驚きのトリックアート展~水に浮かぶ高知県立美術館~


2018.07.19

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高知市の高知県立美術館は水に浮かんだように見える不思議な美術館。ここで約2年に一度開催されている「トリックアート展」が、2018年も夏休み期間に開催されます。これは騙し絵芸術展のことで、壁や床から立体的に飛び出すように絵が描かれています。恐竜やサメの口の中、空中に浮かぶ箱の上等で記念写真を撮ると、インスタ映えする写真が撮れます。自分が生首になる写真も撮れる等、摩訶不思議空間が広がっています。
川の中の湖に浮かぶ美術館「高知県立美術館」
「南の人と自然」をコンセプトに、1993年創設された高知県立美術館は、水辺に浮かぶ美術館をイメージして建設されています。 年中というわけではありませんが、本館の入口へと続く長い通路周辺や本館と美術館ホールをつなぐ中庭等、美術館施設一帯の地面に薄い水の膜が張られており、まさしくその光景は「水に浮かぶ美術館」。少々の大雨が降っても通路が冠水しないよう、設計されています。
また、美術館が建つ土地自体も西側を浦戸湾へと注ぐ国分川、南側を舟入川、東側を左右衛門池に繋がる水路に挟まれており、川の中州の湖に浮かぶ「美術の森」のようでもあります。
建物の壁面は土佐漆喰の技法が用いられ、本館は西洋的な白、美術館ホールは松煙練り込みの黒に塗り分けられており、取り囲む川や施設周囲の緑とよくマッチしています。
水に浮かぶ浮き桟橋の如き通路を歩き、いざ本館の中へ。
トリックアート展は高知県立美術館では2005年から定期的に開催されており、その人気から隔年夏の恒例行事になっている観があります。人気の大きな要因の一つは、トリックアートの各作品の中に自分が入ることでアートと一体化し、それを記念撮影できること。作品の数だけ、インスタ映えする写真が撮れるのです。
写真の作品ではジョーズの口の中にじょーず(上手)に入ることで、平面のジョーズが立体的に見え、迫力が感じられます。
絵の中の人物とポーカーフェイスでトランプのポーカーを楽しむこともできます。
全国でトリックアート展を開催している株式会社エス・デーは、2000年に『壁画で構成される美術館の構築方法』の特許を取得している、この業界のパイオニア。それ故、クオリティーが極めて高いのです。
生首になりたい方必見!?
特許の斬新的なアート作品だけではなく、昔からあるタイプの騙し絵も展示しています。この「柱は何本?」という作品は、柱の上部を数えると5本、下部を数えると7本になります。シンプルな絵ですが、何とも不思議。
展示作品の中で最も人気の高いものの一つが「マジックテーブル」。昔の見世物小屋やマジックショー等でもよく使われたもので、周囲のものを大きな複数の鏡に映すことによって胴体を消すことができるのです。
子供は記念撮影する際、両手を顔の前に置いてしまいがちですが、手を置かず、死人のような表情をするとより一層、生首のように見えます。
会場の壁面から魚類や動物、恐竜が飛び出してくるように見える作品も毎回展示されています。トリケラトプスの角の部分を押さえることで、平面の絵が瞬時に立体化して見えます。
高知県立美術館「2018年トリックアートの旅」はラフなスタイルで
普段なら子供に見せたくないような絵もトリックアートなら安心。額から飛び出したラフ(裸婦)に、ラフな格好の女児が触ってもお父さんは微笑んでいます。
館内から見える風景も凝っています。「水に浮かぶ美術館」だけに、館の中庭のような箇所から水が川方向へと流れるようになっているのですが、集水桝のようなコンクリート構造物は見る角度によっては、映画『2001年宇宙の旅』のラストシーンに登場する石板のように見えます。
トリックアート展は本館で開催されているのですが、美術館ホールでは映画や演劇、ダンス、コンサート等、様々な催しを行っています。フィルムマラソン等、終日観覧するイベントもあるのですが、昼食等の休憩時は各種花の咲く西側の公園を散歩したいもの。この周辺には野良猫が数十匹おり、じゃれ合う光景を目にすると気分がほっこりします。但し、人馴れはしておらず、猛暑日等は木陰に潜んでいることもあります。
美術館は取っ付き難い、と思っている方もいると思いますが、トリックアート展の他、美術館ホールや屋外でのイベントの中には親しみ易いものも多くあります。また、館内ショップでは面白い物も多数販売しているので、その良さを知れば繰り返し訪れたくなるでしょう。 

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高知県立美術館
rating

4.0

53件の口コミ
place
高知県高知市高須353-2
phone
0888668000
opening-hour
9:00-17:00(最終入館)
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