名前に魅かれて降り立つ駅。日田・夜明駅で感動の夜明けを!


2018.12.16

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その駅名は「よあけ」。
大分県日田市にある久大本線「夜明駅」は、その美しい駅名で密かに知られる人気の駅。時刻表の片隅に偶然それを見付けた人は、いつか行ってみたいと思い、なにも知らずに乗った列車でこの駅名標を目にした人は、思わず降りてみたくなるほどのインパクトがあるのではないでしょうか。
実はこの夜明駅、その駅名に負けないくらい、実際の夜明けも感動的。今回はそんな「よあけの夜明け」をご紹介します。
夜明駅の由来
夜明駅は、大分県日田市の夜明地区にある山あいの小さな駅。福岡の久留米と大分を結ぶJR久大本線と、日田と小倉を結ぶJR日田彦山線の分岐駅となっています(日田彦山線は2017年九州北部豪雨の影響により現在は代行バスで運行中)。
現在は静かな無人駅となってしまいましたが、最盛期には現在よりはるかに多くの乗降客数があり、かつては駅も賑わっていた時代がありました。
この夜明駅、なんといってもそのロマンチックな名前が特徴です。
「夜明」という地名の発祥には諸説ありますが、もともとは焼畑開墾地であったことから夜焼(よやけ)と名付けられたものが、夜明(よあけ)に変わった、と言われています。
昭和49年の北海道の幸福駅ブームをきっかけに、この美しい駅名も全国に知られ、駅名にひかれてやってくる鉄道ファンや入場券を買い求める人が押し寄せた時代もありました。
また、昭和56年公開の映画「男はつらいよ 寅次郎紙風船」では、寅さんがこの夜明駅や駅前旅館を訪れています。
夜明駅前にある「夜明の鐘」。これは136年の歴史を刻み、2011年に閉校となった夜明小学校でチャイムとして使われていた鐘。
夜明地区の人口も過疎化により減り続け、「夜明」の名の付くものが次々となくなっていく中、人々はこの夜明駅を希望の灯として、地域の活性化を今も願っています。
「よあけの夜明け」小さな旅へ
「夜明駅」を訪れるおすすめの時間帯は、スバリ「夜明け」。せっかくですからそのロマンチックな名前の通り「よあけの夜明け」を迎えてみましょう。
とはいっても夜明駅で一晩過ごすわけではありません。夜明駅の近くには水郷と呼ばれる観光地、日田がありますので、日田に宿泊して朝の1番列車で夜明駅を訪問するのです。
夜明駅へは日田駅から2駅10分。夏の日の出が早い時期は当日の列車移動では夜明けには間に合いませんが、10月から4月初旬の時期であれば日田駅発の始発列車に乗って夜明駅に向かっても「よあけの夜明け」には十分に間に合います。
参考までに日田地方の日の出時刻は10月1日で午前6時10分、1月1日で午前7時20分、4月1日で午前6時4分頃となっています。
夜明け前に着いたら、まずは駅の待合室に行ってみましょう。
夜明駅には約20年も前から「夜明 旅ノート」が置かれていて、過去のノートのコピーを綴じた分厚いファイルも並んでいます。そこに書かれているのは全国からここを訪れた旅人たちの喜びの声、そして明るい未来を予感させる駅名に、受験や仕事、恋愛など人生の希望を願う声の数々。それだけでもこの駅が多くの人々に愛されていることがわかります。
また、駅舎内には地域の人々によって作られた夜明のシンボルマークが飾られ、そのスタンプも置かれています。
夜明けのあとは夜明駅周辺散策も
夜明駅は周囲に山が迫っているため、日の出の瞬間を拝むことはできません。駅のホームから望む北の英彦山方面の山々が次第に明るくなってくると、ようやく「よあけの夜明け」がやってきたことがわかります。
夜明けが来たら、駅の外も散策してみましょう。
夜明駅の脇には三隅川(のちに筑後川)が流れていますが、このあたりは夜明ダムによって堰き止められているため、風のない日には水鏡ができるのです。
蒼色の水をたっぷりと湛えた三隈川の川面に映った真っ赤な夜明大橋が次第に明るくなっていく様子は「よあけの夜明け」のハイライト。感動的な瞬間です。
「よあけの夜明け」はホームも素敵です。
夜明駅は久留米に向かう久大本線と小倉に向かう日田彦山線の分岐駅のため、ホームの上に立つと、北西へ向かう線路が15度のカーブを描きながら左右2つの方向に分かれるのを見ることができます。
うっすらと明るくなってゆく2本の線路と信号機。ひとつは三隈川に沿って左へ、もうひとつは英彦山に向かって右へ。駅のホームから、これほど美しく2つの路線が分かれていくのを見ることができる場所はなかなかありません。
天領日田の観光も楽しもう
「よあけの夜明け」小さな旅のベースとなる日田。
日田は、古くは江戸幕府の天領として栄えた地域で、三隈川の豊かな流れを活かした屋形船などでも有名な水郷の町。
日田温泉に泊まるもよし、市内のホテルに泊まるもよし、さまざまな楽しみ方ができる町です。
日田を代表する観光スポットといえば、豆田町の古い町並み。
江戸時代、天領日田の商人街として賑わった豆田町は国の重要伝統的建造物群保存地区にもなっていて、天領日田資料館や廣瀬資料館などの見どころのほか、町並み散策や日田まぶしなどの名物グルメ、林業がさかんな日田ならではの木製品のショッピングなどが楽しめます。
三隈川の河畔に佇む日田温泉では屋形船が楽しめます。200年の伝統を持つ日田の屋形船は、長良川と並び称される規模とも言われ、各旅館が所有する屋形船で夕食を楽しむことができます。また例年5月下旬から10月下旬までは鵜飼が行われ、水郷日田の風物詩となっています。
※冬期は貸切運航のみとなる場合もありますので、詳細は各旅館にお問い合わせください。
夜明駅で、ぜひ「よあけの夜明け」を!
「夜明駅で、いつか夜明けを迎えてみたい!」
夜明駅のファンからはよくそんな言葉を聞きます。
それはまるで遠い異国の夢の出来事のように聞こえますが、お読みいただければわかるように、それってそんなに難しいことではありませんよね?
名前に魅かれてふらっと降り立つのも旅の醍醐味ですが、ぜひここは少し計画的に(笑)、「よあけで夜明け」の感動を味わいに来てみてください! 

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