石垣島でマングローブカヌー体験を満喫!ジャングルを探勝しよう


2021.06.11

トラベルjp 旅行ガイド

八重山のアクティビティーとして特におすすめなのは石垣島のマングローブカヌー体験です。そこは沖縄ならではのマングローブ林が広がる驚きいっぱいのユニークな世界。自然学習としても、河口付近に広がる珍しい風景や動植物を見ることができます。
カヌーなのでとても簡単で、雨の日でも体験可能。興味深いマングローブジャングルの徒歩探勝も組み込まれ冒険心をくすぐります。ぜひ石垣島でチャレンジしてみてください。
マングローブカヌーに乗る!
石垣島の市街からも近い宮良川の河口付近にはマングローブ林が広がり、絶好のマングローブカヌー体験の場所になっています。写真は宮良川河口に並んだカヌー。後方に見える海岸に生えるタコ足状の木がマングローブを構成するヒルギです。
ここなら全くの初心者でも、簡単な講習を受け安全にカヌーに乗ることができます。ライフジャケットやマリンブーツも貸与され、海に潜らないので替え下着さえ用意すれば水着も不要。
下半身はどうしても濡れるので、雨の日でもむしろ問題なく楽しめるアクティビティーです。珍しいマングローブの世界を目の前に見て、手軽な冒険気分を味わってみましょう!
コースは指導員の方が先導してくれますので、それについて行けば良いだけ。珍しいマングローブの景色を見ながら、わくわくする2時間ほどの体験です。カヌーのパドルさばきは最初は苦労しますが、しばらくすると慣れてきます。
なお、このアクティビティーは、年中楽しめるものの、潮の干満により実施時間が日によって違いますので、必ずあらかじめ予約してください。また、写真を撮る場合は強力な防水機能のあるカメラで首に架けるストラップを使用してください。
河口から北へしばらく進むと、マングローブ林が眼前に広がってきます。一帯は流れの緩やかな浅い干潟地帯。その全体をヒルギ類の特異な植物が覆い被さるように繁茂した、不思議な世界です。
ヒルギ林
ヒルギ類は、河口や干潟に生育するマングローブ植物の一種で、汽水域を好んで群生する貴重な存在です。カヌーなら目の前にヒルギを見るので、観光船などよりずっと詳しく観察できます。
写真はメヒルギで、河口付近に最も多い種類です。
写真はオヒルギで割と大きくなります。ヒルギ類は、写真のように根が垂れ下がり泥地で木の本体を支えるとともに、空中に根を出して呼吸できる仕組みになっています。これを呼吸根といいます。
大きく育ったヒルギの林の中では、パドルが根っこに当たったり、頭に木が当たったり、うまく進めず操作が難しいもの。でも、いかにもマングローブジャングルという感じで雰囲気抜群。おーい指導員さん待ってくれ!
マングローブジャングルを歩く
存分にカヌーを漕いだら、マングローブジャングルに上陸し、歩いて探勝。
大きなヒルギでは根が板根状となっています。地上に出た呼吸根も目立ちます。黄葉が落葉していますが、これは古い葉に塩分を集めて葉を落とすというヒルギ類独特の脱塩機能によるのです。
地面にヒルギの根が突き出て歩きにくいですが、スリルがあって面白いです。参加者は足袋のようなマリンブーツを履きますが、指導員さんはご覧のようなビーチサンダルでどんどん歩いていきます。
巨大な二枚貝を見ることができます。これは、ヤエヤマヒルギシジミ(シレナシジミ、マングローブシジミともいう)で、手のひらいっぱいの大きさ。そのままだと泥臭いので八重山の人はあまり食べません。
ヤエヤマヒルギシジミが、なぜこんなに巨大なのかというと、天敵であるノコギリガザミから身を守るため、大きくて固い殻を持つように進化したと言われています。また、この大きな殻の中に水をためて、長い干潮時間でも耐えられるようになったのです。
ヒルギの胎生種子とノコギリガザミ
ヒルギ類は、種子が樹上で発芽する胎生種子という特殊な方法で繁殖します。水上では種は沈んでしまうので、発芽後ある程度大きくなってから母体から分離し泥地に刺さったり、浮いて流れて絡みついたりして分布を広げるという手段をとるのです。
写真中央のヤエヤマヒルギシジミの右上にある細長いのがヒルギの胎生種子。胎生種子は水中では尖ったほうを下にして真っすぐ垂直に浮かぶのです!
少し内陸の潮が引いた場所には、上記の胎生種子から発芽したヒルギの若木がいっぱい生えています。こうして子孫を増やしていきます。
マングローブ林はただの湿地ではなく、大きな干満を繰り返す塩水の干潟で、しかも泥地という悪条件で生育するヒルギの世界です。呼吸根、板根、胎生種子、脱塩落葉など独特の生態を発達させ、そこに住む他の生き物も工夫して生き抜いています。なんとも驚くべき生物の進化の不思議を直に体験できる、貴重な場所なのです。
指導員の方が仕掛けていたトラップに入っていたノコギリガザミです。ノコギリガザミは、エラブウミヘビとヤシガニに並ぶ八重山三大珍味のひとつで、とても美味しいです。
マングローブ林周辺の植物
マングローブ林を奥に進むと、徐々に内陸的な植物が出てきます。写真はヤエヤマオオタニワタリ。新芽が食べられ、天婦羅やチャンプルーの具材となります。
椰子のような大きな木も見られます。これは八重山クバ笠の原料となるビロウ(クバ)です。このように役に立つ植物がたくさんあります。
マングローブ林周辺には綺麗な花もあります。写真はユウナの花(オオハマボウ)で、皇室の佳子さまのお印植物として有名です。
植物だけでなく、多種の野鳥や昆虫、果物食のヤエヤマオオコウモリ、トントンミー(ミナミトビハゼ)、甲殻類などの生き物も見られますので、いろいろ研究してみてください。 

read-more

この記事を含むまとめ記事はこちら