鹿児島県の島といえば、屋久島？ それとも奄美大島？ いえいえ、そんな南まで行かなくても、陸路で行ける魅力的な島があります。
鹿児島県最北西部に位置する長島は、鹿児島本土と橋で繋がっていてアクセスも便利。にも関わらず、見事な眺望が随所にあり、美味しいもので溢れています。そんな知られざる鹿児島の島をご紹介します。
「道の駅 黒之瀬戸だんだん市場」で長島の食の豊かさに触れる
鹿児島本土からは、うず潮が見られる瀬戸として知られる黒之瀬戸にかかる黒之瀬戸大橋を渡ると、そこは鹿児島北西端に位置する離島、長島です。
橋を渡ってすぐのところにあるのが「道の駅 黒之瀬戸だんだん市場」。ここでまずは長島の多彩な「食」を実感しましょう！
開放感のある館内では、長島の近海で捕れた豊富な魚介類が売られています。さばいてあるお刺身や魚、お寿司など色々目移りしますが、鮮魚コーナーの奥には生簀があり、タイやブリ、伊勢海老などが泳いでいるのが見られます。これもお願いすればその場でさばいてもらうことができます。
ここ長島では、赤土の土壌を利用した「赤土ばれいしょ」として様々な種類のじゃがいもや、温暖な気候を活かした柑橘類の栽培も盛んです。農産物を始め、加工品も種類が豊富で目移りしてしまいます。島の西側を走る道からは段々畑風景も見ることができます。
残念ながらここに飲食店は入っていませんが、外にベンチがあるので館内で売られているお弁当を買ってそこで食べることもできます。また、観光案内所も併設されていて情報収集もできるので、長島観光の入り口として最適です。
＜基本情報＞
住所：鹿児島県出水郡長島町山門野4093
電話番号：0996-65-2222
アクセス：国道3号線折口から国道389号線を車で約10分。黒之瀬戸大橋渡って右手すぐ
営業時間：9:00～18:00
針尾公園から長島の豊かな海の幸を生み出している絶景を望む
道の駅でお土産や特産品に目移りした後は、島の東側の道を北に向かいましょう。長島の北東部の丘の上にある「針尾公園」には、雲仙や天草地域を一望できる針尾公園展望所があります。
展望台に立つと、右手には長島と伊唐島を繋げている伊唐大橋が、左手には諸浦島、獅子島、さらにその向こうに熊本県の天草諸島を一望できる絶景ポイントです。
伊唐大橋は、しまなみ海道の多々羅大橋についで日本で二番目の長さを誇る美しいPC斜張橋です。
左手前に目を向けると、港町にたくさんの漁船が泊まっています。その近くには養殖用の生簀が数多く浮かんでいます。
お昼はこの海が育んだ美味しい幸をいただくことにしましょう！
＜基本情報＞
住所：鹿児島県出水郡長島町鷹巣
電話番号：0996-86-1111（長島町水産商工課）
アクセス：黒之瀬戸大橋から車で約20分、もしくは肥薩おれんじ鉄道・阿久根駅から鷹巣経由長島行バス50分、長島町役場前下車、徒歩20分
長島が生み出したブランドブリ「鰤王」を堪能
針尾公園から車で10分ほどの場所、長島の北エリアにあるのが薄井漁港です。先ほど針尾公園展望所から見えた港ですね。
港には漁船が所狭しと係留され、活気があるのが伝わってきます。離島の漁港でここまで船がひしめき合っているのはなかなか珍しいですね。
ここ薄井漁港を擁する東町漁協は単一の漁協としては、養殖業生産統計によるとブリの養殖日本一を10数年もの間誇り、ブランドブリ「鰤王」は、長島町のふるさと納税の返礼品としても大人気でした。
「鰤王」は餌や育て方からこだわり、厳密な管理のもと養殖では難しい均一で高品質なブリとして出荷。その「鰤王」が気軽に食べられる場所が、薄井漁港の目の前にある「長島大陸市場食堂」です。
店内は90席弱のテーブルがある広々とした店内で、鰤王をテーマにした演歌が流れ、随所に貼られたポスターも鰤王推しです。
長島の食の豊かさと絶景に触れる旅の締めに、鰤王を味わい尽くせる「鰤王定食」（1200円）が味・ボリューム・コストパフォーマンス的にもオススメです。
鰤王定食は、ピカピカの鰤王のお刺身の他にボリュームたっぷりの鰤王のあら煮までついてきます。鰤王の刺し身を口に運ぶと、脂の乗った味わいとブリらしからぬ身の締りから生まれる歯ごたえが、今まで食べたどのブリとも違う旨さを瞬時に主張してきます。
鰤王のあら煮も圧力釜で丁寧に仕上げられていて、骨までやわらかく余すことなくいただける一品。
＜基本情報＞
住所：鹿児島県出水郡長島町諸浦1285
電話番号：0996-86-0780
アクセス：国道389号線で黒之瀬戸大橋を渡り県道47号線を車で約20分、薄井漁港目の前
営業時間：11：00～14：00（水曜定休日）
