役行者と大峯山修験者の聖地!奈良・天川村「大峯山龍泉寺」


2020.11.15

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奈良県天川村・大峯山の登山口、洞川にある大峯山龍泉寺は、真言宗修験(当山派)総本山醍醐寺の大本山。約1300年前に、役行者が、湧き出る泉を発見し、これを龍の口と名付け、ほとりに八大龍王をお祀りしたという伝承が起源とされています。龍泉寺は、大峯山山上ヶ岳への最初の修行場として重要な地ですが、一般の人でも気軽に参拝することができます。龍泉寺を訪れて山々に宿る神々の神秘的な空気の一部に触れてみませんか?
大峯山龍泉寺は「役行者」によって草創された名刹
大峯山龍泉寺は、洞川温泉のすぐ近くにあります。洞川温泉は、大峯信仰の拠点として栄え、多くの旅館・土産物店・御食事処が軒を連ねる温泉街です。
龍泉寺には総門と、西と東にふたつの修験門があります。朱色の総門の左側には「龍王講社本部」、右側には「大峯山内道場」の大きな看板がかかっています。
総門をくぐるとすぐ右手には「大峯山第一水行場」が。岩窟から湧き出た龍の口からの霊水が水行場に流れており、池の正面に役行者尊、右手には不動尊の銅像が建っています。その後ろの小さな島は金亀島です。
大峯山に登れるのは、毎年5月3日の「戸開式(とあけしき)」と、9月23日の「戸閉式(とじめしき)」の間のみです。この大峯行のシーズンになると、この水行場で修験者さんたちが霊水につかり、心身を清めた後、大峯登拝行へと向かいます。
総門から赤い小さな峰入橋を渡ると、正面に「神聖殿(納骨堂)」があります。神聖殿には、役行者神変大菩薩、聖宝理源大師の精霊を泰安し、併せて大峯山各講社先亡先達並びに檀信徒の諸精霊を安置しています。
聖宝(しょうぼう)理源大師は、役行者没後、悪者や毒蛇などの跳梁により、入峯修行の人々が絶えていた大峯山を再開するとともに、その根本道場として麓の龍泉寺も再興。ついで、なおも修法を積み、修験道の教儀を確立し、名実共に修験道中興の祖となった人物です。
龍泉寺の本堂を守る「前鬼・後鬼」とは
神聖殿の右手にある「本堂」には、御本尊の弥勒菩薩と、役行者、弘法大師、理源大師、近畿三十六不動尊の不動明王をお祀りしています。建物は、1946年(昭和21年)、洞川の大火によって焼失した後に、1960年(昭和35年)に再建されたものです。
龍泉寺の本堂を守るのは、役行者にお仕えしていた前鬼・後鬼の二人。前鬼、後鬼は、役行者が山中で修行をしていたとき、行者に危害を加えようとした夫婦の鬼と言われています。前鬼は夫、後鬼は妻です。しかし、役行者から逆に諭しを受け、その徳を慕い行を助け、行者の高弟となりました。
夫の前鬼は、陰陽の陽を表す赤鬼で鉄斧を手にし、その名の通り役行者の前を進み道を切り開く役割です。
いっぽう、妻の後鬼は、陰を表す青鬼で、霊力のある水が入った水瓶を持っています。ちなみに後鬼は、役行者の指示で洞川に住みつき、大峯山を守ったと言われています。そのため洞川は「後鬼の里」とも言われています。
龍泉寺は洞川随一の紅葉スポット
なお、龍泉寺は、洞川随一の紅葉スポットともいわれています。いちばんのおすすめスポットは、龍王橋の手前から眺める本堂の風景。
ついで、大峯山第一水行場に建つ弁天堂と、その周囲の風景も有名です。
ほかには、八大龍王堂の裏手にある「心字池」が。かつて龍が棲んでいたといわれているだけあって、とても水量が豊富。広々とした池の水面に映り込む紅葉が見事です。
石にも心があるということを実感できる「なで石」
本堂への石段の正面にある「なで石」は、優しく撫でれば軽く持ち上がり、逆に叩けば重たくなるという不思議な石。生き物にも心があるように、石にも心があるということを実感できます。
龍泉寺の境内には、本堂の横と、駐車場の前の2ヶ所に「柴燈護摩道場」があります。柴燈護摩(さいとうごま)とは、聖宝理源大師から伝承の修法であると言われています。
柴や薪を積み重ねて点火し、神聖にして清浄なる火の中に本尊不動明王を勧請して熱祷を捧げるもので、修験道の祈祷儀式としては最上のものです。
本堂から龍王橋を渡った正面にある「八大龍王堂」は、八大龍王尊をお祀りしています。八大龍王は、役行者が龍泉寺草創の折に、大峯の総鎮守として祀った龍神様です。
平安時代の嵯峨天皇の頃、弘法大師がこの宝前で雨乞いの修法をされてから名高く、大峯修行者の道中安全・家業繁栄の守護神として尊崇を集めてきました。
現在は、交通安全・海上安全・諸病平癒・諸願成就の神として、全国より多数の参詣者があります。天井には、八大龍王堂天井龍図(狩野派川面稜一画)が描かれています。
一般の人も体験することのできる「龍王の瀧」の瀧行
ところで、八大龍王堂から山側へと続く短い石段を上がったところには、瀧行場があります。そして、瀧行場の奥に広がる「龍泉寺の自然林」は、奈良県の天然記念物に指定されています。
また、自然林の奥をさらに進むと、洞川自然研究路へと続く吊橋「かりがね橋」があります。この吊橋は、全長120m、高さ50mもあり、天川村で一番長い吊橋となっています。
瀧行場の入口には、男性用と女性用に分かれた瀧場脱衣所があって、ここで行衣に着替えてから「龍王の瀧」で瀧行に臨みます。なお、行衣(白衣と腰巻・男女兼用)は、寺務所で、一着500円で借りることもできます。
一般の方も体験することのできる瀧行ですが、大変厳しい修行であることに変わりはなく、少しでも体調が優れない場合は見合わせるようにしましょう。
本堂の隣にある柴燈護摩道場の近くには、役行者が発見した「龍の口」と呼ばれる神聖な水が湧き出る泉があります。この泉は、うっとりするほど綺麗な水で、見ているだけで目も心身も洗われる思いがするでしょう。
役行者と大峯山修験者の聖地で、修験道という神秘的な空気の一部に触れてみてください。 

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大峯山龍泉寺
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