大分県「不動山」は登山でも車でも楽しめるミステリアス&絶景スポット


2018.04.03

トラベルjp 旅行ガイド

大分県国東市国見町にある不動山の中腹には、六郷満山で最初に創建されたと伝わる「千燈寺」の本堂跡や奥の院、山頂付近にはイギリス人アーティストのアントニー・ゴームリー像や山肌にへばりくように建つ「五辻不動」などのみどころが凝縮しています。
また、山頂付近から眺める壮大なパノラマ風景は圧巻で、周防灘や姫島、天候の良い日には瀬戸内の島々を望むことが出来ます。
スタート地点は「不動口」
不動山へ向かう目印は「不動口」バス停と黄色い案内標識。
ココが不動山の登り口になります。道路は山上で繋がっていますので、左右どちらに進んでも又この位置に降りて来られるのですが、効率よくスポットを見るために右へ進んでください。
旧千燈寺へ続く参道に鳥居が待ち受けています。この先にあるのは寺院のはずなのにどうしてでしょうか?
国東半島には、「神仏習合」という独特な宗教文化があります。日本古来の神様と大陸から伝わってきた仏教を結びつけて信仰することで、それは大分県から始まりました。全国に四万余ある八幡社の総本宮「宇佐神宮」が神宮寺である弥勒寺を建立し、朝廷から八幡大菩薩という尊称も授かりました。
その化身と云われる仁聞菩薩が国東半島の六つの郷に次々と神仏習合の寺院を建立し、「六郷満山文化」と呼ばれる山岳仏教文化が形成されました。
旧千燈寺跡から奥の院へ
千燈寺は、六郷満山寺院の中で最初に開基したと云われ、豊後高田市にある高山寺に次ぐ大寺でしたが、それ故風当たりも強く、戦国時代の兵火で消失してしまいました。寺跡には往時を偲ぶレリーフ状の石造仁王像と石垣、石段、手水石等が残っています。
石造仁王像は、全国の約八割が国東半島に密集しており、鎌倉~室町時代の造作と見られるこの仁王像はとりわけ人気も高く、わざわざこれだけを鑑賞に来る方も珍しくありません。特に銀杏の落ち葉が敷地を染める晩秋から初冬には、多くの写真家が訪れます。
車で登ってこられた方は、ほど近い道中に広い駐車場があるので、そこに車を停めて参道を歩いて行くと良いでしょう。
本堂跡地からさらに500メートルほど山道を登っていくと、「奥の院」へたどり着きます。岩屋に嵌め込むように建てられたお堂の中には、びっしりと130体ほどの石仏が並んでいます。
そのほか、仁聞菩薩が入寂されたという「枕の岩屋」やお堂の左側の岩壁に刻まれた来迎図にも似た磨崖仏などを見ることが出来ます。
登山の方はさらに上に登っていくと五辻不動へと続く山道に出ますが、車で来た方はここから駐車場まで引き返してください。
いよいよ絶景の待つ不動山山頂へ
旧千燈寺跡からさらに山道を登っていくとトイレの完備された「千燈岳登山口」のある広場に出ます。車で登れるのは、ここまでです。
これから先は歩いて登らなくてはなりません。
広場から「五辻不動」までは歩いて10分ほど。大きく開いた視界の先には、手つかずの森林、青く澄み渡る周防灘と空。姫島や瀬戸内の島々を一望できるこの場所は、国東半島を代表する景勝地です。
そして、視線の先に映る一体の像。
これはイギリスのアーティストであるアントニー・ゴームリー氏が自身の身体を石膏で型どって、鉄を流し込んで造られた等身大の像です。2014年に開催された国東半島芸術祭で設置されました。
風雨にさらされながら、時間とともに錆びていくゴームリー像は、何を語るわけでもなくじっと朝日の昇る海の彼方を見つめています。
締めくくりは標高365m、天空の不動様へ祈願
仁聞菩薩らが修行をしたと伝えられる「五辻不動(いつつじふどう)」。地元では「ごつじささま」と呼ばれ、親しまれています。
天空の岩壁に張り付くように建てられており、「よくこんな場所に建てたものだ。」と驚かされます。
お堂の扉を開くと大日如来の化身である慈悲深い表情の不動明王様が祀られています。
もっと歩きたい、登りたいという方には
本格的に登山を楽しみたいという方は、五辻不動からさらに千燈岳(標高606m)へ続く登山コースやもっと長い距離を歩く「国東半島峯道ロングトレイル」もあります。
そして、心地よい疲れと汗を流したい時には、「不動口」バス停から3キロほど山手に向かったところにある「国見温泉」へ。2軒の温泉宿では宿泊者以外でも入浴出来ます。 

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千燈寺
place
大分県国東市国見町千燈
phone
0978821012
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