高松市一の絶景「峰山公園の桜」とミシュラン三ツ星庭園「栗林公園の桜」


2018.04.06

トラベルjp 旅行ガイド

高松市一の絶景地は全国的にはマイナーな石清尾山で、屋島を上回る市街地から瀬戸内海のパノラマが広がっています。この直下の峰山公園は桜の名所で、約800本の桜が咲き誇ります。また一帯には四国屈指の225基に及ぶ古墳群も擁しています。
この山塊を借景とした栗林公園は、文化財指定庭園としては日本一の規模を誇るミシュラン三ツ星の観光地。ここも桜の名所で峰山公園の桜の満開時は遊歩道が「桜の花道」となります。
美しいピンクの絨毯・栗林公園
石清尾山(いわせおやま)は標高が232.4mあるため、平野部の桜名所よりは開花期が若干遅れます。一方、国の名勝・栗林(りつりん)公園は市街地にあるため、一般的な平野部の桜の名所と開花期は同じ。二つの桜名所を同じ時期に巡る際、片方は見頃時期がややずれるのですが、石清尾山・峰山公園の満開時に訪れた方がいいでしょう。それは栗林公園の桜が約350本と少ないことと、葉桜気味になっても、遊歩道や芝生に落ちた花弁がピンクの絨毯となって違った風情を見せるからです。
まずはその高松藩の大名庭園・栗林公園を訪れましょう。公園の庭園は東京ドーム3.5個分にあたる約16.2ヘクタールで、借景の石清尾山塊・紫雲山を含めると東京ドーム16個分、約75ヘクタールにも及びます。
北門から紫雲山側の遊歩道を進むと、早くも桜並木が出迎えてくれます。
園内には各種花木があり、四季折々の花を楽しむことができますが、椿は桜の時期、花が皆、地面に落ち、一帯を紅く染めます。
桜は一ヶ所に固まっている訳ではなく、公園全域に点在しており、そのピンクと庭園の緑が交互に展開します。
ハートのツツジと大木の盆栽?
公園前身の庭園が造成されたのは戦国期。その後、寛永2年(1625)、寛永19年と、領主・藩主が変わっても庭造りは引き継がれ、延享2年(1745)に完成しました。6つの池と13の築山を擁す巨大庭園です。
背後の山が紫雲山(170m)です。ハイカーならこの稜線を望むと早く登りたくなるはず。紫雲山は尾根で石清尾山と繋がっているのです。峰山公園までは車道化されているため、両山共、容易く登ることができます。
池の島の中には撮影スポットの一つ、「恋ツツジ」があります。ツツジの剪定作業に於いて、偶然ハートの形になったのです。構図を工夫するとインスタ映えする写真が撮れることでしょう。
他にも盆栽の松が大木化した「根上り松」もあります。これは高松藩松平九代藩主・頼恕(よりひろ)公が天保4年(1833)、参勤交代時に徳川家斉(いえなり)将軍から賜った盆栽を持ち帰り、植えたもの。これが盆栽だとは言われなければ分かりません。
栗林公園はここでは紹介しきれないスポットが沢山あります。中でも松平氏が観賞用に造った「桶樋滝」は一般的な「庭園の滝」とは桁違いの規模で、自然の岩盤に懸かっているため、自然の滝のように見えます。
また、歴代藩主が利用した茶屋は今でも利用でき、庭園の池を鑑賞しながら抹茶を楽しむことができます。各池に架かる太鼓橋での記念写真はインスタ映えもします。
<栗林公園の基本情報>
所在地: 香川県高松市栗林町
問合せ先: 087-833-7411
開園時間:ほぼ日の出から日没まで(月により異なる)・無休
入園料:大人 410円
アクセス: JR栗林公園北口駅から徒歩3分
盗掘された石棺がそのまま残る
峰山公園の駐車場は石清尾山と紫雲山との中間の盆地状地形にありますが、駐車場から石清尾山まで桜が続きます。やはり桜は「麓の空」より「山の空」の方が映えます。
ハイキングを心ゆくまで楽しむには、第二駐車場を基点とし、紫雲山と稲荷山(166m)、室山(199.8m)を往復した後、石清尾山から古墳群が点在する釣り針型尾根を回遊するといいでしょう。過半数の古墳の墳丘からは展望が広がっています。
中でも石船塚古墳の墳丘には、藩政時代以前に盗掘され、外に出された刳り貫き式石棺がそのまま放置されています。
紫雲山山頂には稲荷山姫塚古墳(前方後円墳)があり、稲荷山にも別の古墳が築かれていますが、一帯の古墳群は4~7世紀のもので、石を積み上げた積石型。
岩船塚古墳の北西にある鏡塚古墳の形状は、仮面ライダーの変身ベルトのような双方中円墳。この墳丘も松の木の間越しに周囲の山並みの展望が広がっています。ただ、どの古墳も石室部は開口していません。
桜並木の石清尾山遊歩道
鏡塚古墳の北西には三基からなる北大塚古墳群があります。二つの前方後円墳と一つの方墳ですが、周辺にはミツバツツジも咲き、彩りを添えています。
北大塚古墳群からは峰山公園中心部へと下っていきますが、そこから石清尾山山頂直下までは桜並木沿いに24ポイントあるアスレチックコースが整備されており、花見客や行楽客でごった返しています。
アスレチックコースに並行して桜並木の遊歩道があり、視界がピンクに染まります。
誰もが納得する高松市一の展望
桜の根元には黄色い花が植えられており、共に石清尾山山頂目指して続いています。まるで遊歩道が川で、黄色の花群が土手のよう。
山頂展望台からは息を吞む絶景が広がっています。鬼ケ島から豊島、直島、小豆島まで、瀬戸内海の多島美が展開し、高松港へ出入りするフェリーもはっきり見えます。
左に目を転じれば、坂出市との境界付近の五色台も遠望できます。
パノラマを堪能し終えると、南から東へと尾根を進み、駐車場へと引き返していきますが、次から次へと古墳が現れます。中には石室のあった竪穴ごと墳丘が崩落した古墳がある等、古墳ファンでなくてもつい見入ってしまうほど。
駐車場に戻ってからも周辺の桜やミツバツツジを愛で、その余韻を残しつつ、帰路に着きます。
<峰山公園の基本情報>
所在地:香川県高松市峰山町
問合せ先:087-834-7297
開園時間:8:30から17:00(入園無料) ※下記参照
無料駐車場:307台分
アクセス: 高松自動車道高松西ICより国道11号、県道172経由、石清尾山方面へ15分
※峰山公園は駐車場の関係があり、開園時間が一応設定されていますが、ハイカーならことでんバス「市民病院」バス停から1時間弱ほどで直接石清尾山へ登れるコースがあるため、特に開園時間は関係ありません。 

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栗林公園
place
香川県高松市栗林町
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峰山公園
place
香川県高松市峰山町1838-37
phone
0878347297
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