鳥取「倉吉白壁土蔵群」を歩いてレトロな風情を満喫!


2018.08.09

トラベルjp 旅行ガイド

鳥取県中部にある倉吉市は、古くは伯耆国の中心地として、また室町時代には山名氏の城下町として栄えたところです。そして国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている白壁土蔵群の「赤瓦」は、倉吉観光のメインスポットです。江戸時代から明治時代に建てられたレトロな町並みを歩いて、倉吉の歴史と文化を満喫してみませんか?
まず倉吉白壁土蔵群 観光案内所に立ち寄ってみよう
倉吉を訪れたなら最初に、「倉吉白壁土蔵群 観光案内所」に立ち寄ってみましょう。この建物は、倉吉出身の元横綱「琴櫻」もアルバイトしていたという元サイダー工場です。案内所では、白壁土蔵群の観光案内のほか、町歩きに便利な各種パンフレットを取り揃えています。荷物がある方は、コインロッカーに荷物を預けて身軽になって町並みを散策しましょう。
<倉吉白壁土蔵群 観光案内所の基本情報>
電話番号:0858-22-1200
営業時間:8:30~17:00(年中無休)
観光パンフレットを入手したら、まず初めに白壁の土蔵が建ち並ぶ玉川沿いを歩いてみましょう。鯉が泳ぐ玉川は、川に架かる石橋が倉吉特有の町並みを形成しています。玉川はかつて打吹山に城があったときに外堀として掘られたものです。
また玉川沿いの児童公園のすぐ近くにある、ネイルアート、雑貨の「CANDY☆POT」の隣にある民家は、1991年(平成3年)12月21日に公開された男はつらいよシリーズの第44作目『男はつらいよ 寅次郎の告白』で使われたものです。建物の中に入ることはできませんが、入り口に当時のロケの写真が貼ってありますので、ファンの方ならずともぜひ見てください。
玉川沿いの白壁土蔵の町並みを歩いてみよう
玉川の南岸は、本町通りの北側に建ち並ぶ商家の裏側になっています。外壁は腰廻りが杉焼き板の縦目板張りで、上方は漆喰壁で統一され、屋根には耐寒性の強い赤褐色の石州瓦が使われています。そして打吹公園通りと玉川の交わる場所(写真)は、絶好のフォトスポットでもあります。
古い建物や商家を改造してショップや飲食店となっている「赤瓦」は、2018年7月現在、十六号館まであります。その旗艦店ともいえる「赤瓦一号館」は、大正時代に建てられた醤油の仕込み蔵を改装したものです。建物の奥にある、天井の梁と束柱を格子状に組み合わせた五重構造の小屋組は見ごたえ十分です。ショッピングとともに楽しんでみましょう。
<赤瓦一号館の基本情報>
電話番号:0858-23-6666
営業時間:9:00~17:00(年中無休)
おすすめの飲食店では、赤瓦十三号館「白壁倶楽部」があります。建物は、1908年(明治41年)建築の旧国立第三銀行倉吉支店で、国登録有形文化財の鳥取県登録第一号です。落ち着いた雰囲気の店内ではシェフ自慢のフレンチが頂けます。
<白壁倶楽部の基本情報>
電話番号:0858-24-5753
営業時間:10:30~21:00
定休日:水曜日・第3火曜日
個性ある酒造めぐりを楽しもう
赤瓦七号館の「元帥酒造本店」は、江戸時代末期の嘉永年間創業の老舗の造り酒屋。1907年(明治40年)、皇太子(のちの大正天皇)の山陰行啓に随行した東郷平八郎元帥にちなみ、酒銘を「元帥」としました。
ちなみに東郷平八郎は、日露戦争時の、1905年に行われた「日本海海戦」の連合艦隊指令長官として活躍した当時のスーパースターです。無敵と謳われた帝政ロシアのバルチック艦隊を完膚なきまでに撃滅し、一躍、国民的ヒーローとなりました。元帥酒造ではそのほかに、『南総里見八犬伝』のモデルとなった倉吉ゆかりの里見忠義と8人の家臣にちなんだ「八賢士」もあります。
<元帥酒造の基本情報>
電話番号:0858-22-5020
営業時間:8:30~17:30(元旦のみ休み)
ほかに酒造としては、赤瓦六号館「桑田醤油醸造場」もおすすめ。西南戦争のあった1877年(明治10年)創業で、醤油はもちろん、人気スイーツの“醤油アイスクリーム”が美味しい。建物は、大工を京都で修行させて建てられた倉吉で唯一の京風町屋。防火壁の役割がある装飾を施された見事な“うだつ”にも注目。
<桑田醤油醸造場の基本情報>
電話番号:0858-22-2043
営業時間:9:00~18:00(年末年始休み)
倉吉の郷土玩具で有名な「はこた人形」。江戸時代から伝わる張り子の人形で、子供が無事に成長することを願って作られたものです。この製作過程を見学でき、自分で顔を描ける“顔描き体験”ができるのが、お食事処「夢倉」内にある、はこた人形工房。旅の記念に自分だけのはこた人形を作ってみるのもオススメです。
<はこた人形工房の基本情報>
電話番号:090-1185-9732
営業時間:10:00~17:00(水曜日休み)
料金:体験料200円+人形代
倉吉と大坂「2つの淀屋」の歴史を知ろう
倉吉で、1760年(宝暦10年)に建てられた現存する最古の町家建築が「倉吉淀屋」です。淀屋の屋号を持つ旧牧田家の初代・牧田仁右衛門は、もとは大阪の豪商「淀屋」の番頭だったといわれている人物です。
淀屋は江戸時代、天下の台所と言われた大坂の基礎を作った開発町人のひとりで、大坂の冬の陣では茶臼山に陣屋を作って徳川家康に寄贈するなどして徳川方の勝利に貢献。これをきっかけに米の市を開く権利を幕府から与えられ、中之島の開発も請け負い、町の中心を流れる土佐堀川に架けた橋は今も淀屋橋と呼ばれます。
淀屋の暮らしぶりは豪勢で、屋敷の座敷にガラスの水槽を屏風状に並べ、天井にも取り付け金魚を泳がせました。その淀屋5代目広当(こうとう)の時、1705年に事件が起きます。幕府より闕所(けっしょ)という財産没収刑を受けたのです。「分に過ぎた贅沢」というのがその理由です。
しかし、実際は淀屋の諸大名などの100兆円におよぶ貸付金が江戸を中心とした物流体制の確立を目指していた幕府の脅威となったからです。そのことを予期していた4代目重当(じゅうとう)は、番頭の牧田仁右衛門を呼び、故郷の倉吉に帰らせて、万一の場合は淀屋の再興を頼むと託したのでした。
倉吉に帰った仁右衛門は、鍛冶屋と協力して「倉吉稲扱き千刃(くらよしいなこきせんば)」などの特産品を全国に広め、倉吉「淀屋」5代目の四男が、1763年に淀屋清兵衛を名乗り悲願の再興を果たしたのです。倉吉淀屋のミセの間(写真)では帳場が再現されています。座って番頭気分を味わうこともできます。
<倉吉淀屋(旧牧田家住宅)の基本情報>
電話番号:0858-23-0165
開館時間:9:00~17:00(年末年始休館)
「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」などの新名所も
相撲ファンに嬉しいのが、倉吉市出身の第53代横綱「琴櫻記念館」です。貴重な化粧廻しや優勝額、トロフィーなどゆかりの品々を見ることができます。
<琴櫻記念館の基本情報>
電話番号:0858-22-4608
開館時間:9:00~17:00(年末年始休館)
さらに2018年4月7日に、倉吉にオープンした新名所が「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」。現存する日本最古の円形校舎が日本最大級のフィギュアミュージアムに生まれ変わって新たにオープンしたものです。フィギュア以外でも当時の教室を再現したコーナーや建物中央の螺旋階段なども必見です。
このように倉吉白壁土蔵群は、美しい景観が見られるだけでなく、意外な人物との接点や新しい観光地を満喫できる観光エリアです。鳥取を訪れた際にはぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
<円形劇場くらよしフィギュアミュージアムの基本情報>
電話番号:0858-27-1200
開館時間:9:00~17:00(季節によって異なる)
見学料:一般・高校生1000円 小中学生500円
アクセス:倉吉重伝地区「赤瓦」から徒歩約15分 

read-more
倉吉白壁土蔵群
place
鳥取県倉吉市新町周辺
phone
0858221200
opening-hour
終日開放※赤瓦のショップや食…
すべて表示arrow

この記事を含むまとめ記事はこちら