21世紀に残したい日本の風景 弘法大師ゆかりの地「足摺岬」


2018.12.03

トラベルjp 旅行ガイド

足摺岬は「21世紀に残したい日本の風景」の四国第一位になっている一度は見ておく価値がある岬。弘法大師が、観音様が住むといわれる楽園に最も近い場所として、霊場に選んだ場所としても知られています。弘法大師が建立した四国八十八ヶ所のまるで楽園のような第三十八番札所「金剛福寺」が建ち、大師にまつわる数々の「不思議」も残っている岬。そんな足摺岬を紹介します。
「21世紀に残したい日本の風景」足摺岬
高知県土佐清水市にあり足摺宇和海国立公園に指定されている足摺岬。
四国最南端の岬で、ミシュランが発行する旅行ガイドブック「ミシュラングリーンガイド・ジャポン」で、二つ星評価を獲得た高知県有数の観光スポットです。
岬にある「天狗の鼻」から見える景色は「21世紀に残したい日本の風景」に選ばれ、四国第1位にもなっています。
広大な太平洋と白亜の足摺岬灯台が融合する素晴らしい景色は、一度は見ておく価値ありです。
足摺岬灯台は、駐車場から遊歩道を使って数分で行けます。
大正3年(1914年)の初点灯以来、100年以上沖を行きかう船舶の安全を見守ってきました。灯台自体の高さは18mですが、海面からの高さは68m。光度は46万カンデラで、およそ38kmの沖合まで光を届ける国内最大級の灯台の一つです。
灯台の中には入れませんが、詩情ある風景が楽しめるので遊歩道で灯台まで行くことをおススメします。
弘法大師が開基した四国八十八ヶ所の第38番札所「金剛福寺」
嵯峨天皇の勅願により、弘仁13年(822年)に弘法大師が開基した「蹉跎山 金剛福寺(さだざんこんごうふくじ)」が足摺岬には建っています。
ここは四国八十八か所巡りの38番札所。37番札所「岩本寺」から約90kmと礼所間では最長の距離があり、さらに39番礼所「延光寺」までは約60kmと孤立した場所にあります。
境内は四国有数の広さを誇り、愛染堂や権現堂、大師堂などの諸堂が立ち並び見ごたえのあるお寺です。
池に映りこむ本堂は見るものを癒しの世界に導いてくれます。弘法大師は足摺岬が観音様が住むといわれる「補陀洛(ふだらく)」という楽園に最も近い場所としてここを霊場としました。この美しい境内をゆっくり散策して補陀洛のイメージを感じてみてはいかがでしょうか。
弘法大師は自ら三面千手観世音菩薩を刻み、それを本尊としました。本尊は正月三が日の他に年3回開帳されます。開帳時にここを訪れ幽玄の世界を体感するのもおススメです。
弘法大師と亀の関係を物語る石
足摺岬には弘法大師にまつわる数々の「不思議」が点在しています。総じて「足摺七不思議」といい、足摺岬灯台に向かう遊歩道沿いにあるのでぜひ見つけて下さい。七不思議の中でも特に「亀石」は自然石で出来た「亀」そのもので、弘法大師が亀を呼んだ「亀呼場」の方を向いているのも不思議な偶然です。
「亀呼場」も七不思議のひとつ。ここから弘法大師は大きなウミガメを呼び、ウミガメに乗って沖合150mにある不動岩に渡り、祈祷をされたといわれています。この場所で「お亀さ~ん」と呼ぶと弘法大師が呼んだと勘違いしたウミガメが姿を現すのだとか。
弘法大師と亀の伝説にちなんで金剛福寺の境内に置かれているのが「大師亀」です。この亀の頭を撫でると願いが叶うといわれ、撫でて手を合わせるお遍路さんも見かけます。「大師亀」に健康や長寿を願いしてはいかがでしょうか。
亀以外にもある、弘法大師にまつわる「七不思議」
「亀」にまつわる不思議の他に親孝行を試す不思議な石もあります。それが、弘法大師が金剛福寺を建立した時に発見したと伝わる「ゆるぎ石」です。人力では動かせない大きな石の上に小石が三つ積んであり、親孝行者なら「ゆるぎ石」を揺らせて小石が落ち、親不孝者ならビクともしないと伝わっています。三つの小石はきちんと積まれたままですが、孝行心を試してみてはいかがでしょうか。
弘法大師にまつわる岩が灯台の近くにもあります。大師が「南無阿弥陀佛」の六文字を爪で掘ったと伝わる「爪書きの石」です。文字ははっきりと確認はできませんが孝行者が見ると浮かび上がってくるのかも。
その他、岩の窪みに溜まった水が、満潮時に増え、干潮時には減ると云う「潮の満干の手洗鉢」など沢山の“不思議”が遊歩道に点在しているので足摺岬の美しい景色と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。 

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足摺岬
place
高知県土佐清水市足摺岬
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