巨石から観音様が現れた!?山梨県のパワスポ・不思議な「裂石」


2018.04.01

トラベルjp 旅行ガイド

山梨県甲州市、大菩薩峠へ続く道の近くに「裂石(さけいし)」と呼ばれる巨石があります。「割れた巨石から観音様が現れた」という伝説が残り、その伝説さえも納得してしまうような不思議さを持つパワースポット。
まだあまり知られていない、けど凄いパワスポの「裂石」をご紹介いたします。
地域で大切にされてきた裂石
山梨県甲州市、大菩薩峠へと続く道の近くに、「裂石」と呼ばれる不思議な巨石があるのをご存知でしょうか。一説には「大菩薩」の名前の由来となったとも言われるこの巨石。
狭い道沿いにあり、少し分かりづらいのですが、「萩原口留番所跡」の説明書きの上に見えるのがその「裂石」です。
観光名所や有名な神社でもない山の斜面にある巨石は、そのままにされていることも多いのですがこの裂石は違います。
地域の方がお正月には参拝をし、どんと焼きもこの場所。清掃も年に数回行われるなど、今でもこの巨石は信仰の対象となっているのです。
巨石から観音様…パワスポ伝説
この裂石には伝説があります。
衆生から信仰されていた僧の行基が、745年この地で五穀豊穣などを祈っていた時のこと。大地が揺れ空一面に光を帯びた霊雲が広がり、巨大な岩が突然割れて中から十一面観音が現れました。さらに巨石の裂け目からは萩の大樹。この光景を目の当たりにした行基は萩の木から十一面観音を彫り、裂石山雲峰寺を開創しこの観音像を納めたのです。
「この光景を目の当たりにした」ということは、行基はこの裂石の前で祈りを捧げていたのでしょう。この裂石は古くからの磐座であったのかも知れません。
裂石の裂け目の前に立つと大地から湧き出るような、不思議なパワーが感じられます。このパワーが巨石を裂いたのでしょうか。
真っ平に見える裂け目ですが、反対側から見るとなだらかな凹凸があるのが分かります。しかしその凹凸は左右合致しそうな形。ほんとに裂けたのでは…と感じさせます。
この裂石の前には2つの小さな祠があります。
祀られているのは向かって右側が先ほどの伝説に登場した行基菩薩、左側は猿田彦命。
この付近にはかつて萩原口留番所があり、交通の要所であったことがうかがえます。そのため日本神話で瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨の際に道案内をしたと伝わる猿田彦命が、道祖神として祀られたのではないでしょうか。
※番所…旅人の荷物の検査や通行税を徴収していたところ。
超巨大な石…でも氷山の一角
裂け目には切り株があります。これは長い年月の間に、裂け目に積もった土から生えたご神木。しかし木が成長するにつれて根が広がり、巨石の裂け目が広がる懸念からお祓いをした上で伐採されました。
ちなみにこの裂石の地上に出ている部分は、超巨大な石の一部と思われ、土の下にはどれだけの大きさがあるのか見当もつきません。関東大震災や東日本大震災の時にも微動だにしませんでした。
裂石を横から見ると、正面から見るよりももっと大きいことに驚きます。十数メートルはあるのでしょうか。しかも山の斜面にあるため、奥へと行くほど巨石は土に埋もれているのです。
裂石の裏側には真っ平な面があり、2つの巨石が重なり合っているように見えます。しかし、これも1つの巨石がまっすぐに裂けたのではないでしょうか。というのも奥に回り込むと、巨石を移ることなく正面から見て左側の裂石の上に行くことができるのです。
裂けたのは巨石の霊力?
裂石の奥へと回り込むと、さきほどの重なり合って見えた部分の上に出ます。やはり1つの巨石が裂けたように見えます。
そして正面から見て左側の裂石の上へ。上の写真の奥に見える岩は裂けた右側。思ったよりも離れて見えます。
これだけ裂けるのはこの巨石に不思議な霊力があり、内から出るパワーで裂けてしまったのではないか、とさえ感じられます。そんな不思議さから伝説が生まれたのかも知れません。
ぜひ裂石を訪れて、この巨石の持つ不思議な力を感じてみてください。 

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