東海の“ミニ尾瀬”愛知豊橋「葦毛湿原」で貴重な植物を見よう!


2021.07.29

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愛知県豊橋市の郊外にある「葦毛(いもう)湿原」は、一年を通して貴重な植物を観察できる人気スポット。なかでも8月下旬からはシラタマホシクサを観察するために、多くの人々で賑わいます。
さらに生育地域が限られる地域固有種のほか、里山の鳥類、湿原の昆虫を見ることが。今回は東海のミニ尾瀬とも呼ばれ、国内最大級の広さを誇る湧水湿地帯・葦毛湿原をご紹介します。
葦毛湿原は国内最大級の湧水湿地帯
愛知県豊橋市郊外に位置する「葦毛湿原」は、年間を通して動植物の観察ができる身近な湿原です。比較的標高が低く市街地からそう離れていないうえに、東海自然歩道の一部分と繋がっているため、ハイキングの途中で立ち寄る方もいるほど。
最寄りのJR二川駅から徒歩だと、おおよそ1時間。車の場合は第二駐車へ停めれば、湿原入り口までは徒歩約15分程度です。そう、葦毛湿原は気軽に訪問できる湿原なんです。
その成り立ちですが、ポイントは尾瀬など多くの湿原と異なる点。不透水層のチャート岩盤の上部へ薄く土壌が積もり、さらにその上を常に山から湧き出た伏流水が流れることによりできました。
このタイプは湧水湿地帯と呼ばれ、なんと葦毛湿原の規模は国内最大級!
湿原内はぐるっと一周しても30分程度で、入り口はこのように木道になっています。入り口は何ヶ所かあるので、行きと帰りで違うコースを辿れますね。
木道が敷かれている場所では、この上を通りましょう。興味のある植物を間近で見たくても、湿原内への立ち入りは厳禁です。
湿地に咲く星・シラタマホシクサを見よう
年間を通して様々な植物を見ることができる葦毛湿原。なかには環境省のレッドリストに載っている貴重な植物や、東海地方ならではの地域固有種なども。
とくに人気なのは、毎年8月下旬から観察できるシラタマホシクサ(白玉星草)です。これは東海丘陵要素植物のひとつで、東海4県の中でも限られた地域でしか見ることができない珍しい植物。遠目からだと白い玉にしか見えませんが、これでも立派な花なんです。
シラタマホシクサの見頃は9月に入ってから。見頃を過ぎるとドライフラワーのようになるので、暑さに弱い方は少し涼しくなってから訪問してみてはいかが?
葦毛湿原に生育している植物は約250種。春にはカザグルマやミカワバイケイソウ、夏にはサギソウやモウセンゴケ、秋になるとシラタマホシクサ、ミミカキグサ、マアザミなどを見ることができます。
ただ1つ1つの花は小さくて、つい見落としてしまいがち。そんな時には木道にしゃがんでいるカメラマンや、双眼鏡等を構えている方の視線の先に注目を。そこにお目当ての植物があるかもしれませんよ。
昆虫や食虫植物などの観察も楽しい!
散策時には、いろいろな昆虫を見つけるのも楽しみのひとつ。湿原内では季節によってヒメヒカゲなど約200種の昆虫と、約50種の鳥類の姿を見ることができます。
なかでもオスの成虫は赤く体長が約2センチしかないハッチョウトンボは、多くの都道府県でレッドリスト入りしている貴重なトンボです。主に湿原や湿地帯に生息する日本一小さなトンボを、ぜひ見つけてみて!(写真はシオカラトンボです)
木道の途中には分岐点がいくつかあるので、いろいろなコースを歩いてみましょう。
こちらは9~10月頃にかけて、水の流れがある湿地帯などに咲くマアザミです。上を向いて咲かず、横または下を向いて咲く姿がキセルに似ていることから、キセルアザミとも呼ばれています。濃いピンク色の花色がひときわ目立ちますね。
湿原内は入って左斜め奥側が東海自然歩道と繋がっているため、途中から木道がなくなり徐々に上り坂に。地盤の上を湧水が下へと流れる様子を見たい方は、こちらまで足を延ばしてみて。
そこまで行かなくても、足元に水が流れているのを見ることができる場所は何ヶ所もあります。写真はそんな場所のひとつで、シラタマホシクサ以外にモウセンゴケとミミカキグサが観察できます。
モウセンゴケとミミカキグサはどちらも食中植物。前者は水面近くに出ている放射状をした葉が、後者は黄色い花が目印です。写真では真ん中より下側にモウセンゴケが、ミミカキグサは全体的に写り込んでいるのでよ~く見てくださいね。
近くで撮影したいからといって、湿原内へカメラの三脚を立てるのは厳禁です。また、ペット同伴散策も禁止されています。
2021年秋に国の天然記念物へ指定される葦毛湿原で、貴重な植物を観察してみませんか? 

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葦毛湿原
place
愛知県豊橋市岩崎町
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