不思議な“猫返し神社”!東京・立川の阿豆佐味天神社・立川水天宮


2021.01.29

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東京都立川にある阿豆佐味天神社・立川水天宮。猫好きの人たちからは“猫返し神社”と呼ばれています。愛猫がいなくなったとき、こちらの神社に祈願すると、迷子になっていた猫が戻ってくる…そんな噂が広がり、こう呼ばれるようになりました。
境内に流れる越天楽はピアノのソロ。謎がいっぱいの「猫返し神社」を紹介します。
正式名称は阿豆佐味天神社・立川水天宮
村の鎮守の神として1629年に創建された阿豆佐味天神社(あずさみてんじんしゃ)。医薬・健康・知恵の神、少彦名命(すくなひこなのみこと)と、文学・芸術の神、天児屋根命(あめのこやねのみこと)を祀っています。
本殿は立川市最古の建築物で、市有形文化財に指定されています。龍や獅子の彫刻は圧巻で、一見の価値ありですよ。
また、安産祈願・子授けの守り神として、立川水天宮も崇められており、いぬの日や七五三には多くの参拝客が訪れています。
「猫返し神社」と有名ジャズピアニスト
「猫返し神社」と呼ばれ始めたのは、実はつい最近のこと。
愛猫家で有名な、ジャズピアニストの山下洋輔さんの飼い猫がいなくなり、毎日毎日猫を探し回っていたところ、偶然通りかかった神社の前で「どうか、無事に帰ってきますように」と願掛けしました。すると翌日、17日ぶりに猫が戻ってきたのです。その神社が阿豆佐味天神社で、山下洋輔さんの自宅からは2km以上離れていたとか。どんなに猫が好きなのか伝わってきますね。
そのあとも3回、猫が逃げるたびにお参りに行き、その都度猫が返ってきたことから、雑誌のエッセイに「あそこは、“猫返し神社”だよ」と冗談で書いたところ、噂が広まり多くの愛猫家が訪れるようになったのでした。
境内に流れているピアノの曲は、猫が戻ってきたお礼にと山下洋輔さんから奉納された越天楽です。ここでしか聞くことができません。
猫好きだけでなく、ジャズファンも注目の神社なのです。
猫が返ってくるその理由は?
どうして猫が返ってくるのか?
理由として考えられているのが、境内社にある蚕影神社です。この地区では江戸時代末期、養蚕が盛んでした。蚕の天敵はネズミ。蚕影神社では、ネズミを捕らえる猫を守り神としているのです。
それで、お願いすると猫を返してくれるのだと言われています。最近は迷い猫だけでなく、猫の健康祈願で訪れる人も増えています。
蚕影神社の前には、三毛猫が振り返っているイラストが描かれた、たくさんの絵馬が飾られています。中には文字が消えないようビニールで包んである絵馬や、猫の写真を貼ってある絵馬も。どの絵馬も飼い主さんの深い愛情がこめられていて、読んでいると思わずもらい泣きしてしまうかも…。
鎮座するのは狛犬ならぬ狛猫!
「猫返し神社」の評判は愛猫家の間で広がり、関東周辺だけでなく、全国各地からも参拝者が訪れ、絵馬を求める問い合わせがくるようになりました。また、実際に猫が返ってきた人が、お礼参りに来ることも多いそうで、境内にある狛猫が温かく迎えてくれます。
瞳にはガラス玉が埋め込んであり、本物の猫の瞳のようです。
「ただいま猫」と呼ばれている、この猫の像を撫でながらお願いをすると、ご利益があると言われています。
愛猫家以外の人にもご利益いっぱい
「猫返し神社」として有名になった阿豆佐味天神社ですが、境内社には他に、厄除けの八雲神社、疫病除け・縁結びの疱瘡社、五穀豊穣・招福財福の稲荷社、学問の天神社、火難盗難除けの御嶽神社、縁結び・安産の浅間神社、交通安全の金刀比羅社、疫病除けの八坂大神社があるので、愛猫家じゃなくてもご利益満載です。
蚕影神社は立川市史跡にも指定されており、立川の歴史の勉強に子どもと訪れるのも良いかもしれません。
阿豆佐味天神社・立川水天宮へはJR立川駅からバスになります。
立川駅北口1番乗り場から「三ツ藤」もしくは「箱根ヶ崎駅」行きのバスに乗り、「砂川四番」バス停で下車、徒歩1分です。バスの乗車時間は15分ほど。
車の場合は五日市街道沿いに進みり、「砂川四番交番前」交差点を曲がると駐車場が32台分あります。
冗談からできたパワースポット。みんなの願いや祈りが集まると、そこがパワースポットになるのかもしれませんね。 

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阿豆佐味天神社 立川水天宮
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4.0

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place
東京都立川市砂川町4-1-1
phone
0425363215
opening-hour
[参拝時間]7:00-16:20(最終入…
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