「ドラえもんトラム」でめぐる日本遺産の町・富山県高岡市


2018.01.26

トラベルjp 旅行ガイド

2015年4月、日本遺産に認定された富山県高岡市。慶長4年(1609)加賀藩2代藩主前田利長により開町され、商工業の町として隆盛を極めた、加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲く町です。そんな高岡駅とお隣射水市の越の潟を結ぶ路面電車・万葉線に「ドラえもんトラム」が期間限定で運行中(2018年8月末まで)。ドラえもんの作者である藤子・F・不二雄氏の故郷、魅力あふれる高岡の旅に出かけてみませんか。
期間限定で運行中!路面電車「ドラえもんトラム」
「ドラえもんトラム」は、ドラえもんの作者である藤子・F・不二雄氏が生まれ少年時代を過ごした富山県高岡市と射水市越の潟を結んで走る万葉線の路面電車MLRV1000型にドラえもんをイメージした内装・外装を施したものです。
ベースカラーを青にし、ドラえもんの首輪であるリボンを表す赤いラインと黄色の鈴を加え、窓にはキャラクターの線画が描かれています。また正面にもドラえもんが描かれていますし、運転席にはドラえもんがちょこんと座っていますよ。
そして乗車口を見てください。ピンク色したあの『どこでもドア』を入口にしているなんて、遊び心満載の素晴らしいデザインですね。
ピンク色のドアから楽しい車内へ導かれると、壁や天井の社内一面に青空が広がり、ドラえもんのキャラクター達がタケコプターで空を元気に飛んでいるイラストが描かれています。
吊革も、ドラえもんやドラミちゃんを連想させるデザインになっていたり、座席の下にはドラえもんの大好きなどら焼きが描かれていたりと車内のいたる所に、ドラえもんのひみつ道具が散りばめられていますので探してみてください。
駅のホームにも『どこでもドア』が描かれています。
通常は写真のカラーリングですが、2012年にドラえもんの生誕100年前(ドラえもんは2112年に生まれたネコ型ロボット)を記念して「ドラえもんトラム」が作られました。当初は2015年8月31日までの運行予定だったのですが、大人気のため3年間の延長が決定し、2018年8月31日まで運行されています。
しかしながら1台しかないので、運行本数、運行スケジュールを万葉線ホームページできちんと確認してから行って下さい。前日の18時に決定されますよ。
初めての高岡市、まずは大仏様にご挨拶!
最初に訪れるのが、日本三大仏のひとつに数えられる「高岡大仏」です。高岡駅から徒歩でも10分程度ですがトラムに乗って坂下電停で降りましょう。奈良大仏、鎌倉大仏はよく知られていますが、もうひとつが富山県の高岡市にあったとは驚きですね。
高岡大仏の始まりは承久3年(1221)と伝えられ、かつては木造でしたが過去2回大火に見舞われ、現在の大仏様は昭和7年(1932)に30年の歳月をかけて再建されました。総高15.85m、座高7.43m、御顔2.27m、重量65tの銅製で、原型、鋳造とも高岡工人の手によるもので380余年の伝統を誇る高岡銅器の技術が生きています。
歌人・与謝野晶子は鎌倉大仏について『鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな』と詠みました。しかし昭和8年(1933)にここを訪れた晶子は、その美男ぶりに「鎌倉の大仏より美男」と感嘆したといい、とても端正な顔立ちをされていますよ。
高岡大仏の基本情報
住所:富山県高岡市大手町11-29
電話番号:0766-23-9156
高岡の町づくりの中心「高岡古城公園」
慶長14年(1609)加賀藩2代前田利長が築いた高岡城は、大阪夏の陣のあと廃城となりましたが、美しい水濠や土塁は残され、約21万㎡の広大な城跡公園となっています。高岡大仏から駐春橋まで徒歩4分、万葉線急患医療センター前電停から本丸橋までなら徒歩3分の距離にあります。
写真の大手口には、利長の依頼により高岡城の縄張(設計)をしたキリシタン大名・高山右近像があり、今も園内を見つめています。
公園の総面積の3分の1を水濠が占める野趣あふれる自然公園で、春はさくら名所100選に選ばれてますし、夏は緑茂る森、秋は紅葉、冬は白銀に映える椿、濠で水遊びをする鴨など、四季折々の色彩の移り変わりを見ることができます。
本丸跡に鎮座する「射水神社」は、古来二上山の麓にあり、明治8年に古城公園内に遷座されました。奈良時代の創建といわれ、越中文化発祥にゆかりの深い守護神として古くから崇拝されてきた越中国一宮です。射水神社の祭神は、伊勢神宮に祀られる天照大神の孫神様「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)ですよ。
日本遺産・高岡の重要伝統的建造物群保存地区「金屋町」「山町筋」
JR高岡駅前通りをまっすぐ20分、または万葉線片原町電停から13分ほど歩き千保川を渡ると高岡市の400年続く鋳物の街です。加賀藩2代藩主・前田利長が慶長16年(1611)に鋳物師と呼ばれる7人の職人に工房を開かせたのが起源で、その地は現在金屋町と呼ばれ、「さまのこ」と呼ばれる昔ながらの千本格子の木造家屋と銅片の敷き込まれた石畳が残ります。
平成24年(2012)には東西140m、南北450mに及んで、鋳物師の町としては全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。石畳を挟んで格子のある古い鋳物を扱う店舗や工房が軒を連ね、各所で銅像や茶釜といった鋳物の街らしい品に出会え、職人街の雰囲気を今も楽しめますよ。
千本格子の建屋は間口が狭く、奥行きが深いのが特徴。石畳のメーン通りに面した鉄瓶専門店「鉄瓶屋」や創業万延元年(1806)の大寺幸八郎商店で実感できます。
通りを一本入った所には現在では数えるほどしかいない工房を構える鋳物師のお店「鋳物工房 利三郎」があります。職人が鋳込みを行う現場で鋳物体験ができ、錫のペーパーウェイトや小皿、ぐい飲みが作れますよ。
商都高岡を支えた商人たちの町で明治33年(1900)の大火以後、優れた防火建築としての土蔵造りの家が、かつての北陸道に建てられたのが山町筋です。前田利長より拝領した高岡御車山を持つことから「山町」と呼ばれています。
高岡御車山はユネスコ無形文化遺産に登録された「山・鉾・屋台行事」33件のひとつで、毎年5月1日に早朝より各山町で美しく飾り立てられた7基の御車山が町内を曳き廻されます。
最後は恋人の聖地「海王丸パーク」
万葉線の終点:越の潟の一駅手前、海王丸駅から徒歩10分にあるのが平成25年(2013)1月に恋人の聖地に選定された「海王丸パーク」です。世界で最も美しい湾クラブにも加盟している湾岸にはパークの中心的存在である、海の貴婦人と呼ばれる帆船「海王丸」が停泊しています。
大型練習帆船として昭和5年(1930)2月14日に進水して以来、60年弱の間に106万海里(地球約50周)を航海してきた海王丸は現役の姿そのままに公開されています。年10回行われる総帆展帆は見逃せませんよ。
海王丸と圧巻の共演をしているのが、平成24年9月に開通した富山県射水市の富山新港に架かる日本海側最大級の2階式斜張橋である「新湊大橋」。海抜50mで黒部ダムを除く富山県内の建築物の中で最も高い建物です。上層は車道、下層は自転車歩行者道になっていて、上下移動にはエレベーターを利用しますよ。
斜張橋の凛とした美しい姿と眼下に広がる日本海、そして澄んだ青空のもとに遠く広がる雄大な立山連峰との見事なコントラストを眺めることができます。
海王丸パークに隣接するのが、飲食店や鮮魚店が数多く入る大型施設「新湊きっときと市場」です。朝獲れの魚が並ぶ鮮魚センターでは昆布締め作りやカニの見抜き体験が人気で、ここでしか食べられない白エビソフトは如何ですか。
海王丸パークの基本情報
住所:富山県射水市海王町8番地 

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0766220179
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高岡大仏
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富山県高岡市大手町11-29
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0766239156
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[台座回廊拝観時間]9:00-17:00
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高岡古城公園
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富山県高岡市古城1-9
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0766201563
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24時間
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海王丸パーク
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富山県射水市海王町8
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[通常公開時間]9:30-17:00(季…
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山町筋
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富山県高岡市御馬出町、守山町、木舟町、小馬出町等
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