迫力ある活火山の風景が魅力!栃木「那須岳」登山のすすめ


2020.06.12

LINEトラベルjp 旅行ガイド

那須といえば夏の避暑地の代表格、高原の風景が広がり、那須御用邸もある人気のリゾート地です。那須岳はそこに聳える日本百名山のひとつに数えられ、高山植物も豊富で、紅葉も美しく、季節を問わず楽しませてくれる山です。今回は、その中でも特に迫力のある火山の風景が魅力の主峰・茶臼岳をご紹介します。今もなお白い噴煙を噴き上げて活動する活火山も実は非常に登りやすく、まさにハイキング気分で誰でも楽しめる山なのです。
ロープウェイでほとんど登らず9合目
那須高原のリゾートエリアを走り抜け、風景は趣のある那須湯本温泉街へとうつり、やがて大きな建物が見えてきます。ここが那須ロープウェイの山麓駅で標高1915mの茶臼岳と標高1896mの朝日岳が並び立って迎えてくれます。
実は那須岳という名前の山はなく、朝日岳や三本槍岳、南月山、黒尾谷岳などの山域の総称です。栃木県の最北端に位置する関東を代表する活火山「茶臼岳」は那須連山の主峰であり、今もなお白い噴煙を噴き上げている迫力ある火山の風景が魅力の山です。
まずは標高1390mの7合目の山麓駅から那須ロープウェイで山頂駅(1684m)まで登ります。山頂駅は茶臼岳の9合目。ゴンドラは最大111人乗り、所要時間はわずか4分で高低差約300m、終点までの812mを登ります。
ロープウェイからはまるで優雅に空中散歩をしているかのように那須高原の稜線を眺められます。10月上旬~中旬には紅葉のピークを迎え、ツツジやナナカマドの真紅の葉とクマザサの緑が混ざり合う鮮やかな光景を楽しむことができますよ。
山頂駅のあるここ9合目から頂上まで50分、全体でも2時間の比較的楽な登山が楽しめますが、那須岳を登る際の注意事項や立体模型がおいてあるので、出発前に全体のルートを把握しておきましょう。飲み水も持っていなければここで買っておきます。
砂礫と巨岩からなる大迫力の絶景
茶臼岳山頂の火口を目指してスタートです。最初は緩やかな斜面ですが、ほどなくちょっと意気込む急勾配になります。道は砂と小石が混じるザラザラと滑りやすい砂利道なので早めに慣れましょう。
茶臼岳は火山なので山頂付近は砂礫に覆われていて、背の高い樹木が育たないので見晴らしがよいですよ。登山道はよく整備されていますので道に迷うことはありません。
山頂駅から25分ほどで登山用語で「ガレ場」と呼ばれる大きさの異なる岩がゴロゴロと折り重なって歩きにくい斜面にさしかかります。茶臼岳は今から約3万年前に火山活動を開始して今でも噴煙をあげる活火山で、山頂までの途中には、まさに火山活動によって運ばれてきたであろう八間岩のような巨大な岩がポツンと出現します。
慎重に足場を探して前進。15分ほどでガレ場を抜けると緩やかになり、10分ほどで山頂の那須岳神社の鳥居が見えてきます。
山頂でぐるりと火口を一周
山上部分は非常に広く、晴れれば2000m近い山頂から360度に視界が開け、ダイナミックな大パノラマが広がる様子を見ることができます。西から北にかけて安達太良山など福島県の山々が顔を見せていますし、東から南にかけては、関東平野に続く那須野が原に那須塩原の市街が美しく広がっているのを眼下に一望できます。
山頂周辺は簡単に火口を一周できるように登山道が整備されています。写真では分かりづらいですが、すり鉢状の火口全体を眺めることができ、その大きさに驚かされます。
ぐるりと火口を一周し終わると続いて峰の茶屋跡避難小屋をめざして進みます。ゆっくり歩いて30分ほどで茶臼岳の向かいにそびえる朝日岳を眺めるポイントにたどり着きます。
ところどころ段差の大きな岩場を通ることになり油断は禁物ですが、ルート自体に危険な場所はないのでスムーズに進んでいけますよ。峰の茶屋跡避難小屋が眺められるところからは、手前に剣ヶ峰(1799m)、一番奥に朝日岳(1896m)の鋭い岩肌が見えます。ここから朝日岳山頂へは45分ほどです。
小屋前にはベンチもあり、休憩するにはちょうどよく朝日岳の男らしい岩壁を見ながら昼食もいいですよ。あくまで峰の茶屋跡ですので避難小屋があるだけで茶屋や売店はないので、弁当や飲み物は事前に用意しておいてください。
火山活動を間近に感じる噴煙地帯“無限地獄”
峰の茶屋跡避難小屋へ下る手前の分岐まで戻り、牛ヶ首方面に向かう無限地獄と呼ばれる噴気口を通るルートへ進みます。無限地獄というぐらいなのでどれほど恐ろしい光景だろうとドキドキしながら進むと、風に混じって硫黄臭が感じられてきます。溶岩が固まってできたような岩とその間からガスがところどころ噴出していて、遠目からは異様な光景に出合います。
3万年前に火山活動を開始し、昭和38年(1963)に小さな爆発を起こして以来、穏やかな状態が続いているといいますが、やはり活火山なのです。昭和23年(1948)ごろまでは硫黄鉱山として栄えていました。
溶岩が固まってできたようなゴロゴロとした岩や緑に変色した岩肌の間から今までみたことのないほどの量のガスが勢いよく噴出しているところにやってくると、ボボッというガスの噴出音まではっきりと聞こえ、地球の息吹を感じさせてくれます。
ガスは有毒で空気より重いので、風が強い日は人体への影響は少ないですが、無風の時は窪地にたまりやすく、足早に通り抜けたほうがいいでしょう。
無限地獄の風景に圧倒されたことを考えながら歩いているうちに牛ヶ首にに到着します。眼下にはドウダンの赤、ダケカンバの黄、クマザサの緑などが小さな塊になって交じり合い、“陸のサンゴ礁”と称される美しい姥ヶ平が広がっています。
手軽なのに大冒険を終えた気分の山頂駅到着!
ここで日の出平方面へのルートと合流するので順路をロープウェイ方面へ向かいます。間違えると反対方向(板室方面)へ下りてしまうので要注意です。見上げると雲が流れていく青い空をバックにゴツゴツとした牛ヶ首が男らしくそびえていますよ。
10分程歩くとカルスト台地のような雄大に広がる景色に目を奪われ、さらに20分ロープウェイ乗り場を目指します。
ロープウェイが見えてきたら今回のルートは終了です。砂礫の下りは足が滑りやすいのでここも御用心です。あっという間に2時間(登り50分)は過ぎ、茶臼岳を一周しました。足にそれほど自信がなくても構えることなく行けて、ここまで簡単に楽しめる数少ない日本百名山です。 

国立公園 那須ロープウェイ
rating

4.0

94件の口コミ
place
栃木県那須郡那須町湯本那須岳215
phone
0287762449
opening-hour
始発8:30、上り最終16:00/下り…

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