僅か1時間で高山の銀世界!春のお手軽雪山「高知・白髪山」


2018.03.08

LINEトラベルjp 旅行ガイド

厳冬期の高山の雪山は雄大な銀世界が見ものですが、道路が積雪で車が通れず、登山時もラッセルを要す等、大変。しかし中国地方最高峰の大山を上回る標高を誇る高知県香美市の白髪山では、3月になると道路の雪が解け始め、山自体は全山積雪と言えども、登山口までノーマルタイヤの車が入れます。そしてアイゼン等を使うことなく、僅か1時間で登頂できるのです。お気軽登山で白銀とパノラマをお楽しみ下さい。
足跡のない新雪に自分の足跡をつける
白髪山(1769.7m)は剣山系に属す四国百名山の一座で、中腹から上は森林限界を超えており、ミヤマクマザサに覆われた山頂からは360度のパノラマが広がっています。無雪期は40分程度で登頂できることから、登山初心者にも人気の山。高知県最高峰・三嶺(1893.4m)の登山コースの一つにも含まれています。
その三嶺光石登山口を過ぎ、峰越林道を更に車で登って行くと途中に山小屋と木造トイレを擁す「西熊渓谷展望台」があります。ここからは上韮生川(かみにろうがわ)上流の西熊渓谷西方から北方の三嶺にかけての白銀の山々を見渡すことができます。これらの雪山を望んでおけば、白髪山への登頂欲が更に湧きます。
白髪山登山口は駐車場のすぐ上。ダケカンバ林やナナカマド、リョウブ等の自然林が次々と現れますが、桧の植林帯の登山道を挟んだ向かいには大木の白骨樹もあり、点景となっています。
ハイキング程度の時間で登頂できるとは言え、中腹から上は傾斜がきつめで、登山道はジグザグを繰り返しながら上がって行きます。森林限界を超えると登山道の積雪量も増えますが、それでも膝から下の深さ。ワカンやスノーシューがなくても登れる程度です。
稜線に出た地点には道標が建っていますが、本来であればここは三差路。右折すると三嶺や西日本で二番目に高い山、剣山へ行くことができますが、その方向は積雪が深いため、雪山登山装備なしでは縦走できません。
白髪山頂は左折した先に見えています。人気の山でも積雪期、入山者は殆どおらず、人や動物の足跡もついていないため、足跡をつけることが楽しみでもあります。
山上盆地の雲海?
山頂からは遮る物が何もなく、剣山周辺の次郎笈(ぎゅう)から丸笹山、塔の丸、「白髪の分かれ」から南方の「四国一しんどい山」石立山へと伸びる尾根等、遠近の山々のパノラマが広がります。
三嶺も正面に見えます。その名の通り、三つのピークからなる山。「四国一美しい山」と言われるだけあり、雪を被った山容も趣があります。
三嶺から西へ稜線を西熊山、地蔵ノ頭へと目を転じていくと、まるで盆地に溜まった雲海のようになった箇所があります。稜線に盆地など、地形的にはあり得ないのですが、見方によってはその雲海が山上の池のようにも見えます。
雲海の雪崩?
空にある雲とは全く異なる、独立した雲海はその内、盆地のような箇所からスープが溢れ出るように、徐々に溢れ始めます。それを白髪山頂直下の樹氷の木々越しに望見します。
樹氷となった樹林帯の先には、まるで芸術的なオブジェのような白骨林が現れます。
別の箇所の白骨林からその雲海をズームで捉えると、雲海が生き物のように溢れ出す光景が映し出されます。溢れ落ちる雲海的霧はゆっくりと滑り落ちる雪崩のようでもあり、どこまで落ちてくるのか、しばらく観察してみたくなります。
高知県のご当地富士の最高峰
山頂から南を見下ろすとジグザグの登山道が斜面に走る、東屋の建つ丘が見えますが、そこはみやびの丘(1558m)。その丘もパノラマを誇りますが、白髪山を望む展望所でもあります。そこから望む白髪山は富士山形をしているため、「土佐富士」とも言われます。県内に数あるご当地富士の最高峰でもあるのです。
白髪山下山後、時間があれば白髪山登山口のすぐ近くに登山口があるみやびの丘に登ってみましょう。20分程度で登頂することができ、回遊コースもあります。
みやびの丘もブナやリョウブ、ナナカマド等の自然林の他、5月にはトサノミツバツツジを始めとしたツヅシ類も咲き誇ります。
この日、丘の山頂から白髪山を望むと、さきほど三嶺山系の稜線から溢れ出した雲海的霧が移動して、白髪山の中腹から上をすっぽりと覆っていました。雲や霧は遠くから見ると止まっているように見えますが、実際はある程度のスピードで移動しているのです。
写真は剣山方向へ伸びる尾根。
みやびの丘山頂から土佐富士を拝めなくても大丈夫。雲海的霧は移動しているため、回遊して往路に戻ってくる頃には白髪山から離れています。山頂から見るような、きれいな富士山型は拝めませんが、登山道や稜線から離れた箇所には雪がないことに気づかされます。3月に入って気温が上がると一気に雪解けが進むのです。
但し、春は三寒四温を繰り返すため、寒気のタイミングによっては4月上旬まで、登山口から山頂まで雪に覆われていることもあります。逆に気温が低い日が続くと、3月中旬でも積雪でノーマルタイヤの車では上がれないこともあり得るので、お出かけの際は香美市役所物部支所にご確認下さい。 

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