吉野山（奈良県吉野町）は日本を代表する桜の名所で、山全体が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されています。
一生に一度は訪れたい吉野山の千本桜は、日本はもちろん世界的にも大人気。その分、花見シーズンには混雑しますが、工夫次第で効率的に花見を楽しむ事も可能です。各エリアを訪れる時間帯やアクセス方法を含め、おすすめのモデルコースを桜の絶景とともに紹介。夜桜のライトアップも必見です！
早朝の上千本で吉野山の桜を撮影しよう！
吉野山の桜を代表する絶景といえば、上千本（かみせんぼん）エリアの花矢倉展望台からの眺望。しかし、近鉄吉野山駅からのバスは中千本公園行きで、上千本へは乗り換えが必要。日中は交通規制があり、車で行く事も出来ません。
上千本へは、平日の早朝に車で行くのがおすすめ。しかし、朝9時までに下山しないと規制で車を動かせなくなります。なお週末は朝7時から交通規制なので、この方法は使えません。
花矢倉展望台は肉眼では絶景ですが、吉野山全体の桜を撮影する目的では木の枝が少し邪魔になるのも事実。展望台の下は急坂と急カーブが続き、好きな場所から写真撮影出来ます。冒頭の写真も、この付近から撮影したもの。写真右下の「地図を見る」をクリックすると、撮影場所の詳細な地図が表示されます。
桜観光の中心地、中千本でお花見散策！
吉野山の桜見物は、中千本と下千本だけでも十分に楽しめます。アクセスも便利で、近鉄吉野山駅から中千本公園行きの臨時バスに乗車するだけ。花見の期間はバスが間断なく到着し、ピストン輸送してくれます。
中千本公園は中千本エリアの最上部にあり、そこから下り坂を散策しながら花見と観光を楽しめます。写真は公園からすぐの場所ですが、既に絶景です！
中千本の桜といえば、吉水神社からの眺めが代表的。「一目千本」と呼ばれる絶景で、中千本だけでなく上千本まで一望出来ます。一目千本を見るだけなら無料ですが、南北朝時代の貴重な文物も展示されているので、世界遺産・吉水神社の有料拝観もおすすめです！
吉水神社の前から金峯山寺を望む場所も、桜が絶景。一目千本の反対方向も、こんなに絶景なのですから流石です。金峯山寺の本尊「蔵王権現」は桜の木で彫刻され、神木として信者が苗を植樹したのが吉野山に桜が多い理由。品種は大半が白山桜（シロヤマザクラ）です。
蔵王権現は秘仏なので拝観出来ません。しかし、国宝の仁王門大修理の勧進として10年間限定で、桜の時期からGWまで特別ご開帳が実施されています。
特産品利用のご当地スイーツ！歌藤旅館の葛餅
早朝から観光するとお腹が空きますが、中千本には飲食店が多数あり桜の眺めも抜群。和菓子も名物で、おすすめは歌藤旅館の葛餅。吉野山特産の本葛粉使用で、旅館の名物スイーツを商品化したものです。
旅館と直営のカフェは下千本にありますが、中千本にも出店しており頻繁に見かけます。紙コップ入りなので、忙しい観光の合間にも歩きながら手軽に楽しめます！
ショーケースには原料の本葛粉と、さらにその原料になる葛の根も展示。吉野山の特産品なので、よく拝見しておきましょう。
実は一番絶景？！下千本の桜と春もみじ
さらに歩くと、吉野山ロープウェイ（正式名称：吉野大峯ケーブル。2018年春は運休中）の吉野山駅があります。その先に七曲坂と呼ばれる近鉄吉野山駅へ下る坂道があり、下千本の桜並木になっています。「春もみじ」と呼ばれる紅葉の新芽が美しく、千本桜とコラボ。秋の紅葉も絶景です！
下千本は吉野山で一番標高が低く、桜の見頃が最も早く訪れます。見頃時期は例年4月8日前後ですが、2018年の開花は早めで4月3日前後に満開の予想。中千本の見頃は2日後、上千本はさらに2日後です。
吉野山の開花状況は、満開予想日とともに観光協会のホームページで発表されています。（記事最後の「関連MEMO」内にリンクあり）
下千本の桜は、緑地に敷物を敷くスペースがあるのも魅力です。散策して来ると、この付近で休憩したくなるので本当に好都合。この坂道を下れば近鉄吉野山駅。車の場合も駅付近の有料駐車場を利用すれば、今回紹介したコースで中千本と下千本の桜を一気に巡れます。
下千本の夜桜ライトアップは意外な穴場！
吉野山では一部でライトアップも行われますが、夜桜も下千本がおすすめ。桜の品種の違いや照明の種類の違いにより、様々な色合いに見えて幻想的です！
昼間は大混雑の下千本も、夜桜ライトアップの終了間際には閑散とした穴場状態。付近に宿泊しないと、なかなか見られない光景ですが、可能であれば是非見ておきたいものです。
