2種類の庭園を楽しめる「徳島城表御殿庭園」は大人の癒しスポット


2022.11.15

トラベルjp 旅行ガイド

「徳島城表御殿庭園(とくしまじょうおもてごてんていえん)」は、徳島城跡を利用した中央公園内にある国指定の名勝庭園です。1600年頃に作られたとされる庭園は、築山泉水と枯山水という2種類の庭園が同時に鑑賞できる稀有なスポットとなっています。中心市街地から歩いてすぐの好立地にありながら、落ち着いた時間を過ごせる穴場のスポットなので、ぜひ足を運んでみてください。
藩主である蜂須賀家のために作られた庭園
表御殿庭園は標高61.7メートルの城山を中心とした徳島中央公園内に立地しています。この場所は江戸時代に徳島城があり、蜂須賀家(はちすかけ)が阿波を統治してから大規模な城郭として整備されました。残念ながら現在では天守は残されていませんが、築城当時の雰囲気を感じられる石垣や堀などを見ることができます。
表御殿庭園は藩主の蜂須賀家が使用する居間や書院に付随する庭園として作られました。設計は武将で茶人の上田宗箇(うえだそうこ)が担当し、安土桃山時代の1600年頃に作庭されたと推定されています。蜂須賀家の経済力を背景として、華やかな桃山様式が取り入れられた藩主専用の庭園となっています。
2種類の庭園が鑑賞できるスポット
表御殿庭園は、居間に付随する築山泉水庭(つきやませんすいてい)と書院から眺める枯山水庭(かれさんすいてい)の2種類の庭で構成されています。隣り合った2つの庭が違和感なくコンパクトにまとまっており、初心者でも非常に鑑賞しやすい庭園となっています。
人工的な山である「築山」と庭園内に造られた池の「泉水」を中心に構成されているのが、こちらの築山泉水庭です。園内に配置された飛び石を実際に歩いてみることで、様々な角度から景色を楽しむことができる回遊式の庭園となっています。同じ池の景色でも、樹木や建物の映り込み具合や築山を登って眺める目線の高さの違いから、まったく異なった雰囲気を感じ取ることができます。
一方で水をいっさい使用せず、主に砂と石を使って景色を表現しているのが枯山水庭です。敷き詰めた砂の紋様や石組みによって海や波などを表現し、その配置を工夫することで雄大な自然を想像させています。また、長寿の象徴とされる鶴や亀を表した島もあり、藩主の健康を祈願するメッセージ性も込められた庭です。
阿波の青石も見逃せない
この庭園の大きな特徴は暗緑色でツヤのある「阿波の青石」という岩石を多用している点にもあります。学術名を緑泥片岩(りょくでいへんがん)と言う阿波の青石は、板状に割れやすい性質を持っており庭石への加工に非常に適しています。徳島市のシンボルになっている眉山でも青石を見つけることができるほど、一帯は全国でも有数の青石の産地となっています。
園内に配置されている青石のなかでも特に目を引くのが、橋として利用されている横に寝かせた巨大な青石です。長さは10.35メートルあり、自然石の力強さを感じさせる特徴的な岩石となっています。この青石には徳島藩藩主の蜂須賀至鎮(はちすかよししげ)が踏み割ったという伝説が残っており、実際に橋の中央で2つに折れていることが分かります。 

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徳島市立徳島城博物館
rating

3.5

68件の口コミ
place
徳島県徳島市徳島町城内1-8
phone
0886562525
opening-hour
9:30-17:00(最終入場16:30)
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