世界遺産の石庭は謎だらけ!京都「龍安寺」で禅の精神を体感!


2018.12.07

トラベルjp 旅行ガイド

「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている龍安寺。その目玉は、なんといってもエリザベス女王も絶賛したと言われる枯山水の庭園です。みなさんもここで予備知識を頭に入れたうえで、実際に足を運んで、素晴らしい庭園の魅力を存分に感じ取ってみてください。
室町時代に建てられた名高い禅寺
龍安寺は室町幕府の守護大名、細川勝元(ほそかわかつもと)によって宝徳2年(1450年)に創建された禅寺。開祖の勝元は、ほどなくして応仁の乱(1467-1477年)の東軍総大将となり、日本中を巻き込む戦へと発展していきます。戦乱の舞台となった京都は荒廃し、残念なことに龍安寺も焼失。
ですが、明応8年(1499年)に勝元の子の細川政元によって再建。そして復興を遂げた今では、禅の精神を体感しようと、世界中から観光客が訪れる名刹になっているんです!
謎多き魅力にあふれた石の庭園
龍安寺の最大の見どころは、なんといっても日本を代表する枯山水の庭園です。枯山水とは水をいっさい使用せずに、岩や砂などで構成された庭のこと。座禅や瞑想を行う禅寺にはこの形式が多く、自然と自分と向き合えるような仕掛けになっているんです。
有名な龍安寺の石庭(方丈庭園)は三方向が土の壁で囲まれており、一段上にある方丈という建物から眺めて鑑賞するようになっています。庭園の幅は25メートル、奥行は10メートルほどで、ちょうど小学校の25メートルプールと同じくらいの大きさです。
石庭の一面には白砂が敷き詰められ、そのなかに7個、5個、3個のまとまりで(他に5、2、3、2、3の5群で構成されているという見方もあります)15個の石が並べられています。その配置から別名「七五三の庭」や虎が子供を連れているように見えることから「虎の子渡しの庭」とも呼ばれているんです。
この不思議な石庭は、作庭者や作庭時期、石の配置の意味など、はっきりしたことは、ほとんど解明されていません。また、15個の石はどの角度から見ても必ず1個の石が、他の石に隠れてしまうという謎もあります。これは15という数字が東洋思想で完全を表現しているため、15に1つ足りない14は不完全さを表しているという説がありますが、やはり、はっきりしたことはよく分かっていないんです。
ですが、この謎こそが「ロック・ガーデン」として世界的に有名になった龍安寺の石庭の魅力とも言えます。みなさんも一度方丈の前に佇み、自由な発想で、自分なりの石庭の解釈を楽しんでみるのもいいかもしれません。
もう1つの庭園にも注目
龍安寺は枯山水の石庭が有名ですが、このほかにも国の名勝に指定されている龍安寺庭園があります。境内の南側には龍安寺の敷地面積の約半分を占める「鏡容池(きょうようち)」と呼ばれる広大な池があり、この周囲を散策できるようになっているんです。
さきほどの石庭とは対照的に、水や生命の息遣いを感じることができるのが、この庭園の特徴。夏は蓮、秋はカエデというように、一年を通して四季折々の花が楽しめるようになっています。2つの異なるお庭をいっぺんに見られるところも、龍安寺の大きな魅力ですよ。 

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龍安寺
place
京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
phone
0754632216
opening-hour
[3-11月]8:00-17:00[12-2月]8:…
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