善光寺七福神との出会いとともに仏都・善光寺の魅力に触れる


2019.01.03

トラベルjp 旅行ガイド

七福神はそもそも、室町時代の七賢人になぞらえて七体の福の神を合わせたのが始まりといわれます。善光寺表参道(旧北国街道)とその周辺には、七福神がまつられた寺社が点在していて、門前町の史跡を周り、招福にあやかる街歩きコースとしてゆっくり楽しめるようになっています。専用の色紙に御朱印を集め、長野駅から終着地・善光寺までの約2.5kmの散歩を楽しみながら、御利益アップの福集めの旅に出かけてみませんか。
刈萱山西光寺の「寿老人」から始まる善光寺七福神巡り
善光寺門前への鉄道の玄関口であるJR長野駅の階段を下りると、すぐに目に入ってくる駅前広場に建つ女性の銅像が、「如是姫像」です。昔、インドの月蓋長者の娘・如是姫が大病を患い、長者が如来様に治癒を願ったところ快癒し、この如来様がその後、百済、大阪・難波、そして善光寺へと移り祀られたという善光寺縁起に由来しています。善光寺ご本尊に最初に救ってもらった女性で、礼賛・感謝を捧げるため善光寺本堂に向いて立っています。
長野駅から善光寺まで十八丁の距離があり、参道両脇一丁(約109m)ごとに置かれている一対の丁石を数えながら巡ります。
長野駅から歩いて5分程、『寿老人』を祀っている「刈萱山西光寺」は、ファッションビルなどが並ぶ賑やかな中央通り(善光寺参道)沿いの赤い門が目印です。善光寺参詣者が必ず立ち寄る寺として栄えてきた、開祖・刈萱上人と石堂丸親子ゆかりの鎌倉時代創建の浄土宗の古刹です。
「絵解きの寺」として有名で、江戸時代のものとされる二幅の「刈萱道心石堂丸御親子御絵伝」が伝わり、現在も絵解きが行われています。
長寿、財運、子孫長久の御神徳がある『寿老人』は、中国、宋時代の人で南極老人星の化身と言われ、南の方角を守る神なので善光寺表参道でも一番南に祀られています。長寿の老人で右手には巻物をつけた杖を持ち、左手には宝珠を捧げています。
ここで『朱印色紙』(800円)を購入し、それぞれの寺社で100円を上納して朱印を押して巡ります。真新しい色紙を持って七福神巡りの始まりです。
<刈萱山西光寺の基本情報>
住所:長野県長野市北石堂町1398
電話番号:026-226-8436
拝観時間:境内自由(朱印は9:00~17:00)
中央通りから少しそれて見つける「大黒天」と「福禄寿」
『大黒天』を探しに中央通りと昭和通りの交差点、新田町のスクランブル交差点を県庁方面へ左折すると、中央郵便局の西隣にあるのが目指す「大国主神社」です。現在では祠のみですが、小さい神社ながら鳥居もあります。祠に祀られた大黒天は、元々はインドの神様でしたが、日本では大国主神と混同され、農産、福徳の神様になりました。
鎌倉時代、この近くに信濃国庁があり、大国主神社は国庁に関する神社という説もあります。県庁一帯が、その昔大黒という古名だったことも興味深いです。
<大国主神社の基本情報>
住所:長野県長野市南県町1085
拝観時間:境内自由(朱印はご自身で)
中央通りに戻って北上しますが、ここからゆるやかな坂道が始まります。セントラルスクゥエア斜前、小林薬局を入ると、源頼朝創建と伝わる善光寺七院のひとつ、浄土宗「十念寺」の一角に秋葉神社があります。火伏せの神・三尺坊(天狗)は福・財運・長寿の三徳を司ると言われ、『福禄寿』の化身とされていることから祀られています。
<秋葉神社の基本情報>
住所:長野県長野市西後町1568
電話番号:026-233-2449(十念寺)
拝観時間:境内自由(十念寺本堂前にある朱印をご自身で)
花街の面影残る権堂アーケードに佇む「弁才天」
再び中央通りを善光寺方面に向かい、右手に権堂アーケードが見えてきたら、信号を渡って入ります。かつて善光寺の本堂の仮堂が置かれた場所として、また精進落しの参拝者が集まる花街として賑わいを見せたのが権堂です。
入口から30m程進むと、左側に善光寺七院のひとつ「蓮池山 往生院」があります。約1200年前の大同2年(807)、善光寺参拝に訪れた弘法大師が建立し、その後法然上人が浄土宗に改め初代住職に就いたといわれます。
『弁財天』はインドの河の女神で、昔このあたりに蓮池があったので弁財天が小さな祠の中に安置され祀られています。琵琶を弾くお姿で表され、芸能の御神徳があることから、この宇賀弁財天社は、権堂で暮らした多くの芸妓が、芸事の上達を祈って信仰されてきたといいます。
<蓮池山往生院の基本情報>
住所:長野県長野市鶴賀権堂町2321
電話番号:026-233-0626
拝観時間:境内自由(朱印はご自身で)
善光寺神域で「布袋」「恵比寿」「毘沙門天」を巡る
大門町の常夜灯を越えると、善光寺の神域に入ったという思いが強くなってきます。表参道は、鬼門の位置に西宮神社、裏鬼門に大国主神社があり、恵比寿、大黒天に守護され、清浄な空気に包まれた土地です。
初代藤屋平五郎が300余年前に開き、後にかつての善光寺宿で加賀百万石の本陣を務めた、登録有形文化財の建物「THE FUJIYA GOHONJIN」の正面右に『布袋』が祀られています。中国に実在した僧で、肩に大きな袋を背負って、お腹が大きい福々しいお姿です。
こちらは辰野町出身で戦艦大和最後の艦長である有賀幸作中将の生家に伝わるものです。弥勒菩薩の化身ともいわれるにこやかなお顔は、まさに福の神そのものですね。
<THE FUJIYA GOHONJINの基本情報>
住所:長野県長野市大門町80
電話番号:026-232-1241
拝観時間:拝観自由(朱印はご自身で)
善光寺入口を東に右折し、横町通りの突き当りに「西宮神社」があります。善光寺表参道の鬼門(北東)に当たり、布袋と並んで日本人に馴染みが深い『恵比寿』を祀っています。右手に釣竿、左手に鯛を抱えたお姿で、七福神の中では唯一日本の神です。商売繁盛、家内安全、五穀豊穣、福徳円満など広い御神徳を授けていただけるありがたい神様ですので願いが通じるように固く手を合わせましょう。
<西宮神社の基本情報>
住所:長野県長野市岩石町257
電話番号:026-235-6633
拝観時間:境内自由(朱印は8:00~16:00)
仲見世通りの一本東側の釈迦通りにある「世尊院釈迦堂」は、善光寺山内寺院で文治3年(1187)の創建、国の重要文化財の釈迦涅槃像が堂内に祀られ、この御本尊の脇に『毘沙門天』は安置されています。仏法を守る四天王の一人で、多聞天とも呼ばれる神様です。北の方角を守る神ですので善光寺七福神でも一番北に祀られています。世尊院の毘沙門天は、平安時代の作といわれ、長野市の文化財第一号に指定された寺宝で、御本尊の特別拝観日に同時に開帳となり拝観できます。
<世尊院釈迦堂の基本情報>
住所:長野県長野市元善町475
電話番号:026-232-4724
拝観時間:8:00~16:00(朱印も同時間)
善光寺で最後の満願を遂げる
七福神めぐりをひと通り終えたら、あとは善光寺で最後の満願を遂げます。土産物屋が庇を連ねる仲見世通りから高さ約20mの山門をくぐって、本堂へ向かいます。
本堂に向かって右手にある善光寺のお守りなどを販売している頒布所で、善光寺の朱印(200円)を押してもらえば見事満願です。
最後に全国から集まってきた善男善女で賑わう境内を心静かに歩いていきます。本堂前にある大香炉の煙で身を清めてから参拝に向かいます。
1300年の歴史を誇り、年間700万人の参拝客が押し寄せる善光寺は、「救い給うは弥陀の誓願」のもとに、老若男女を分け隔てず極楽往生に導く庶民信仰のふるさとです。天台宗の大勧進をはじめとする25の院と浄土宗の大本願をはじめとする14の坊があるのも、一宗一派に偏らない善光寺の特徴をよく現しています。
<善光寺の基本情報>
住所:長野県長野市元善町491-イ
電話番号:026-234-3591
拝観時間:日の出~日没 拝観自由(朱印も同時間) 

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西宮神社
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長野県長野市大字長野岩石町
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0262356633
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善光寺
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4.5

1970件の口コミ
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長野県長野市大字長野元善町491-イ
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0262343591
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24時間※諸堂はそれぞれ異なる
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世尊院 釈迦堂
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長野県長野市元善町475
phone
0262324724
opening-hour
8:00-16:00(要問合せ)
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かるかや山 西光寺
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3.5

30件の口コミ
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長野県長野市北石堂町1398
phone
0262268436
opening-hour
8:00-17:00(冬季16:30)
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THE FUJIYA GOHONJIN(ザ フジヤ ゴホンジン)藤屋御本陳
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長野県長野市大門町80
phone
0262321241
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[ランチ 月-金]11:00-15:00(L.…
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