茨城「水戸城」の新たな見どころ完成!2020年から目が離せない


2020.06.12

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「この紋所が目に入らぬか」の台詞でお馴染みの水戸黄門さまのモデルとなった人物が実在するってご存知でしたか? 茨城県水戸市にある水戸城は、モデルとなった徳川光圀が藩主を勤めた城。800年近い歴史を持ち、雄大な土塁が築かれているのが特徴です。しかも2020年からは注目の年! 水戸城の見どころはもちろん、完成した復元大手門や、2021年2月に完成予定となる二の丸角櫓についてもご紹介します。
ダイナミックな土造りが特徴の「水戸城」
茨城県水戸市は、偕楽園や弘道館など歴史に馴染みの深い観光地です。ここには徳川御三家の一つ、水戸徳川家がかまえる居城「水戸城」がありました。徳川御三家とは、徳川家康の子供たちからはじまる家系で、将軍家のサポートや、将軍家の後継ぎ(後嗣)が途絶えた際に養子を出すことが役割です。水戸徳川家は徳川家康の11男・頼房からはじまり、時代劇ドラマで知られる水戸黄門(2代・光圀)や、徳川家最後の将軍・徳川慶喜も輩出しています。
ちなみに、時代劇の中に登場する水戸黄門さまは日本中を旅して悪者を退治してくれる、ヒーローのような存在です。実際の光圀は、ほぼ江戸と水戸の往復のみで、歴史書『大日本史』を編纂する大事業を行っていました。調査のために全国へ調査員を派遣していたことから、没後『水戸黄門仁徳録』という伝記の書物が誕生。これが水戸黄門さまの物語が生まれるきっかけだといわれています。
水戸城は、那珂川と千波湖に挟まれた丘陵地に築かれ、石垣をもたないダイナミックな土塁が特徴の城です。1625年に水戸城に入った頼房は、城と城下町を大改修。国内最大クラスの平山城が誕生しました。こちらの写真はお堀跡。電車の大きさと比べてみるとビックリするほどの規模ですね!
水戸城の見どころスポットといえば、本丸の表門にあたる「橋詰門」です。現在、本丸跡には茨城県立水戸第一高校が建っており中に入ることができませんが、入口にある門は見学することができます。
この橋詰門は、薬医門と呼ばれる形式の門で水戸徳川家が入城する前から存在していたと考えられています。明治と昭和の頃に市内に場所を移していましたが、1981年に現在の場所へと移築されました。
かつて、二の丸には天守の代わりとなる御三階櫓が建っており、この櫓には面白い特徴がありました。それは外観のトリックです。見た目は3階建てですが、実は中は5階建て。地面から直接建っている御三階櫓は、最下層を海鼠壁にしたことで、まるで石垣の上に建って見えるように工夫をしていたようです。
天守に匹敵する高さだったにも関わらず、「天守」と呼ばなかったのは幕府に遠慮してのことだったのでしょう。残念ながら、太平洋戦争の空襲によって焼失してしまいましたが、もし残っていたら国を代表するような文化財だったに違いありません。
国内最大クラスの学校「弘道館」
1841年に9代藩主・徳川斉昭によって創設された藩校「弘道館」は、儒学と武芸を礎に医学・薬学・天文学・蘭学など幅広い分野が学べる、日本国内最大規模の学校でした。
1868年の弘道館の戦いなど度重なる戦火に見舞われ建物は多くが焼失してしまいましたが、そんな中、正門、正庁(学校御殿)、そしてその奥にある至善堂が難を逃れ残っています。
徳川幕府最後の将軍、15代慶喜。学校の教科書でも習う偉人ですが、慶喜ゆかりのスポットが弘道館の中にあります。
斉昭の7男として生まれた慶喜は、父の教育方針により水戸で育てられました。至善堂は、彼が7歳~11歳まで教育を受けた場所であり、また、大政奉還後に水戸へと戻ってから約4ヶ月にわたる謹慎生活を送った場所です。
<弘道館の基本情報>
住所:茨城県水戸市三の丸1-6-29
電話番号:029-231-4725(弘道館事務所)
開館時間:2/20~9/30:9:00~17:00、10/1~2/19:9:00~16:30
休館日:12/29~31
アクセス:JR「水戸駅」より徒歩約8分
新たな見どころ「大手門」完成!2020年の注目ポイント
二の丸の入口には、かつて門に櫓がのった櫓門という形式の大手門がありました。実は、写真に映る大手門は出来立てホヤホヤ! 2009年に同県坂東市の万蔵院で水戸城の城門と伝わる扉が発見され、これを機に「一枚瓦城主」による寄付を開始。学術的な調査を経て、2020年2月4日に完成しました。
そして、ただいま二の丸角櫓と土塀を復元工事中! 完成は2021年2月を予定しており、水戸城の新たな見どころが増えようとしています。
大手門を過ぎると二の丸に出ます。二の丸にはかつて藩主が暮らす御殿や御三階櫓、『大日本史』の編纂所として創設された水戸彰考館がありましたが、現在は小・中・高校の敷地となっています。水戸市立第二中学校の一角には「水戸城跡二の丸展示館」が一般に開放され、解説パネルや模型、水戸城の出土遺物などを見学することができます。
<水戸城跡二の丸展示館の基本情報>
住所:茨城県水戸市三の丸2-6-8
電話番号:029-306-8132(水戸市教育委員会 歴史文化財課 世界遺産推進室)
開館時間:9:00~16:30
休館日:12/29~1/3、その他臨時休館あり
アクセス:JR「水戸駅」より徒歩約10分
水戸は春を彩る梅の名所
水戸といえば、市の木にも指定されている梅の花が名物です。梅鑑賞の歴史はなんと120年以上! 毎年2月中旬~3月下旬まで開催されている「水戸の梅まつり」では、日本三大名園の偕楽園と、弘道館の周辺にて梅を楽しむことができます。
水戸城内にある弘道館では約60品種800本の梅が咲き、心地よい春の香りに心躍らせながら歴史旅ができますよ。
2020年から見逃せない!
大手門という新たな見どころも誕生し、ますます目が離せない水戸城! 2021年2月完成予定の二の丸角櫓も待ち遠しいですね。圧巻の土木量を誇る空堀跡や、藩校・弘道館、現存する橋詰門(薬医門)など、水戸城をめぐって往時に想いを馳せてみてください。偕楽園も一緒に巡ると、水戸の魅力が2倍深まりますよ。 

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弘道館
place
茨城県水戸市三の丸1-6-29
phone
0292314725
opening-hour
9:00-17:00[10/1-2/19]9:00-16…
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弘道館 観覧券

¥400

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更新日:2024/04/19

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