2種の源泉かけ流しの名湯に浸かる!岐阜の秘湯「濁河温泉 朝日荘」


2018.06.19

トラベルjp 旅行ガイド

岐阜・濁河温泉があるのは、霊峰御嶽山の麓、標高1800mの場所です。通年で自家用車で辿り着ける国内の温泉として、日本一の最高所に湧く温泉で、秘湯中の秘湯といわれています。
ここにあるのが濁河温泉 朝日荘で、「秘湯を守る会」の宿です。加水や加温、ろ過、循環も一切ない、源泉100%の掛け流し! 風情ある「くつろぎ処」や美味しい山の幸など、湯宿の魅力もたっぷりです。
「濁河温泉 朝日荘」をご紹介します。
「秘湯」ならではのアクセスも、ぐるっと観光には最適かも…
濁河(にごりご)温泉が発見されたのは、江戸時代中期ともいわれるほど、古い温泉です。霊峰・御嶽山の飛騨側登山口として、昔から登山者にも親しまれてきた歴史があります。
温泉は岐阜側の下呂、飛騨高山からなら、国道41号、県道441号経由で。長野側の木曽福島からなら、国道361号、開田高原経由が便利です。でも、実はどちらからのアクセスでも、1時間以上かかる場所に位置しています。
少し不便に感じるかもしれませんが、それも「秘湯」といわれる所以かもしれません。
しかし、ちょっと視点を変えて、濁河温泉を起点に、飛騨高山や下呂、乗鞍、上高地、そして松本方面へと、多彩な観光スポットを、ぐるっと周遊するのもオススメです。
夏山シーズンのみ、木曽福島駅からバスも運行されています。また、近年トンネルも開通し、有料で予約制ですが、JR高山駅から濁河温泉へのバスの送迎も行われていますので、予約時に相談されるといいでしょう。
豊富な湯量と、アットホームなおもてなし
濁河温泉・朝日荘は、濁河温泉の中でも奥の方にあり、日本秘湯を守る会の会員宿です。
朝日荘は全12室。家族経営の湯宿は、こぢんまりとして、優しい寛ぎを感じる佇まいです。
宿は平成6年に改装され、共有スペースは平成25年にリニューアルされました。
静かな時を重ねる温泉地の周囲は、山々の木々が美しい、自然あふれる界隈です。
宿の玄関先で、まず目に付くのが「足湯」です。
ドバドバという表現がマッチするほどの湯量が、足湯の木枠の中に流れ込んでいます。
足湯には、屋根のひさしもあるので、多少の雨や日差しも大丈夫です。そばには、足を拭くためのタオルも用意されています。
些細なことですが、こういう気配りも嬉しいですね。
足湯の給湯口には、白い塊!
温泉の成分が固まったものですが、これを見ただけでも、きっと温泉への期待が膨らむことでしょう。
素足に優しい温泉利用の床暖房と、おしゃれな寛ぎの空間
館内は全て畳敷き、スリッパはありません。温泉を利用した床暖房が完備され、寒い季節でも足元もポカポカ、浴衣一枚ですごせる暖かさです。
玄関の脇には、和風の小さな休憩処があります。
掘り炬燵タイプで、新聞や読書、囲碁など、好きな時間をのんびり寛いで過ごすことができるような雰囲気です。
暖炉やカウンターバーのある、パブリックスペースの「くつろぎ処」は、まるでカフェのような設えです。SNSで誰かにシェアしたくなるような、おしゃれな空間で、ぜひ旅の思い出の一枚を、お忘れなく!
ここでは、コーヒーや紅茶がセルフサービスでいただけます。素敵なティーカップは数種類揃っていて、どのカップにしようかと迷うのも、ちょっとした楽しみですよ。
壁の本棚には、山や温泉に関する本やコミックなどもたくさん並んでいるので、明日の旅程を計画したり等、時間を忘れておしゃべりしながら寛ぐのにぴったりでしょう。
朝日荘の客室は全て和室で、湯あみ籠や浴衣なども揃っています。
女性にはチェックイン時に、好きな柄浴衣をチョイスできるサービスもありますよ!
これが貸切?! 広い源泉露天風呂と、湯船から仰ぐ満天の星
朝日荘には、「濁河温泉の源泉」と、宿の敷地内の地下約300mから湧き出す「自家源泉」という、2種類の、源泉100%の掛け流しが楽しめる「温泉」があります。
加温、加水、ろ過、循環、入浴剤、消毒剤など一切使用されていない、正真正銘の源泉かけ流し温泉です。
「濁河の湯」と名付けられた貸切風呂は、内湯と露天風呂があります。
濁河温泉の源泉100%かけ流しで、湯舟に音を立てて流れ込む温泉には、飲用のためのコップも用意されています。
これが貸切?!
岩が配置された露天風呂は、10人ほどが楽に浸かれる広さです。家族でもグループでも、みんなで一緒に温泉三昧できますね。
静かな小庭を眺めてゆっくり浸かれば、日頃の喧騒も忘れ、疲れも吹っ飛ぶことでしょう。
貸切風呂は無料です。空いていればいつでも利用できます。(混雑時は予約制)
・濁河温泉の泉質など
ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、硫酸塩、炭酸水素塩温泉
源泉温度 約52℃ 湧き出し量・毎分828ℓ/分 うち45ℓ引湯
PH 7.05(中性)ですが、「濁河の湯」は市営混合湯のためPH6.6となっています。
こちらの写真は、朝日荘の「自家源泉の温泉」です。貸切でなく、男女別で、それぞれ内湯と露天風呂があります。もちろん、こちらも源泉100%掛け流しです。
自家源泉風呂は、貸切の「濁河の湯」の泉質とは微妙に異なる、サラッとした感があります。体感して、肌触りを比べてみてはいかがでしょう。濁河温泉と自家源泉の飲用で「味比べ」も? ぜひチャレンジしてみてくださいね。
また、高所の温泉地なので、2種類の源泉の露天風呂からは、夜には満天の星も見えますよ!
・自家源泉の泉質など
ナトリウム炭酸水素塩、硫酸塩温泉
源泉約53℃ 湧き出し量・毎分250ℓ/分 PH 6.72(弱酸性)
美味しい山の幸と飛騨牛、本物の温泉を堪能できる贅沢
お食事は、囲炉裏のある食事処でいただきます。掘り炬燵式なので、正座が苦手な方でも、小さなお子様連れでも大丈夫です。
夕食は、美味しい山の幸がふんだんに使用された、炉端風郷土料理です。
囲炉裏の炭火で焼かれた熱々の岩魚、山菜やリンゴの天ぷらなどのほか、地元特産「飛騨牛」の刺身も! しゃぶしゃぶ鍋のプランもありますよ。
朝食には、飛騨らしい、自家製の棒葉味噌付き。ご飯のおかわりも自由です。
四季折々、豊かな飛騨の食材を、頂きましょう。朝な夕なに変化する山里の風情も、一緒にお楽しみくださいね。 

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