客にとっては嬉しいポイント。
そして、この展示室が大きく注目された理由の一つは、150年ぶりに復興を目指す『大船鉾』の実物の製作過程がここで展示されていたこと。つまり、ここで『大船鉾』の復興へ向けての道のりがつぶさに見て取れたのです。
永らく復興されなかった「大船鉾」
江戸時代末期まで、祇園祭の後祭の最後尾を巡行していたとされる『大船鉾』。なんとその歴史は応仁の乱にまで遡るという由緒ある鉾。『大船鉾』は後祭のしんがりであり、巡行の順番が決まっている「くじ取らず」の鉾でもありました。ご神体は神功皇后で、別名「凱旋船鉾」と呼ばれていました。ご懐妊のまま出征して、無事帰国して応神天皇を出産されたことから、安産の神様として信仰を集めていました。
そんな『大船鉾』は1864年、幕末の「蛤御門の変」で起こった京都の大火事、「どんどん焼け」で鉾の木組みや車輪などを大部分が焼失してしまいます。それ以来、鉾は復興されずじまいで”休み鉾”として山鉾巡行には参加していませんでした。焼失を免れた御神体や懸装品を披露する「居祭(いまつり)」でのみ、祇園祭に参加してきたのです。
永らく復興されなかった「大船鉾」
そんな『大船鉾』に復興への道を歩み始めたきっかけは、この「京都市無形文化遺産展示室」で『大船鉾』の模擬鉾を展示しようという話が持ち上がった時の事。
「どうせなら模擬ではなく、本物を造ろう」ということになり、江戸時代の『大船鉾』の図から設計図をおこして復興するという事になってしまったのです!しかしこれには多額の費用がかかるなど、道のりは決して平坦ではありませんでした。
しかし、各方面からの尽力を得て、『大船鉾』は着々と復興への道を辿っていきました。2014年3月まで、徐々に再建されていく『大船鉾』の木組みが、この「京都市無形文化遺産展示室」で公開されてきました。
※2014年9月時点では復興された屋形が展示されています。
2014年、『大船鉾』は山鉾巡行へ復活!
紆余曲折を乗り越え『大船鉾』は2014年の祇園祭で見事に復活!同じく半世紀ぶりに復活した「後祭」巡行のしんがりを務めることになりました。
しかし『大船鉾』は山鉾巡行に復活はしたものの、修繕の必要な部分があったり、ご神体も揃っておらず、完全な状態ではありません。まだまだ完全なる復興には時間がかかり、更なる支援が求められています。
新たな歴史を踏み出した「祇園祭」
1000年の歴史を誇る祇園祭は日本三大祭、京都三大祭、日本三大曳山祭、日本三大山車祭等、まさに日本の祭の代表格!せっかく京都に来たのであれば、そんな祇園祭に少しでも触れてみませんか?
古来から続く歴史と、『大船鉾』という新たな歴史を踏み出した祇園祭を両面から見て学ぶことができる「京都市無形文化遺産展示室」。ここに来れば夏にしか出会えなかった祇園祭を体感することができます。京都駅前という至極便利な場所でもありますので、ぜひ覗いてみて下さい。入館は無料です。
■ 京都市無形文化遺産展示室
休館日 水曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
開館時間 10:00~18:00
問合せ (075)708-5001 

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