伝統からキュートなスイーツまで!進化する東京・築地本願寺


2020.10.16

LINEトラベルjp 旅行ガイド

あまりにも奇抜な建物。それが銀座から徒歩圏にある築地本願寺です。近頃ブックセンターやフォトジェニックなスイーツを食べられるカフェを併設して、若者や女性にも人気。2箇所あるショップコーナーにはお土産もそろいます。
いっぽう昭和9年完成の本堂は、あっと驚くインド風。反対に、浄土真宗の古典的な造りを守る堂内には美しいお経が響きます。伝統と最先端がコラボする築地本願寺へ、時を超える旅に出ませんか。
モダンと伝統が融合する
おおよそ日本のお寺とはかけ離れた異色な外観。見るものに強いインパクトを与えるのが、東京・築地にある築地本願寺。京都の西本願寺を本山とする浄土真宗のお寺です。
築地本願寺は江戸時代初期の1617年、西本願寺の別院として浅草に建立。明暦の大火で焼失したため築地に移転しました。1923年9月の関東大震災で再び焼失すると、東京大学名誉教授伊藤忠太の設計により、1934年(昭和9年)、現在の姿に再建されました。
中国、インド、中東、ヨーロッパの建造物群を巡ったことで知られる伊藤忠太は、仏教のルーツであるインドや中東の建築様式を採り入れ、当時としては最先端かつアバンギャルドなお寺を首都東京に作ったというわけです。
築地本願寺の敷地、西側の角に立つ像が、浄土真宗の宗祖、親鸞(1173-1263)です。幼少期に比叡山に登り研鑽を積み、29歳のとき浄土宗の開祖となる法然のもとに入門。常陸(現在の茨城県)を拠点に布教活動を行ったのち、京の都で著作活動に励みました。
親鸞の死後、弟子たちが代々布教を続けるうちに宗派として確立。浄土真宗の礎が築かれます。
異色な外観とはことなり、本堂内は浄土真宗の伝統的な造りです。天井は、寺院や城郭など格式の高い建物に見られる折上格天井(おりあげごうてんじょう)という豪奢な造り。正面には、本尊の阿弥陀如来像を安置する金箔張りの内陣が輝きます。
純日本風の堂内ですが、土足のままで入り椅子席が置かれているのも、当時の日本のお寺としはありえない趣向。そんなニュータイプのお寺が、昭和9年からあったんです。まさに、伝統と斬新のコラボです。
心奪われるお経の美しさ
もし日程の都合がつくのなら、15日と16日に参拝するのがお勧めです。16日は親鸞の月命日。前日の15日と16日は、その法要が行われます。
西本願寺の流れを組むお経は声が高めで、キリスト教の讃美歌を思わせる独特の旋律とあいまって、それ自体が“美”。お経の意味は判らなくても、心に伝わるものがあります。その美しさを堪能するのなら、できるだけ前の席で聴くのがお勧めです。
このほか一般の法要もあるので、運がよければお経を聴くことができますよ。
本堂の後方には、なにやら物々しい機械群。これが、築地本願寺の“最新”を象徴する設備。ここから月命日の法要をyoutubeでライブ配信しています。その様子は2020年8月にテレビ東京の「カンブリア宮殿」でも紹介。経済番組でも取り上げられる、現代仏教界の最先端です。
本堂の入り口には、日本のお寺では珍しいステンドグラスがはめ込まれます。キリスト教会を思わせる意匠も伊藤忠太の発案。とはいえ、描かれているのは親鸞の書にも書かれる蓮の花です。
洋のステンドグラスと、お寺で目にする黄金の菱灯篭。伊藤忠太は築地本願寺の設計で、グローバリズムを目指したのかもしれません。
お土産や書店、カフェもチェック
築地本願寺の新しい試みとして注目されるのが、2017年、敷地内にオープンしたインフォメーションセンター。ガラス張りのモダンな建物には、多目的ルームやブックセンターをはじめ、オフィシャルショップやモダンなカフェが入ります。
築地本願寺のオフィシャルショップには、おしゃれな小物やアクセサリー、特注のお線香、お菓子など、キラリと光る名品が並びます。本堂を見た後に、必ず寄りたいスポットです。
ブックセンターでは、仏教関係の書籍が充実。とはいえ“お堅い”本ばかりではありません。その1冊で自分が変わる! そんな本たちが並んでいて、若い人たちにも人気です。
美味なスイーツに驚きのお茶!
注目は、インフォメーションセンターにある和テイストのカフェ築地本願寺カフェTsumugi(ツムギ)」。営業時間は朝8時から21時までで、朝食やランチ、ディナーはもちろん、スイーツなどのカフェメニューが充実。女性にも人気で、広々とした窓から本堂の威容をながめながらゆったりとお茶を愉しめます。
Tsumugi(ツムギ)のイチ押しは、なんといってもお茶! 150年以上続く大阪の名店「袋布向春園(たふこうしゅんえん)」のお茶で、三重県産と福岡八女産のかぶせちゃをブレンドした温かいお茶は、風味とコクを楽しめます。渋みが驚くほど少なく、普段飲んでいるお茶とは別次元の味わいです。
抹茶パフェは豆乳プリンやピンク&緑白玉に、抹茶ゼリー、バニラアイス、つぶあん、ふやき、抹茶ソフト、岩おこしまで入ります。さらにTsumugiオリジナルの抹茶ジェノワーズカステラものる豪華版です。
一年中食べられるかき氷は、中央アルプスの天然水で作る氷を削ったフワフワの食感。人気の高かった期間限定の「桃みるく~なごりの桜~」は、定番メニューとしてラインアップ。桜風味のクリームに、香川県伝統のカラフルな餅菓子「おいり」をかけて食べるフォトジェニックなひと品です。桃の優しい酸味と甘みが口いっぱいに広がります。
袋布向春園の冷茶は鹿児島産の深蒸し茶を使用。渋みを抑えたすっきりとした味わいで、濃厚な旨みと豊な緑色を楽しめます。このほか、様々なお茶やスイーツが用意されているので、お寺見学後はここで休憩。夜はお酒も楽しめますよ。
時代の先を行くお寺
和食派の人なら、本堂に向かって右手にある第一伝道会館1階の日本料理「紫水」。築地本願寺のお坊さんオススメの蕎麦定食や天ぷら定食をいただけます。季節限定メニューもありますよ。
同じく第一伝道会館1階のお土産コーナー。銀座の老舗洋菓子店「コロンバン」が手がけた築地本願寺オリジナルのフールセックや、お坊さんが手土産に持っていくという本願寺せんべいなど、意外な名品がそろいます。
昭和9年に建物が再建された後、浄土真宗の教えと伝統を守り、最先端を採り入れた築地本願寺。それは建物だけではなく、オンライン配信や、映えるスイーツのほか、近頃はSDGs(持続可能な開発目標)にも取り組むほど。「親鸞聖人の教えも、持続可能なより良い世界なんですよ」とは、お坊さんのお言葉。
場所は銀座4丁目交差点から徒歩10分ほど。築地場外市場も目と鼻の先です。ショッピングや街歩きに合わせて、ちょっと異色な東京のお寺、築地本願寺に立ち寄ってみては? 古いけれど斬新な、仏教寺院の最先端に触れられます。 

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築地 本願寺
place
東京都中央区築地3-15-1
opening-hour
[4-9月]6:00-17:30[10-3月]6:0…

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