和歌山の新玄関口・キーノ和歌山「平和酒店」で銘酒“紀土”を味わう


2020.12.18

トラベルjp 旅行ガイド

南海電鉄和歌山市駅に2020年6月にオープンした「キーノ和歌山」。ここに和歌山の酒蔵・平和酒造のアンテナショップ「平和酒店」があります。日本酒「紀土(きっど)」で知られる酒蔵ですが、梅酒も人気で、近年はクラフトビールの醸造も開始。店内にはバーが併設されており、お酒の造り手の話を聞きつつお酒を味わえます。和歌山に来たらまずは和歌山のお酒で、乾杯!
2020年誕生の「キーノ和歌山」で和歌山の地酒を
南海電鉄の南海本線・和歌山港線およびJR西日本の紀勢本線が乗り入れる和歌山市駅が生まれ変わって、2020年6月5日、「キーノ和歌山」が誕生しました。市民図書館などの公共施設やホテル、オフィスや多彩なショップが入った複合施設です。
こちらの2階に入っている「平和酒店」は、和歌山県海南市に蔵を構える平和酒造の初めてのアンテナショップ。平和酒造の商品約50種類が販売されているほか、カウンターバーでお酒やおつまみを味わうこともできます。
平和酒造は銘酒「紀土(きっど)」で知られていますが、そのほかにも和歌山の名産品の南高梅や柑橘類を使ったリキュール「鶴梅」が人気です。さらに近年はクラフトビールの醸造を始め、「平和クラフト」として認知を高めています。
こだわりのお酒を手軽にカウンターで
店内で接客をされているのが、実際に酒造りをされている醸造家というのも、このお店の特徴です。一般的には、醸造者と販売員は別であることが多いので、醸造家と直接話をしながらお酒を味わい、お酒選びの相談もできるのは貴重な機会。お酒の味、個性、醸造の際の裏話など、ぜひいろいろ尋ねてみてくださいね。
バーでは、「紀土」の定番の純米酒から最高ランクの純米大吟醸酒、梅酒などの果実酒やクラフトビールを味わうことができます。また、新作や季節限定のお酒なども楽しめるのが直営店の面白さ。写真は「紀土 純米吟醸しぼりたて」で、秋~春先の限られた時期にだけ楽しめる新酒です。爽やかな微発泡で、さっぱりした中にも旨みがあって、日本酒が苦手な方でもするする飲めてしまいそう。
メニューは月替わりとなっているので、2度目、3度目の訪問でも、また違った味わいが楽しめますよ。
おつまみもこだわりの和歌山産のラインナップ。写真は和歌山名物の金山寺味噌とクリームチーズをクラッカーに載せたもの。金山寺味噌とクリームチーズという濃厚なもの同士、相性が合うの?と思いきや、クラッカーの塩味がぴりりと引き締めて互いに味を引き立てます。日本酒にもビールにも、相性ばっちり!
他にも米麹を使った漬物「紀ノ川漬け」や、和歌山ラーメンの名店が作ったメンマや刻みチャーシューなど、様々な和歌山の味がいただけます。アルコールを控えたい方は、ノンアルコールのジェラートはいかがでしょう。
注目のクラフトビールも味わえる
こちらは2016年より販売が開始された、平和酒造のクラフトビール「平和クラフト」の飲み比べセット。バーカウンターで提供されている、定番や限定のビールから好みの3種類を飲み比べできます。もちろん、好みのビール単体でもオーダーすることができますよ。
こちらのクラフトビールは、当時入社2年目だった女性社員・高木加奈子さんが手を挙げて事業がスタートしました。男性社会のイメージの強い酒蔵にあって、女性社員が、しかも2年目にして主導を任されるというのは驚きです。日本酒だけでなく、梅酒や果実酒なども幅広く製造している平和酒造のチャレンジ精神の現れ。その心意気を、味わってみたくなりませんか?
日本酒と同じ高野山の伏流水を使用しており、基本は口当たりが軽く飲みやすいビール。とはいえホップを効かせたり、南高梅を使ったりといった個性的なものもあるので、ぜひ飲み比べてみてください。瓶のラベルや王冠は平和の象徴である鳩がモチーフとなっています。
じっくり眺めて楽しみたい店内
店内には、日本酒「紀土」をはじめとする多彩なお酒が美しく並び、まるでギャラリーのよう。冷蔵ケースの上やバーカウンターの奥の壁には大きなモニターがあり、酒蔵やお酒の製造工程なども映し出され、「見る」楽しみもあるショップとなっています。
お酒を美味しく飲むために酒器にこだわる方も多いと思います。こちらでも酒器を扱っていますが、手前の大きなグラスは、ワイングラスの名門として名高いオーストリアのリーデル社が、純米酒用のグラスとして開発したもの。グラスの形状がお酒の味に影響を与えることを発見し、よりお酒が美味しくなるグラスを開発していることで知られるリーデル。そのリーデルが、このグラスを開発する際に採用したのが、平和酒造の最高ランクの日本酒「紀土 無量山」の純米酒なのです。
ちなみに、バーではこのリーデルのグラスで提供されるお酒がメニューに出ていることもあります。もし見つけたら、純米酒専用グラスで味わうという贅沢を体験してみては?
海南市の酒蔵、平和酒造とは
「平和酒店」を運営する平和酒造は、和歌山県海南市の酒蔵です。昭和3年に創業され、何度も廃業危機を乗り越えながら、酒造りを続けてきました。第二次世界大戦中にも休業を強いられたものの、戦後に酒造りを再開。平和な時代に酒造りをする、という思いから、「平和酒造」と名を付けました。
平和酒造では、地域に根差した酒蔵ならではの、地元の素材や人々とのつながりを大切にした酒造りを続けています。一部の銘柄のお酒には、地元の方々の協力のもと、蔵の杜氏や蔵人が実際に田植えから稲刈りまで管理を行い、自分たちの手を掛けて育てた酒米も使用。大量生産とは異なる、丁寧で隅々まで目の届いた酒造りを実現しています。
キーノ和歌山内の「平和酒店」は、2020年12月現在で平和酒造唯一の直営販売店。ただお酒を販売するだけでなく、作り手と買い手を結び、お酒のある生活の喜び、楽しさを伝えてくれます。
駅直結なので、駅に着いてほっと一息つきたいときや、移動の合間のちょっとした時間にもぶらりと立ち寄れます。まずは一口、あるいはもっとしっかり和歌山を味わいたくなったら、ぜひ「平和酒店」へ! 

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Kino wakayama(キーノ和歌山)
place
和歌山県和歌山市東蔵前丁39
opening-hour
[物販]10:00-21:00[カフェ・レ…
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平和酒店
place
和歌山県和歌山市東蔵前丁39 Kino wakayama 2F
phone
0734311178
opening-hour
[物販]11:00-20:00[飲食]13:00…
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