大分「天念寺耶馬」は鬼に出会える修験と祈願の景勝地


2018.04.21

LINEトラベルjp 旅行ガイド

天念寺は718年に仁聞菩薩が開基した六郷満山の寺院です。背後には国指定名勝の岩峰「天念寺耶馬」が聳え、修行で渡る無明橋が美しいアーチを描いています。毎年旧正月の7日には、1300年続く修正鬼会(しゅじょうおにえ)と呼ばれる大法要が行われます。赤鬼と黒鬼が松明を振り回して舞い踊り、火の粉が飛び交う豪快な火祭りです。鬼会を資料や映像で紹介する「歴史資料館鬼会の里」では「鬼の目そば」も味わえます。
風光明媚な奇岩が聳えるのどかな谷里は、かつては厳しい修行の地
天念寺のある長岩屋の谷は、かつて僧侶以外の人が住むことを禁じていた地で、十二の末坊と岩屋がそれぞれにあり、天台宗の修験場として中世にはたいへん繁栄していたと云われています。
駐車場から奇岩を見上げると、頂に架かる「無明橋」に目を奪われます。ここは、修験者が行う荒行「峯入り」の中でも最大の難所で、高さ約80m。
両側が断崖絶壁で手すりもない無明橋は、過去に転落して亡くなられた方もいますので、軽い気持ちで登ってみようなどとは思わない方がよいでしょう。また、途中の経路にも、鎖を使ってほぼ垂直な壁を昇り降りしたり、落石や滑る危険性の高い箇所がありますので、十分な注意が必要です。登山は自己責任においてご判断ください。
豊後高田市の立てる案内板にも「この岩峰は、転落の恐れがある危険な箇所があります。事故が発生した場合でも、一切責任は負えません。関係者以外の登山はご遠慮ください。」と危険性を示しています。
天念寺は無住のお寺ですが、地元の方々によって本堂は開放されており、参拝が可能です。本堂の前に近づくと自動で流れる音声ガイドの解説で、天念寺の歴史や修正鬼会について知ることができます。
<天念寺の基本情報>
住所:大分県豊後高田市長岩屋
拝観料:無料(駐車場も無料)
アクセス:JR日豊本線宇佐駅から車で約25分
本堂から講堂一帯にかけて見応えある石仏や石造物が点在
天念寺は神仏習合を示すように、仏教の講堂と六所権現社という神社が建ち並んでいます。
修正鬼会が行われる茅葺きの講堂は、内部や天井が火の粉で煤けており、壮絶な火祭りの舞台であることを実感します。中央には、そんな来訪者を見守るように薬師如来坐像が鎮座しています。
長岩屋川を渡る橋は、鳥居の正面に架けられており、これを渡ると珍しい「川中不動」と呼ばれている磨崖仏があります。
名前の通り川の中に切り立つ巨岩に、3.7mの不動明王と1.7mの二童子が刻まれています。大雨のたびに氾濫する長岩屋川の水害除けを祈願して彫られたといいます。
半肉彫りで彫られた不動様の表情は睨みをきかせていますが、どこかユーモラスで愛くるしさを感じます。
火の粉舞い散る迫力の祭りは一見の価値あり!
国の重要無形文化財にも指定されている「天念寺修正鬼会」は、国家安全・無病息災・五穀豊穣などを祈念して、毎年旧正月の7日に行われる国東半島六郷満山の大宗教典儀です。祭礼は日中の15時頃から深夜の23時頃まで行われ、クライマックスは20時過ぎてからの「鬼の登場」です。
火の粉が堂内を飛び交いますので、服装には十分ご注意ください。
また、長さ5mの大松明(おおだい)を叩きつける火合わせも見せ場のひとつになっています。
修正鬼会に登場する鬼達は、天台宗寺院の僧侶が演じていますが、地元信仰では、仏様やご先祖様の化身と考えられており、あたたかく迎えられます。縁起の良い「鬼の目」と呼ばれる餅がまかれたり、鬼が松明で参拝者の福を祈願して背中をバシバシ叩いたりと不思議な光景が続きます。
祭りがない日に訪れたい歴史資料館「鬼会の里」
天念寺に隣接する歴史資料館「鬼会の里」では、鬼会で使用される道具や鬼面などの展示物のほかに、修正鬼会の祭りの様子を映像で体感できるシアターがあります。
資料館に安置されている平安時代の名残が特徴的な木造阿弥陀如来立像。もともと旧国宝で、天念寺にあったものですが、昭和16年の大洪水で流されてしまった本堂などを再建するために、昭和36年に埼玉の鳥居観音に売却されてしまいました。
そして平成9年、再び天念寺に帰ってきて欲しいとの地元住民の悲願が叶い、県と市が買い戻し、84年経った平成15年に再び長岩屋の里へ帰ってこられたのです。現在は国指定重要文化財になっています。
豊後高田市は西日本有数の蕎麦の生産地で、挽きたて、打ちたて、茹でたての『三たて』にこだわった「豊後高田手打ちそば認定店」という制度があり、「鬼会の里」も認定店のひとつ。
様々なメニューがありますが、他の認定店では食べられない名物の「鬼の目そば」をお薦めします。鬼の顔をイメージして様々な具材がトッピングされており、両目にあたる部分には焼いた餅がのせられ、食べ応え十分。プラス100円で『三たて』の手打ちそばに変更できます。ツルッとした喉越しと九州らしい少し甘めの優しいおつゆをお楽しみください。
<歴史資料館「鬼会の里」の基本情報>
住所:大分県豊後高田市長岩屋1152
電話番号:0978-27-3049
展示室利用料金:一般・高校生/200円、小中学生100円
休館日:第2・4火曜日(日祝日は営業)
開館時間:4~11月/9:00~17:00、12月~3月/9:30~16:00
アクセス:JR日豊本線宇佐駅から車で約25分 

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天念寺
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4.0

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大分県豊後高田市長岩屋下長岩屋
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0978273049
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鬼会の里
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大分県豊後高田市長岩屋1152番地
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