別府の隠れた景勝地「内成棚田」ハイキングで楽しむ季節の風景


2018.04.19

トラベルjp 旅行ガイド

別府と聞くと真っ先に温泉を想像してしまいますが、鶴見岳や由布川渓谷、神楽女湖といった、額に入れて飾りたくなるような美しい自然景観が随所にあります。中でも特にお薦めしたいのが「日本棚田百選」にも選ばれている内成棚田(うちなりたなだ)。観光客向けに散策コースも整備されていますので、春・梅雨・夏・秋・晩秋とお好きな季節を選んで出かけてみてはいかがでしょうか。
別府にこんなところがあったの?誰もがそう思うはず
温泉街とは全く違う表情をみせる内成。棚田の歴史は古く、鎌倉時代の古文書に記述があるそうです。
標高差約130~300mの急傾斜地に形成された1300枚ほどの棚田は、たいへん見事としかいいようがありません。野焼きや代掻きを終え、田に水を張る頃から見頃が始まります。
内成棚田の最上部にある石城寺は、宝亀年間(770~781年)に仁門菩薩によって開創された歴史あるお寺です。お寺の下にある「水分石」と呼ばれる水源から湧き出す水が棚田へと注がれています。
田植えの時期になると途端に水が落ちなくなると言われている不思議な「水無しの滝」。
初めての来訪は「内成散策コース」で効率良く!夏の内成棚田
とても広大な面積の内成地区には、多くの鑑賞スポットや史跡などがありますが半日や一日ではとても全てを見ることは出来ません。事前に別府駅内の観光案内所や亀の井バス・バスセンターなどで散策ガイドマップを入手して、滞在時間にあわせて効率的に歩くことをお薦めします。
眺めの良い場所には、地元の人々のはからいで休憩用のベンチが設置されています。お弁当を食べたり、お茶を飲んだりしながら寛いでくださいね。
中でも一番の鑑賞スポットがこちら。「月見石」と呼ばれる石に腰掛けて内成棚田を一望しましょう。記念写真もここが一番人気です。
初秋の内成棚田は多くの鑑賞客で賑わう!彼岸花も必見
毎年9月に入ると彼岸花が咲きはじめ、緑から黄色へグラデーションする稲穂と同じく棚田を彩ります。写真家やアマチュアカメラマンが最も多く訪れるのもこの時期です。
稲穂が頭を垂れる頃には、黄金色の棚田を見ることができます。
実りきった稲穂は、日が落ちる時間帯から夕陽を受けてますます輝いて見えます。
深まる秋とともにふくらむ風景の楽しみ
「かけ干し」がずらりと並ぶ棚田の風景も壮観ですね。ここでつくられるブランド米の「棚田米」は、JALの機内食に採用されたこともあります。
晩秋になると見頃を迎えるのが、樹齢1300年ともいわれている薬師堂の御神木である大銀杏。11月末から12月初旬にかけて一斉に黄金色に色づきます。これくらい大きな銀杏の樹になると紅葉するのが遅いんです。
「日本棚田百選」のひとつ内成棚田はいかがでしたでしょうか。
内成地区にはトイレやジュースの自動販売機はありますが、食堂やお店はありませんので、事前にお弁当やおやつを購入しておくことをお薦めします。(内成から2kmほど先に行った隣町に食事や宿泊の出来る「かいがけ温泉きのこの里」という施設があります)
別府駅から路線バスを運行している亀の井バスのホームページに散策コースなどの情報が掲載されているので、参考にすると良いでしょう。 

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棚田・里山景観研究所
place
大分県別府市内成(大字)
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