貴重な建築も必見!緑美しい大阪・四天王寺「極楽浄土の庭」


2018.06.12

トラベルjp 旅行ガイド

聖徳太子によって建立された、日本仏法最初の官寺である大阪「四天王寺」。その長い歴史を刻む境内は、戦後再建された四天王寺式の伽藍や数々の個性的なお堂が建ち並び見事な景観が楽しめます。さらに日程さえ合えば、昭和初期に造園された「極楽浄土の庭」も必見!
四季折々の風景が美しい庭園には、徳川秀忠によって再建された「湯屋方丈」や、明治の内国勧業博覧会で建てられた「八角堂」など貴重な建築も建っています!
大阪・四天王寺「極楽浄土の庭」
長い歴史を持つ四天王寺の入り口の1つ「西大門」と、その前に建つ国の重要文化財「石鳥居」。南大門とともに、多くの人が四天王寺を訪れる際最初に目にする光景です。この鳥居の扁額は塵取りの形をしたユニークなもので、全ての願いを塵取りのように救い取れるようにとの願いが込めらたもの。
そして「西大門」は、昭和37年に松下幸之助氏の寄贈により再建されたもので通称・極楽門とも呼ばれています。
写真の鳥居や西大門からさらに奥に進むと、ぐるりと回廊に囲まれた四天王寺の中心伽藍(大人300円、2018年6月現在五重塔と金堂改修工事中)があります。
四天王寺境内の北東部に位置する「極楽浄土の庭」の入り口は、写真右側の部分。そのすぐ左手には、国の重要文化財に指定されている「五智光院」が建ちます。
院政時代、歴代の法皇・上皇らは現在の和歌山県への熊野御幸を盛んに行いました。その際四天王寺を経由することが多く、今も四天王寺の南大門内側には熊野権現礼拝石があります。
「五智光院」は院政時代に後白河院によって建立され、現在のお堂は元和9年に徳川幕府2代目将軍・徳川秀忠によって再建されました。このお堂は徳川家代々の位牌を納めることから、御霊舎(みたまや)とも呼ばれています。
五智光院前から客殿の横を歩き、極楽浄土の庭へ。
極楽浄土の庭へ
極楽浄土の庭に一歩入ればすぐに美しい緑が。天王寺のビル街の景色から徒歩圏内とは思えないような静けさに包まれます。
「極楽浄土の庭」には自然の湧き水を利用した2つの小川と2つの池、それに2つの滝があります。写真は釈迦の滝。
極楽浄土の庭は「二河白道(にがびゃくどう)」の説話の世界観をあらわしており、2つの水路、火の河(怒り)と水の河(貪り)の間には極楽(極楽の池)へと続く細い白道が。
この極楽浄土の庭の着工は江戸時代初頭とされ、現在の庭は明治時代初期に火災による焼失から昭和初期に復興されたもの。その際二河白道の説話に基づいた作庭がされました。
風情あるお茶室
白道の脇には写真の「臨池亭」の他3つの茶室が並びます。
こちらは、経営の神様とも呼ばれた松下幸之助によって寄進された「和松庵」。和松庵では極楽の池などを眺めながら、お抹茶(お菓子付き400円)をいただくことができます。極楽の池内には灯籠や阿弥陀三尊石も。
極楽の池と八角亭
極楽の池のほとりには国の登録文化財である「八角亭」も建っています。八角亭は明治36年に開催された第五回内国勧業博覧会の際、小奏楽堂として建てられたもの。博覧会終了後に四天王寺に譲られました。日本情緒溢れる極楽浄土の庭ですが、ルネサンス風の木造建築物は洋風のワンポイントとして存在感を放っています。
極楽の池には風情溢れる石橋も。極楽浄土の庭は春は桜、初夏は新緑や紫陽花、夏はハス、秋は葉も美しく、近年では大阪を訪れる外国人観光客からも人気が高まっています。
湯屋方丈と補陀楽の庭
極楽浄土の庭の拝観では国の重要文化財である「湯屋方丈」を間近に見ることもできます。湯屋とはお風呂、方丈とは住職の居室のこと。四天王寺の「湯屋方丈」は五智光院と同じく元和9年徳川秀忠によって再建されました。天海大僧正が四天王寺執務の時に在住したのがこちらの建物で、当時は食堂東側に建てられていましたが、明治時代に現在地に移築されています。
方丈は通常は外観のみの公開ですが、建物越しに見る庭園の緑も美しく絵になるので見逃せません。
湯屋方丈の南側には「補陀楽の庭」も広がります。南方にある観音様の霊場とされる補陀楽。中世には観音信仰の隆盛とともに、補陀楽を目指し熊野や伊豆等からさらに南方の海へ漕ぎ出す「補陀楽渡海」を行う人が後を絶たなかったといいます。
現在では四天王寺の南方にはあべのハルカスが建ち、境内のあちこちでその姿を見ることができます。各時代の歴史が感じられる点も四天王寺の大きな魅力です。 

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四天王寺宝物館
place
大阪府大阪市天王寺区四天王寺1丁目11-18
phone
0667710066
opening-hour
4月-9月 8:30-16:3010月-3月 8…
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聖霊会
place
大阪府大阪市天王寺区四天王寺1丁目11-18
phone
0667710066
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