日本遺産の町!愛知県有松・カフェ「庄九郎」で至福のひと時を


2020.02.02

トラベルjp 旅行ガイド

名古屋市有松の特産品・有松絞りは、様々な技で括った布へ独特の模様染めを行う伝統工芸。尾張藩に保護されて以降、旧東海道を行き交う人々から愛され、現在まで連綿と受け継がれてきました。歌川広重の東海道五十三次にも、その繁栄ぶりが描かれています。今回紹介する「庄九郎」は、その有松絞りの開祖・竹田庄九郎の名を冠し、現存する竹田邸に隣接するカフェ。古き良き有松の雰囲気に浸りつつ、絶品ランチを味わえるお店です。
都会の中に江戸時代!?名古屋市「有松」絞り染めで繁栄した町
江戸と京都を結んだ旧東海道。その池鯉鮒宿(ちりゅうのしゅく)と鳴海宿(なるみしゅく)の間の宿として成立したのが、今回紹介する有松の発祥です。元々、この地は人気のない荒地で治安が悪く、街道の通行に支障をきたすことから、尾張藩が移住者を公募して、町を開かせました。
元々農業に不向きな土地であったため、有松に移り住んだ人々は生業に悩みましたが、そのうちの一人・竹田庄九郎が豊後(現大分)の絞り染めから「有松絞り」を考案し、それを街道を行く買う人々に販売したところ大ヒット!尾張藩からの保護も受け、尾張地区の一大名産品としての地位を確立しました。
それに伴って、町は急成長。天明の大火(1784年)で町が全焼してしまったものの復活し、それ以後も当時の街並み景観が保存されています。今では、有松絞りの商家の数軒が有形文化財に認定され、その歴史的・伝統的価値が再認識され、2019年5月には日本遺産への登録も決まりました。
有松絞りの発祥「竹田邸」レトロな外観が趣抜群
そんな町の一角に、今でも有松絞の開祖となった竹田邸の屋敷が残っています。蔵をはじめとして、二階の壁が黒しっくいの塗ごめ造りをなし、黒光りする佇まいが格好良く、広い間口と豪壮な建築が特長的!ガス燈が乗ったひさしからも、当時の商家の佇まいが偲ばれます。
今回紹介するカフェ「庄九郎」は、その竹田家に隣接するカフェ。正面から左に回り込むと、駐車場のスペースがあり、その奥にこじんまりとした建物が現れます。
実は後ほど紹介しますが、竹田家は幾つもの家屋が複合した屋敷で、真ん中の庭園を囲うように、家々が連結してできており、その一角に設けられている穴場カフェなのです。
さぁお店に入りたいところですが、その前にフォトスポットのご紹介!カフェ「庄九郎」の駐車場へ入る直前に、竹田邸を見渡して写真を撮るのがオススメです。奥行きある黒漆喰の建物と、街灯のコラボレーションがレトロで、思わず前時代にタイムスリップしたかのような絵に出会えますよ。
レトロモダンを体現した店内が素敵!「庄九郎」で癒しの時間を
それでは店内へと足を運びましょう!すると笑顔朗らかなオーナーさんが迎えてくれ、レトロモダンな空間が広がります。築170年の町屋の心地良い雰囲気を活かしながら、随所にスタイリッシュな工夫が施されているのがポイントです。
例えば、中央に飾っている絞り染めと、鮮やかな水色のチェアの相性が抜群!また各種照明には、絞り染めの際に用いる布を被せることで、さりげなく"有松らしさ"も演出されています。伝統工芸と生活がいつでも隣り合わせということを実感できる、ほっこりする仕掛けです。
また席が面白いということも特徴的!中央部の席以外に、元々和室として使われていた個室、窓が一面配され開放的な窓際、そして気温が丁度良いシーズンにはテラスでの食事も可能です。
好きな席を選ぶことでできるので、ぜひ自分の好みに合わせて選んでみてくださいね!あらかじめ座りたい席がある場合、予約を入れておくのが安心です。
絶品ランチに名物ソフト!?ゆったりと食と空間を楽しもう
「庄九郎」のランチは11時~14時、それ以降はカフェとバルとしての営業です。ランチメニューは海鮮2種・牛肉2種の計4種から選ぶことができ、いずれも食後の飲み物・お菓子付きで1500円。
オススメは、1日15食限定の「庄九郎ランチ」!厳選されたマグロ・ネギトロ・イクラ&ホタテの3種類のアレンジ寿司です。写真では小さく見えますが、実は具がずっしり乗っていて中々ボリューミー!しかし、まるで宝石のような可愛らしさも備えています。
このメインに、優しい味のスープと、飲み物+お菓子が付きます。なお「庄九郎ランチ」だけは、+200円掛かるお抹茶が追加料金不要なので、ぜひ食後に頼みたいところ。
カフェの中に流れる落ち着いた音楽、温かみのある照明や、広々とした和洋折衷の空間など、癒し成分満載の店内で、ゆったりとくつろぎながら食後の時間を楽しみましょう!
またお腹に余力があれば、是非頼んでみて欲しいのが「藍ソフトクリーム」。クリーミーなヨーグルトソフトへ染物に使う藍で着色を施した有松名物!?ソフトクリームです!
奇抜な見た目がソーダを連想させ、決してシュワシュワしているわけではないのに、なぜか清涼感を感じる新感覚スイーツを一度味わってみてはいかがでしょうか?
おもてなしが伝わる!有松「庄九郎」名古屋の新たな楽しみ方
2019年5月に新しく日本遺産へ登録され、近年「有松絞」の産業の町から観光の町へ少しずつ進化を遂げている名古屋市有松。まだまだ全国的には認知度が少なく、課題も多いと言います。その中で今回紹介した「庄九郎」は、数少ない休憩処として有松を盛り上げる穴場カフェ!
「少しでも有松を楽しんでもらおう」「良い思い出を作ってもらいたい」というオーナーの思いが滲み出ている温かいお店です。愛知へ旅行へ行く際は、ぜひ「有松」の街並みと、カフェ「庄九郎」を訪れてみてくださいね!きっと名古屋の新たな楽しみ方が発見できるはず。 

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