奈良・東大寺二月堂で“サンセット”と“大仏蛍”を鑑賞しよう!


2018.05.21

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「お水取り」で有名な奈良・東大寺の二月堂は、丘陵地帯にある「上院」と呼ばれるエリアの中でも最も高台に位置し、大阪府との県境である生駒山に沈む夕陽の名所でもあります。また、二月堂に通じる裏参道周辺では、毎年、6月上旬から下旬にかけて、通称“大仏蛍”こと、ゲンジボタルが乱舞する光景を楽しむことができます。生駒山に沈む夕陽と、奈良の初夏の風物詩“大仏蛍”の鑑賞に、夜の東大寺・二月堂を訪れてみませんか?
“大仏蛍”の鑑賞できる時期は
通称“大仏蛍”を見ることができるのは、石畳と土塀が続く二月堂の裏参道の途中の「大湯屋」付近の川です。ここに生息するホタルはゲンジボタルで、東大寺大仏殿に由来して、大仏蛍という名称で親しまれています。ホタルが見られる時期は、毎年6月上旬から下旬くらいまでで、ピークは6月中旬です。
奈良市内の6月中旬頃の日の入りは19時前後ですので、二月堂からのサンセットを楽しんで、大仏蛍を鑑賞するというのがオススメです。
二月堂は、東大寺の境内でいちばん高台にあるため、奈良市内を一望することができます。ここは、同じ東大寺境内とは思えないほど静寂に包まれていて、夕陽を眺めながら瞑想するのもオススメです。なお、二月堂は24時間参拝可能ですが、夜間は静かに参拝しましょう。
二月堂からの夕陽は、荘厳そのものの輝きです。良弁杉の木立を照らしながら、静かに生駒山に沈んでいく様子は、とっても贅沢な時間を過ごしているように感じられるでしょう。
東大寺・二月堂でサンセットを満喫
二月堂でのサンセットでは、吊燈篭と良弁杉のシルエットも印象的です。また、正面以外の、北、東、南には瓜の形をした大きな燈籠が吊り下げられ、独特の風情を漂わせています。こちらも必見です。
二月堂からの夜景スポットで、もっともオススメなのが北側からの眺め。中央に東大寺大仏殿と奈良市内の夜景を挟んで、左手の回廊、そして右手の登廊のコンビネーションは絶妙です。
現在の二月堂は、1669年徳川家の4代将軍・家綱の時代に、江戸幕府の援助で再建されたもので、国宝に指定されています。斜面を巧みに利用して造られた懸崖造りの構造で、とくに南側から二月堂へと続く石段からの眺めは、二月堂を紹介する写真などでもっともよく使われるアングルです。二月堂の夜景を楽しんだなら、裏参道を降りてホタル鑑賞ポイントに向かいましょう。
いざ“大仏蛍”の鑑賞へ
“大仏蛍”のもっともオススメの鑑賞スポットは、冒頭でもご紹介した二月堂裏参道の「大湯屋」付近を流れる川の周辺です。
ホタルの撮影に際しては三脚を用意し、カメラのオートフォーカス(AF)はきかないので、マニュアルでピントを合わせます。ピントは近くの木など2~3m先に合わせて、ズレないようにテープなどで固定します。シャッターは、シャッターショックを軽減するためレリーズを使用し、無い場合はセルフタイマーを使用しましょう。
ISO感度は、ISO800~ISO1600、レンズのF値(絞り値)はF1.4~F2.8が目安です。シャッタースピードは15秒から30秒の間で、写真の写り具合で加減しましょう。
ホタルが飛び交う時間は、1晩で約3回あると言われていて、最初は19時から21時頃。2回目は22時から24時頃。3回目は深夜の1時から3時頃です。一般的には最初の19時から21時頃が一番多いようです。なお撮影に際しては、ホタル懐中電灯で照らしたり、フラッシュを使ったりすることは厳禁です。ホタルは警戒心が強く、明るい光を嫌うので発光しなくなってしまうからです。
ホタルはオスとメスの両方が光ります。ホタルの発光は、オスのメスに対する求愛行動と言われています。ところで、ホタルの光は熱を持たない冷光(ルミネッセンス)です。現在の人間の科学力を持ってしても、完全冷光を作り出すのは難しいので、自然は偉大といえるでしょう。
なお、写真は加工していない、いわゆる撮って出しです。ホタルの撮影というと難しいイメージがありますが、実際にやってみるととても簡単です。一度、“大仏蛍”の鑑賞に訪れて、ホタルの撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか? 

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春日野の鹿と諸寺の鐘2
place
奈良県奈良市雑司町406-1
phone
0742225511
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