島根「平田本陣記念館」額縁で切り取ったような庭園は必見!


2020.11.07

トラベルjp 旅行ガイド

平田本陣記念館(ひらたほんじんきねんかん)は、島根県出雲市に復元されている江戸時代の豪商屋敷です。この地方特有の出雲流庭園を中心に、豪華な建築物や装飾品の展示などさまざまな見どころがある施設となっています。
なかでも、額縁で切り取ったような庭園の風景は、他ではなかなか見ることができないので、ぜひみなさんも足を運んでみてください!
由緒正しい本木佐家の歴史を体感
平田本陣記念館は享保20年(1735年)に建てられた本木佐(ほんきさ)家の屋敷を移築、復元し1989年に開館した施設。木綿販売や酒造業で財を蓄えた本木佐家は、山陰屈指の名家として、この地方一帯の文化的な発展に大きな貢献をしてきました。
本木佐家の屋敷は、タカ狩りや出雲大社参拝の際に、松江藩主が宿泊する本陣(ほんじん)としての機能を持っていました。大名の宿泊所として本陣に指定されることは大変名誉なことで、苗字帯刀や門を構えられるなどの大きな特権が認められていました。
出雲流庭園は必見
平田本陣記念館でもっとも目を引くのが、額縁で切り取ったような絶景を堪能できるこちらの本庭(日本庭園)です。来館者がゆっくりと鑑賞できるように椅子が設置されており、心ゆくまで庭園を眺められるようになっています。
一般的に日本庭園は、「池泉(ちせん)庭園」、「枯山水(かれさんすい)庭園」、「露地(ろじ)庭園」の3つに分けられますが、平田本陣記念館の庭は枯山水と露地の要素を組み合わせた「出雲流庭園」という様式になっています。
水を使用せず岩や砂などで風景を表現した枯山水と、樹木や苔、石灯籠などで構成された露地庭園の特徴を融合したこの地方独特の庭園で、松江藩の藩主であり茶人としても名の知れた松平不昧(まつだいらふまい)に仕えた庭師が考案したものです。
大きめの丸い飛石と長方形の短冊石の周りに粗い白砂を敷きつめた庭園は、繊細ながらも力強い印象を与えてくれます。美的効果を高めるため、松やサツキなどの樹木が、石を引き立てるように周囲に配置されているのも出雲流庭園の特徴となっています。
さらに、デザイン性と実用性を兼ね備えるため、飛び石が交差する場所には、すれ違う人が歩きやすいように、より大きな石が置かれているのも面白いポイントです。
江戸時代の豪商の屋敷を再現
平田本陣記念館のメインスペースである本館は、木造2階建ての屋敷を復元し、延べ床面積が約965平方メートルにも及んでいます。
柱や梁は釘を使わない工法で再現され、中庭の奥にある御成門(おなりもん)は、江戸時代のものが、そのまま移築されています。この御成門は、江戸時代に藩主が出入りしていたものと伝わっており、本木佐家が山陰屈指の名家として認められていたことが分かる証拠ともなっています。
本館の1階には藩主が休息をとった「上の間(かみのま)」が再現されています。
書院造りの室内には、手の込んだ造りの欄間や燭台が飾られ、江戸時代の雰囲気をそのまま感じとることができるようになっています。また、ふすまには金色を下地に、当時を代表する土佐派の絵師による絵が描かれており、その内装の豪華さには目を見張るものがあります。 

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平田本陣記念館
place
島根県出雲市平田町515
phone
0853625090
opening-hour
8:30-17:00
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