和歌山・木の神「伊太祁曽神社」で紀伊国のルーツに触れよう!


2020.05.14

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和歌山県「伊太祁曽(いたきそ)神社」は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の息子である五十猛命(いたけるのみこと)を主祭神とする“木の神”を祀る神社です。五十猛命は、妹神の大屋都姫命(おおやつひめのみこと)、都麻津姫命(つまつひめのみこと)を引き連れて全国に植樹を行い、最終的に木の国(紀伊国)に降り立ちました。五十猛命を含め、3柱の神々がお祀りされている伊太祁曽神社で、紀伊国のルーツに触れてみませんか?
伊太祁曽神社へは和歌山電鐵「伊太祈曽駅」の利用が便利
伊太祁曽神社は、三毛猫の「たま駅長」などで知られる和歌山電鐵貴志川線の伊太祈曽駅からほど近いところにある紀伊国一之宮です。
道路沿いにある真新しい大鳥居は、第62回伊勢神宮式年遷宮の古材を譲与され、2017年(平成29年)に再建されたものです。
二の鳥居をくぐって境内に入ると、荘厳な雰囲気が漂います。そのまま神池にかかる神橋を渡ると割拝殿へと至ります。
社務所の前には、樹齢1000年といわれる御神木の大杉がありました。しかし、1962年(昭和37年)の落雷により炎上、傍らには若杉が植えられました。
その後、古幹は割拝殿に保存され、大国主命(おおくにぬしのみこと)を助けた神話にちなみ、「木の俣くぐり」となっています。
威風堂々とした「割拝殿」と木の温もりを感じさせる「本殿」
伊太祁曽神社の拝殿は、割拝殿となっています。割拝殿とは、建物の中央に土間があり、通り抜け可能な拝殿のことです。威風堂々としたとても立派な割拝殿です。
割拝殿を抜けると本殿へと出ます。本殿には、主祭神である五十猛命が祀られています。ほかに左脇殿には大屋都姫命、右脇殿には都麻津姫命が祀られています。本殿は、いかにも“木の神様”らしい温もりを感じさせる佇まいです。
なお当地に、ご鎮座の時期については『続日本紀』によると、はじめ日前宮(日前神宮・国懸神宮)の社地にお祀りされていましたが、日前宮が、647年(垂仁天皇16年)にご鎮座されたため、その際、現在地の近くの「亥の森」に遷座し、さらに713年(和銅6年)に現在地に遷座しました。
本殿の千木(ちぎ)は、外削(そとそぎ)と呼ばれる垂直のそぎ方で、その多くは、祭神が男性神であることを表しています。
しかし、伊太祁曽神社の脇殿は、女性神であることを表すことの多い水平のそぎ方、内削(うちそぎ)ではなく外削となっています。神社にお参りの際には、ぜひ千木のそぎ方の違いにも注目してみましょう。
「世界最速の彫刻」チェンソーアートによる12支
割拝殿内には、チェンソーアートの干支12体が飾られています。チェンソーアートとは、「チェンソー・カービング」ともいわれ、木を伐るチェンソーで、丸太を彫刻するもので、犬・熊・フクロウ・龍など様々な彫刻を行います。
チェンソーだけで、仕上げまで行うため「世界最速の彫刻」といわれ、作品だけでなく、その制作過程をエンターテイメントとして楽しみます。
展示されている作品(12支)は、伊太祁曽神社の「木祭り」(4月第1日曜日)で、和歌山県龍神村在住のチェンソー・カービングの世界チャンピオン、城所啓二氏の実演奉納によるものです。
ほかに、割拝殿内では、『古事記』にある“木の俣くぐり”の実体験をすることができます。
神代の昔、大国主命が八十神(やそがみ)に命を狙われた際に、大屋毘古神(五十猛命の別名)が、木の俣を利用して大国主命を助けたという神話にちなみ、この穴をくぐると災難除けになるといわれています。
なお、木の俣くぐり体験に初穂料は不要です。「木の俣くぐり体験証明書」希望の方は、石段下の授与所で、100円で発行しています。厄難除けをした証が欲しいという方におすすめです。
「おさる石」や「梛の木」の霊験をいただこう
ほかにぜひお参りしたいパワースポットとしては、「蛭子神社」が。明治の神社合祀令によって、氏子地区である東西山東の各大字に祀られていた22もの神社が合祀されています。
また、蛭子神社の前には「霊石おさる石」があり、猿の頭の形をしたこの岩は、首より上の病に霊験あらたかといわれています。
ほかに、境内には「神木 梛(なぎ)の木」があります。梛は、その葉が丈夫なことから「家内安全・夫婦円満」、他の植物の生育を抑制する力から「魔除け」の霊力があるとされています。さらに葉をお守りとして持つのも良いと伝えられています。
“紀伊国のルーツ”伊太祁曽神社で、神秘のパワーをいただいてください。 

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伊太祁曽神社
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place
和歌山県和歌山市伊太祈曽558
phone
0734780006
opening-hour
9:00-17:00(但し、参拝はいつ…
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