日本海の圧倒的パノラマ!福井・敦賀三山「西方ヶ岳」登山


2020.05.20

トラベルjp 旅行ガイド

福井の山といえば、百名山・荒島岳を中心とする両白山地へ目が行きがちですが、実はポテンシャルが高いのが日本海側の山々。特に敦賀近郊に位置する「敦賀三山」は、初心者でも手軽に登頂でき、個性豊かな景観を有しているため、多くのハイカーから支持されています。その中でも、一番オススメなのが今回紹介する「西方ヶ岳」!日本三大松原・気比の松原の先に座す秀峰へ登頂すれば、眼前に圧倒的な日本海の大展望が広がります。
気比の松原の先に座す秀峰「西方ヶ岳」
福井県敦賀と聞いて、まず思い浮かべる名所といえば「気比の松原」でしょう。長さ1kmにわたり、青松白砂が美しいコントラストを見せ、日本三大松原の一つに選出されている景勝地です。
そんな風光明媚な「気比の松原」から眺めることのできる、たおやかで美しい山が、今回紹介する「西方ヶ岳」。敦賀半島の付け根に位置し、野坂岳と岩籠山とともに、敦賀三山として地元民を中心に多くのハイカーに親しまれています。
常宮神社の裏手から登山スタート!「奥の院展望所」へ
西方ヶ岳の登山口となるのは、敦賀半島東側の「常宮神社(じょうぐうじんじゃ)」。"お産の常宮さん"と親しまれ、古来に渡来人との関わりを連想させる国宝・朝鮮鐘を安置する由緒正しい神社です。
神社手前の駐車場へ車を止め、神社の裏手へ回り、標識の通り道を進んでいけば、登山道へとアクセスできます。
序盤はしっかりと整備された階段の遊歩道を進んで、淡々と標高を稼いでいきます。ある程度傾斜があるため、ペースを上げすぎないことが大切です。そしてスタートから30分で、第一の見所「奥の院展望所」へ到着!
広場のようになった岩盤の先に、敦賀市内と気比の松原まで、大きく広がる敦賀湾を一望できます。
視界が一切遮られていないため、岩の上に立つと爽快!また海と空の青、山の緑など、色鮮やかな景色をうっとりと眺めてしまうことでしょう。
実はこの西方ヶ岳は、福井県では珍しく花崗岩が露出する山。そのため、この「奥の院展望所」のように、登山の道中にロッククライミングしているかのようなパノラマが味わうことができます。
登り応え抜群!情緒豊かな山歩きを楽しもう
「奥の院展望所」を越え、緩やかな丘陵を通り過ぎると、次第に道が登山道らしくなっていきます。散在する奇岩の間を抜い、湧水ポイントの銀名水を越えたら本格的な登りのスタートです。
この中盤が一番体力を使うため正念場!所々休憩をとりながら地道に進んでいきましょう。
そして展望ポイント「オウム岩」を過ぎると、西方ヶ岳を特徴付けるブナ林へと入っていきます。ここまで来ると、道の傾斜は緩くなり、再びハイキングといった面持ちに!
また、夏には生命力たぎる緑、秋には仄かな紅葉に彩られ、趣のある山歩きが楽しめるのもポイントです。さぁ、ここまで来れば山頂まであと少し。
そしてスタートから1時間半から2時間で、山頂へと到着!ブナの木々に囲まれた山小屋が可愛らしく、絵になる風景ですね。
さて、ここからは到底展望の良い山には見えないのですが、実は山小屋の右奥へ入った場所に展望スポットが位置しています。見落とす方もいらっしゃるので、展望台があることをしっかり覚えておきましょう!
吸い込まれる大パノラマ!「西方ヶ岳」が見せる福井の世界
山小屋から少し外れれば、そこには岩峰直下に敦賀湾が大スケールで展開!圧倒的な高度感を誇っており、まさに青色に吸い込まれるような絶景を見せてくれます。
そして対岸には越前の海岸と、福井の山並みが美しく、天気が良ければ加賀の霊峰「白山」の姿が望めることも!
その一方で北へと目をやれば、カモシカ台~蠑螺ヶ岳(さざえがたけ)の雄大な峰々と、越前岬までスーッと伸びていく海岸線。山と海が隣接する福井県だからこそ見られる壮大なパノラマビューが広がります。
遮るもののない180度以上の、筆舌に尽くしがたい景色!これこそ「西方ヶ岳」最大の特徴であり、多くの登山客に愛される理由と言えるでしょう。
なお、ここから前述した蠑螺ヶ岳方面へ縦走できますが、距離が増えることと、違う登山口へ降りることになるため、慣れていない方は往路を折り返すのがオススメです。
福井はポテンシャルが高い!絶景の山「西方ヶ岳」へ登ろう
あまりメジャーな山がなく、登山のイメージに乏しい福井県ですが、実は一般にはあまり知られていないだけで、マニアな登山愛好家たちを唸らせる名山を多く有しています。
今回紹介した「西方ヶ岳」もその一つ。手軽ながら唯一無二の大展望を味わうことができるのが醍醐味です。遠方からでも登りに来る価値が大いにある山なので、ぜひ一度登山を計画してみてはいかがでしょうか? 

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西方が岳
place
福井県三方郡美浜町
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