兵庫「戸倉峠名物滝流しそうめん」渓谷で楽しむ30メートルのそうめん流し


2018.06.05

トラベルjp 旅行ガイド

暑い夏の日は、流しそうめんで涼しく過ごしたい。
兵庫県と鳥取県の県境「戸倉峠」に夏の間だけ営業する、そうめん流しの専門店「戸倉峠名物 滝流しそうめん」がある。
麺は播州名産の揖保乃糸、そうめんつゆには龍野の醤油。これだけでもおいしいのだが、名峰氷ノ山の雪解け水に乗って30メートルも流れてくるダイナミックなそうめん流しなのだ。
シーズン中、一度は行っておきたい播州の夏の名物店を紹介したい。
わざわざ行きたいそうめん流し「戸倉峠名物 滝流しそうめん」
兵庫県と鳥取県の県境、戸倉峠に1軒の店がある。創業は昭和46(1971)年。国道29号沿いだが、車かバイクでもない限りたどり着けない。周囲に観光スポットも何もない。
しかし、暑い夏がやってくると、そうめんを食べるためだけに多くの人が訪れる。夏の最盛期の昼時には、2時間待ちもあるほどなのだ。
「そうめんを2時間待ってまで食べたいなんて」と思う人もいるだろう。ここ「戸倉峠名物 滝流しそうめん」の魅力は、素麺そのものだけではない。
店の裏手に渓谷がある。北に兵庫県最高峰の氷ノ山があり、流れてくる雪解け水は夏でも枯れることがない。川のせせらぎ、鳥のさえずり、川遊びにはしゃぐ子どもたちの声。都会では体験できない自然に囲まれた渓谷は、夏の暑さを忘れさせてくれる。
そして、この渓谷に架かる構造物が「戸倉峠名物 滝流しそうめん」最大の魅力だ。
夏だけ営業、風情ある峠の茶屋
旅情をそそる「戸倉峠名物 滝流しそうめん」ののれんをくぐると、店内にはテーブルが並び、まさに峠の茶屋の趣だ。
メニューには、そうめん以外にもカレーライスやおにぎり、自動販売機もあるので、ひと息つく休憩場所としても利用できる。
窓際には熊やイノシシの剥製があり驚かされる。ちょっとおちゃめなところもまたカワイイ。
なぜ熊の剥製があるのかは、店の周囲を散策すればわかるので、待ち時間の楽しみのため、ここでは触れずにおこう。
名物、長さ約30メートルの滝流しそうめん
滝流しそうめんは、レジで注文の後に案内される。休日の昼時は混雑するため名前を呼ばれるまで待つことになるので、川遊びや散策をして待つか時間をずらすなどすればいい。
料金は1人前700円。量はそうめん1束半くらいだ。1人前では足らないと思えば2人前で注文すればいい。
名前を呼ばれたら、いよいよ滝流しそうめんだ。店内の奥へと進めば、渓谷を見下ろす場所に、ずらりと32席。渓流から見上げたあの構造物の正体が、これだ。
長さおよそ30メートルの樋。原生林を通った氷ノ山の雪解け水が滝のように流れてくる。夏でも枯れることのない名水に乗って流れてくるそうめん。これが「日本でここだけ」といわれる「戸倉峠名物 滝流しそうめん」なのだ。
渓谷の向こう岸から流れてくるそうめん。落ちる前にすくってやろうと、誰もが挑戦したくなるワクワク感が「滝流しそうめん」の何よりのごちそう。すくえなくてもザルで受けるようになっている。
流れてくるそうめんは、播州名産の揖保乃糸。そうめんつゆも龍野の醤油が使われているので、おいしいに決まっているが、それ以上にこの環境と楽しさがクセになる。子どもも喜ぶ滝流しそうめん。終わりの合図は、赤いサクランボだ。
わざわざ、そうめんを食べるためだけに訪れる人がいるのが、わかってもらえただろうか。営業期間は、夏場だけ。2018年は6月2日(土)からだ。予約はできない。
ドライブを楽しみながら行くのがいいだろう。最寄りのスポットを滝流しそうめんからの距離とともに紹介したい。
国道29号を南に車で10分ほど走ったところにある音水湖(おんずいこ)には、カヌーやSUPが楽しめる施設がある。水着などぬれてもいい準備をしていれば、レンタルで大丈夫だ。
日本の滝百選に選ばれた「原不動滝(はらふどうだき)」は、国道29号を途中で山中に分け入ればある。車で40分ほどだ。
国道29号を姫路方面に真っすぐ約40分の距離にあるのは、播磨国一之宮「伊和神社」。鳥居をくぐっただけで、空気がピンと張り詰めているのがわかる神社だ。向かいの「道の駅 播磨いちのみや」が駐車場になる。
播州地方の夏の風物詩「滝流しそうめん」。夏の楽しい思い出になることは間違いない。 

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滝流しそうめん
place
兵庫県宍粟市波賀町戸倉165-13
phone
0790730009
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