幽玄の世界!奈良元興寺「地蔵会万灯供養」で幻想空間を満喫


2017.07.31

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奈良市の「ならまち」にあり世界遺産でもある元興寺(がんごうじ)では、毎年8月23日・24日の両日17時から地蔵信仰の伝統を今に受け継ぐ「地蔵会万灯供養」が行われます。日が暮れると、境内にある約1500体の石塔・石仏が並べられた浮図田(ふとでん)は、無数の灯明皿の灯りに照らし出されて幻想的な光景が広がります。秋めいてきた夏の夜に、かつて盛んだった地蔵信仰に思いを馳せて元興寺を訪れてみませんか?
世界文化遺産「元興寺」とは
当初、元興寺の境内は、奈良市の歴史的景観を残す「奈良町(ならまち)」のほぼ全域に及んでいました。その前身は日本初の本格的寺院である飛鳥の法興寺で、奈良時代に平城京遷都とともに現在の地にやってきました。全盛期には南都七大寺のひとつとして隆盛を極めましたが、多くの寺院がそうであったように元興寺もまた兵火で焼かれ、境内の建物としては極楽坊本堂と禅室を残すのみ(ともに国宝)となりました。
写真は正門にあたる「東門」で、東大寺西南院の門を移築したものです。1977年(昭和52年)までは「元興寺極楽坊」と称していました。本尊は「智光曼荼羅(ちこうまんだら)」の中の阿弥陀如来です。
元興寺の手水舎ではいつも季節の花が飾られています。地蔵会が行われる時は桔梗の花が飾られています。ロウソクの炎と撮影するといい感じになります。
元興寺の地蔵会は1948年(昭和23年)に復興した宗教行事です。いまの灯明を点じての供養は、1988年(昭和63年)に浮図田の整備とともにその作法として発意されたものです。浮図田とは、石塔・石仏を田んぼのように並べた昔の供養形態です。万灯供養では、その浮図田の石塔・石仏を囲むようにして灯明皿が置かれ、ボランティアの方によって17時すぎから点火が始まります。
灯明皿を作ってみよう
使われる灯明皿は、一口1000円で願い事を墨守して誰でも献灯することができます。燃料は菜種油を使い、藺草芯の灯芯に点火されます。さらに灯明皿は、使用後に土に還るように低火度で焼成したものです。
灯明皿は持ち帰ることはできませんが、無料で自分で作ることができます。作った灯明皿は来年の万灯供養に使われます。極楽堂の前に体験コーナーがあるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
地蔵会では、無病息災・家内安全と子供たちの無事な成長を祈願して、極楽堂内で地蔵尊供養、浮図田前庭で水塔婆供養、そして灯明皿で万灯供養がつづけて行われます。近辺の寺の僧侶の方も参加されます。
幽玄の世界「万灯供養」
水塔婆供養ののち、元興寺の辻村住職を先頭に、読経を唱えながら僧侶の方が浮図田の中を進みます。この頃には境内はカメラマンや観光客でいっぱいになりますので、早めに撮影場所を確保しましょう。
万灯供養の、いちばんのおおすめの撮影スポットは浮図田の奥庭のところです。ゆらゆらと揺れる灯明皿の灯りに浮かび上がる石塔・石仏群の様子はまるで幽玄の世界です。
人物も入れて撮ってみましょう。やわらかな光に包まれてとても印象的な写真が撮れます。地蔵会の行われる8月23日には、極楽坊本堂前で「境内こどもまつり」と題して、こどもの広場や盆踊りも開催されます。
奉納演奏なども楽しい
もうひとつのおすすめの撮影スポットは浮図田の前庭です。灯明皿の灯りがとても眩く感じられます。ボランティアの方が絶えず菜種油を注いで灯火を守る姿も印象的です。
あとは石仏に寄り添う桔梗の花も見逃せません。元興寺は花の寺としても有名で、9月になると萩の花が美しいことでも知られています。
禅室の南側では8月24日の18時~19時にかけて、尺八・筝曲による「奉納演奏」があります。またつづいて19時~19時30分には僧侶の方たちによる特別法要「音と光のマンダラ」が行われます。万灯供養の夜を存分に楽しみましょう。 

元興寺
rating

4.0

259件の口コミ
place
奈良県奈良市中院町11
phone
0742231377
opening-hour
9:00-17:00(入門は16:30まで)

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