陰と陽どちらが好み?しだれ桜と枯山水が美しい京都「退蔵院」


2019.03.07

トラベルjp 旅行ガイド

京都市右京区の花園に位置する「妙心寺」境内には、塔頭と呼ばれるたくさんの小院が存在しますが、「退蔵院」もそのうちの一つ!境内には、しだれ桜を境に左右で砂の色が異なる「陰陽の庭」と呼ばれる枯山水庭園があり、春先になると両者のコラボレーションは絶妙!そのため、「退蔵院」だけでなく「京都」を代表する顔として様々なメディアに取り上げられました。春の「退蔵院」を訪問して、陰と陽好きな方を選んでみよう!
妙心寺の塔頭でもある退蔵院の山門
「退蔵院」は花園で広大な敷地を持つ「妙心寺」境内の南側に位置し、比較的名の知れた塔頭です。1404年の室町時代応永年間に、越前国の波多野重道が無因宗因を開山に迎えて建立したのが「退蔵院」のはじまりです。しかし、応仁の乱にて妙心寺もろとも炎上してしまいましたが、16世紀中ごろに亀年禅愉によって中興され現在に至ります。
そんな「退蔵院」の入口には、江戸中期に建造された山門があります。この山門は左右の親柱と控え柱2本ずつから成る薬医門で、当時は高貴な薬医にしか与えられなかった御屋敷門でした。バランスが整った綺麗な形状は、まず最初に真正面からじっくりと見ておくと良いでしょう。山門の先にある拝観受付にて拝観料(600円)を払えば境内へ入ることができます。
「退蔵院」の見どころといえばここ!「陰陽の庭」
拝観受付を終了したあとは、順路に従って墓所の横を通っていくと門があります。この門をくぐると、真っ先に目に入るのが左右の二か所に設けられた枯山水庭園!そして、その中央にはしだれ桜が植えられています。普段でも非常に魅力的な光景ですが、春先になると中央で満開となったしだれ桜が枯山水庭園に彩りを添えます。
この枯山水庭園こそが「陰陽の庭」で、物事や人の心の二面性を表現した作品!門から入って左側が「陽の庭」、右側が「陰の庭」と呼ばれています。写真は左側の「陽の庭」で、白砂をメインとした空間には7個の石が置かれています。しだれ桜と白砂のコントラストは目が覚めるような色彩コラボで、なおかつ絶妙ですので必見です!
今度は右側の「陰の庭」。こちらは黒砂をメインとした空間には8個の石が置かれています。少々重苦しい色合いですが、「陽の庭」とは対象的なコントラストで、しだれ桜とのコラボレーションが絶妙です!両庭の石の数は合わせて15個ですので、全て数え上げることができるか試してみましょう。それにしても、この辺に欲しいな、といったところに石があり、砂による浪打がある、すばらしい空間!たかが15個ですが、その素晴らしさに気を取られて数え間違いそうです。
「陰陽の庭」見学の後は境内を徐々に奥へ!
「陰陽の庭」を見学後は、そのまま順路に従って境内の奥へと進みましょう。途中には写真の左に写る「大休庵」とよばれる茶席があり、こちらでは500円でお抹茶と「退蔵院」限定の和菓子を召し上がることができます。なお、「大休庵」は雪見障子が設けられいて、どこからでも庭の風景を楽しむように工夫されています。
そんな「大休庵」の横にはこじんまりとしたしだれ桜が植えられています。回廊を覆いかぶさるような枝ぶりは小規模ながら写真に収めておきたいところ。「大休庵」で一休みして雪見障子越しにしだれ桜を見ても良し!このような贅沢なひとときは、退蔵院だからできることなのです。なお、「大休庵」の手前には売店もあるため、退蔵院オリジナルのおみやげを購入するのも良いでしょう。
クライマックスは境内最深部の「余香苑」へ!
境内をさらに奥までアクセスしてみると、水辺エリアとなります。境内の最深部は藤棚があり、その下のベンチに腰を下ろせば、水辺エリア全域を一望できます。この水辺エリアこそが「余香苑」と呼ばれる池泉回遊式庭園で、昭和時代を代表する中根金作氏によって1966年に完成しました。
「昭和の名園」とも言われる「余香苑」には水の流れが表現され、東から西へと流れ落ち、そして足元に到達する形になっています。目の前の東側には空を目いっぱい借景として取り入れ、北側には満開の桜が咲き乱れるという、色彩豊かな眺めは、文句の付け所がない素晴らしい景観です。
「余香苑」を流れるせせらぎは一番南側から滝状となって流れ落ち、ゆっくりとした流れで目の前までたどり着きます。そんな様子を写真に収めてみるのも面白いですね。耳をすませば水の音がとても心地良いため、しばし時間を忘れて腰を下ろしたまま、「余香苑」の美しさに酔いしれてみるのも良いかもしれませんね。 

read-more
退蔵院
rating

4.5

11件の口コミ
place
京都府京都市右京区花園妙心寺町35
phone
0754632855
opening-hour
9:00-17:00
すべて表示arrow

宗教法人退蔵院 電子前売り拝観チケット

¥600

arrow icon

更新日:2024/04/18

この記事を含むまとめ記事はこちら