桜とツツジのコラボ!松山市有数の絶景地「松山総合公園」


2018.04.15

トラベルjp 旅行ガイド

愛媛県松山市街地には展望の優れた小山や丘陵が多いのですが、中でも一番の絶景を誇るのが、山頂にヨーロッパの城郭風展望塔が聳える大峰ヶ台(141m)。ここには「松山総合公園」が整備されていますが、4月後半には八重桜とクルメツツジが咲き誇り、山は紅やピンクに染まります。中には珍しい緑色の桜・御衣黄が咲く箇所も。
また、園内には古墳群や考古館、ドッグラン、大型遊具等もあり、家族で楽しむこともできます。
足元にはツツジ、頭上からは桜
大峰ヶ台全域に整備された松山総合公園は45.3ヘクタール。園内の「さくらの丘」を中心にソメイヨシノ等が約1,000本植栽されていますが、その開花期が終わると八重桜やクルメツツジが咲き始めます。クルメツツジは藩政期から改良し続けられてきた園芸品種で、庭園や公園等で全国的に最も多く植栽されています。花弁の色も紅やピンク、白等多彩。
車で入園する場合、国道196号沿いの正面ゲートから入り、最高所の第2駐車場に向かいます。因みにソメイヨシノの花見の場合は、その奥の第3駐車場に駐車すると便利。
第2駐車場は椿園の入口付近にありますが、椿園には日本種300種、洋種200種の約2,500本の椿が植栽されています。
駐車場の向かいから遊歩道を東から南西へと上がっていきますが、右カーブを過ぎて向きが変わると、道沿いに八重桜やクルメツツジが現れます。八重桜は八重咲きに咲く桜の総称ですが、ボタンの花に似ていることから「牡丹桜」とも呼ばれます。
トイレを過ぎた上が花見広場で、桜とツツジのコラボレーションを楽しめます。広場の東端からは桜名所の一つ、松山城も望めます。
この花見広場はソメイヨシノではなく、八重桜とクルメツツジの花見場所のようですが、八重桜の中には背の高いものもあり、足元からはツツジ、頭上からは桜のピンクが降り注ぎ、気分も華やぎます。
花見広場の上にはジェットスライダー等のちびっこ広場があり、その上の山頂にヨーロッパ城郭風の展望塔が、まるでツツジの海から頭をもたげるように現れます。
高角砲台破壊の見返りは絶景?
この展望塔のある場所には昭和20年春以降、海軍内海航空隊所管の12センチ高角砲が四門、設置されました。この航空隊は既存の航空基地の防衛とその補給を行う部隊で、愛媛、香川、高知、岡山、広島、山口の6県を担当していました。
その高角砲台を跡形もなく破壊して展望塔が建設されたのは残念ですが、’90年代半ばに文化財法が改正されるまで、戦争遺跡が注目されることはありませんでした。その無念をツツジが癒してくれます。
展望塔は外観だけでなく、内部も本格的な造りで、長い螺旋階段を上がって展望所へと向かいます。
二基の塔とそれを繋ぐ通路橋が展望所となっており、市街地から伊予灘までの360度のパノラマが広がっています。
ソメイヨシノよりフゲンゾウ
市街地の中の丘陵や小山は海に浮かぶ島のようでもありますが、伊予灘に浮かぶ興居島の最高峰・伊予小富士の山容を捉えることもできます。
展望塔の南西にあるさくらの丘のソメイヨシノは皆、葉桜になっていますが、八重桜は今を盛りと咲き誇っています。
八重桜の一種、フゲンゾウは室町時代からの園芸品種で、30枚以上もの花弁を擁します。そういう意味ではソメイヨシノより艶やか。
気品ある緑色の桜
さくらの丘南のフェンス扉を開け、ドッグラン西の右急カーブの分岐から南の小径を下っていった所に客谷古墳群があります。6~7世紀の円墳で6基ないし7基あり、直径は2~10m。どれも玄室部は開口していないものの、道の前後左右に現れると古墳ファンなら興奮せずにはいられません。
古墳群から下の道路に下りると、その道路を北上していき、東之池沿いの道に左折しますが、この道沿いに緑色の桜「御衣黄(ぎょいこう)」が咲いています。これも八重桜の一種で、開花当初は花弁が淡い緑色をしており、その後、薄い黄色に変化していくと共に、花弁中心部が赤紫に染まります。
御衣黄は藩政時代、京都の仁和寺で栽培されたのが始まりとされているだけに、どこか気品を感じます。
池の西側にあるのが「松山市考古館」で、松山平野から出土した旧石器時代から平安時代までの遺物約500点を展示しています。中でも弁天山古墳から出土した石棺は見もの。発掘時はこの中に古代人の頭蓋骨等が収まっていたのです。
帰路は公園外周の道路を北から東に進んで駐車場に戻れば、「上り」が少なくて済みます。 

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松山総合公園
place
愛媛県松山市朝日ケ丘1-1633-2
phone
0899239439
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