徳島県といえば、鳴門の渦潮（うずしお）や日本百名山のひとつである剣山などが有名ですが、ほかにも見どころがあることはご存知ですか？
今回は、別名「西の高野」と呼ばれる「太龍寺」とその周辺にあるスポットをご紹介します。
「西の高野」太龍寺の魅力！
太龍寺は、四国八十八ヶ所霊場のひとつ、第21番札所のお寺。標高618メートルの太龍山山頂付近に位置し、足場が悪い急な坂道があるため「一に焼山、二にお鶴、三に太龍寺」と言われるほど、到達するのが困難とされる場所です。現在はロープウェイを利用して、ふもとから山頂まで約10分でアクセス可能です。
弘法大師、空海が修業した地でもあり、青年期の大師の思想形成に重要な役割を果たしたともいわれています。
本堂や大師堂、鐘楼門、本坊などがあり、四国霊場の中でも壮大なスケールを誇ります。大師堂の装飾をよく見てみると、四神の白虎や青龍といった飾りが施されており、これを探しながらぐるりと一周するのも楽しみのひとつ。
さまざまな高山植物も自生しており、季節ごとに違った味わいを堪能できます。
今でこそ、ロープウェイで簡単にアクセスできますが、かつては「遍路ころがし」と呼ばれる険しい山で、難所のひとつとされていました。
ロープウェイで山頂へ向かう道中には、空海が修業していたといわれる岩上（「舎心嶽」）に空海のブロンズ像が設置されており、かつて生息していた狼の像も見ることができます。ちなみに、このブロンズ像は境内から徒歩15分ほどでアクセス可能。空海の修業した地に赴き、心を新たにしてみてはいかがでしょうか？
また、このロープウェイは西日本で最長といわれており、山越え、川越えをする何とも珍しいもの。お寺の境内だけでなく、こちらも太龍寺の見どころといえるでしょう。
＜基本情報＞
住所：徳島県阿南市加茂町龍山2
電話番号：0884-62-2021
アクセス：JR桑野駅前から国道195号線を西へ。「道の駅 鷲の里」にあるロープウェイ乗り場からロープウェイに乗りアクセス可能。
どこを見ても猫！猫！猫！猫好きにはたまらない「お松権現」
太龍寺から少し北へ足を運ぶと見えてくるのが、「お松権現」。ここは、通称「猫神様」と呼ばれており、地元でも有名なスポットです。
なぜ猫神様と呼ばれているかというと…祀られているのが猫だから！江戸時代、無念の死を遂げたお松という女性のために、妖怪となった飼い猫が仇討ちをしたという伝説から建てられた神社です。
鳥居に向かう道には、猫の足跡が。鳥居のすぐ横にも大きな招き猫が設置されており、思わず写真を撮りたくなってしまいます。
社殿には約1万体の招き猫が収められており、まさに圧巻の一言。受験合格や商売繁盛の神様としても知られ、受験シーズンになると多くの方が足を運びます。
境内でも、狛犬ならぬ「狛猫」がお出迎え。
ほかにも、猫の七福神や猫をかたどった社紋など、猫好きにはたまらないスポットといえます。
実際に、神社の中には飼い猫も数匹。人に慣れているのか、すり寄ってくるさまもかわいらしくて何とも言えません。
「猫にまつわる神社だから」と猫を捨てていく人もいるそうですが、保護猫施設ではないため、それはやめておきましょう。ただし、猫の供養は相談可能です。
＜基本情報＞
住所：徳島県阿南市加茂町不ケ63
電話番号：0884-25-0556
あわせてチェックしておきたい！「道の駅 鷲の里」
太龍寺周辺で、あわせてチェックしておきたいのが「道の駅 鷲の里」。ここでは、徳島の名産品が購入可能で、お遍路さんの衣装はもちろん、四国に伝わる空海の昔話の絵本など、ご当地ならではの買い物が楽しめます。
ロープウェイ乗り場があるのも道の駅内ですので、ぜひ立ち寄ってみてください。
レストラン「菩提樹」では、徳島名産の木頭ゆずを使ったちらし寿司（かきまぜ）も楽しめます。
境内を散策して疲れたら、近くにある「わじき温泉」に足を運ぶのもおすすめ。ロープウェイ乗り場で割引券をもらえるので、旅の疲れをいやして帰ってくださいね。
＜基本情報＞
住所：徳島県那賀郡那賀町和食郷字田野62
電話番号：0884-62-3109
