未来にたくす“時手紙”を書こう。蒲郡「海辺の文学記念館」


2018.09.12

トラベルjp 旅行ガイド

昔から「海の眺めは蒲郡」と鉄道唱歌に歌われた、美しい海の景観が自慢の愛知県蒲郡。蒲郡屈指の景勝地、竹島のすぐ近くに今回ご紹介する海辺の文学記念館はあります。
川端康成や志賀直哉、菊池寛など大正、昭和の文豪たちがこよなく愛した蒲郡への思いが残る海辺の文学記念館。ここでは5年後、10年後の未来に向けて書く「時手紙」が評判です。海辺の文学記念館の成り立ちも含めて、詳しくご紹介します。
蒲郡のシンボル竹島
風光明媚な蒲郡のなかでも最も有名な景勝地、竹島。周囲680mほどの小さな小島で陸地からは橋でつながっています。長さ387mのこの橋は「縁結びの橋」とも呼ばれ、カップルのデートコースにぴったり。
竹島には開運、安産、縁結びの神様を祀った八百富神社や小さな砂浜があり、散策するのも楽しいところです。
景勝地のなかにたたずむ海辺の文学記念館
竹島に向かう橋のすぐ近くにたたずむ海辺の文学記念館。平屋建てのモダンな建物で、背後には蒲郡の青い海が広がっています。
もともとこの地には料亭旅館「常盤館」があり、蒲郡の海や竹島とともに大正、昭和を代表する多くの文人たちに愛されてきました。川端康成、菊池寛、志賀直哉、井上靖、谷崎潤一郎というそうそうたる文豪たちが「常盤館」に逗留していたのです。
しかし建物の老朽化や時代の移り変わりによって「常盤館」は1982年、惜しまれつつも廃業、取り壊しとなりました。その後、文人たちの「常盤館」への想いを後世に残そうと蒲郡市にあった歴史的建造物「岡本医院」を模倣して建てられたのが海辺の文学記念館なのです。
海辺の文学記念館の内観はモダンそのもの。「常盤館」で使用されていた照明や調度品をそのまま飾っており、往年の「常盤館」の華やかさが伝わります。小説家の菊池寛は自身の小説『火華』のなかで「蒲郡の淋しい駅、あの駅を通り過ぎる旅客の誰が、この淋しい街の海岸にこれほど壮麗な旅館のあることを思い浮かべるだろう」と書いています。
未来にたくす「時手紙」
海辺の文学記念館では、5年後、10年後の未来に向けて書く「時手紙」が大人気。未来の自分に書いても家族に書いてもOK。手紙を書いて、この時手紙ポストに投函すると指定した日に届けてくれます。
まずは記念館内にある券売機で券を購入。配達を希望する日が5年以内なら500円、5年1ヶ月から8年は700円、8年1ヶ月から10年は1,000円です(すべて税込)。時手紙の受付は15時30分までですので、気をつけましょう。
購入した券を記念館の方に渡すと「時手紙申込書」と便箋、封筒を渡されます。「時手紙申込書」には届出希望月とあて先、差出人の名前、住所などを記入します。筆記用具がない場合は、記念館の方で貸出をしてくれます。記念館にはいくつかデスクがあるので、そこでゆっくりと手紙を書きましょう。
メールやSNSで気軽に相手と連絡がとれる現代に、手紙を書くこと自体が貴重な体験です。何年後かの自分自身や家族、大切な人々に思いをはせながら、改めて今を振り返るよい機会になるでしょう。あなたも海辺の文学記念館で未来への手紙を書いてみませんか。 

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海辺の文学記念館
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4.0

39件の口コミ
place
愛知県蒲郡市竹島町15-62
phone
0533670070
opening-hour
9:00-17:00[時手紙]9:00-16:00…
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