月を招く朱塗りの橋が美しい庭園!丸亀市「中津万象園」


2017.04.08

トラベルjp 旅行ガイド

香川県高松の栗林公園と並び、県下の二大名園と称されるもうひとつの庭園、丸亀の「中津万象園(なかづばんしょうえん)」。丸亀二代目藩主・京極高豊候により、中津の海浜に京極家の故郷である近江の琵琶湖と近江八景を模して築庭された庭園です。庭の美しさもさることながら、日本最古の煎茶室や樹齢600年と言われる大傘松など見どころがいっぱいです。朱色の太鼓橋が池に映える美しい庭園「中津万象園」をご紹介いたします。
月を招く朱塗りの「邀月橋(ようげつばし)」
「中津万象園」は、貞享5年(1688年)に丸亀2代目藩主・京極高豊の命により、丸亀城の城下町に近い中津の浜に面して造られた池泉回遊式の大名庭園です。京極氏の故郷である近江国の琵琶湖をかたどった「八景池」が掘られ、「近江八景」になぞらえて名付けられた島々が池に浮かび、それらの島々を趣きある橋が繋ぎます。
なかでも写真の「邀月橋(ようげつばし)」は、唯一「八景池」の島々を繋がずに池を跨ぐ、長さ30mの大きな橋です。橋の名前に付けられた「邀」の文字は、「招く」という意味を持ち、この橋から見事な月を迎えることが出来ると言われています。この庭園でいちばん目をひく朱塗りの美しい橋です。しばし魅入ってしまうほどの鮮やかさです。さらに朱塗りの橋が、艶姿を池に湛えたその朧な影もまた、思わずひき寄せられてしまうほどの美しい反照です。そうして、この橋の中央に立てば、園内が一望出来るベストポジションを提供してくれます。
近江「八景池」の島々を結ぶ橋たち
庭園は一時、庭の持ち主が転々としたことや南海大地震の影響を受けて、当初の輝きを失いましたが、復元計画のもと、昭和57年に現在の美しい姿に復活しました。
「八景池」には、帆の島、雁の島、雪の島、雨の島、鐘の島、晴嵐の島、月の島、夕映の島と近江八景になぞらえて名付けられた八つの島々が浮かび、それらの島を観月橋、侵雪橋、雁行石橋、回棹廊、水蓮橋、臥雲橋の六つの橋が結びます。
写真は水蓮橋で、太鼓橋ではない、蓮の葉を浮かべたような飛び石の橋が雁の島を繋ぎます。この橋を渡っている姿を遠くから見ると、まるで池の上を歩いているようにさえ見えます。
その他にも、それぞれに趣きの異なる橋が島々を渡り、たとえばそのなかのひとつ、短くも朱色の艶やかな太鼓橋の観月橋は、松の緑とのコントラストをなして、月の島と晴嵐の島を繋ぎます。
日本最古の煎茶室「観潮楼」
湖畔に佇む「観潮楼」は、江戸時代に建てられた茶室で、現存する日本最古の煎茶室です。建物は高床式で、茶室の高さが中二階の位置にあるのは、庭だけではなく、ここから瀬戸内海の潮の満ち引きを望みながら煎茶を楽しんでいたと言われています。
建物すぐの湖岸には「舟付き」と呼ばれる船着き場が設置されていて、江戸時代には舟でこの茶室に赴いた面影が、ここに残されています。大名ならではの、優雅な趣向ですね。そんな思いを馳せるだけで、ちょっと贅沢な気分に陥りませんか?
三百年を要して大きく傘をひろげる「大傘松」
茶室のすぐ横には、日本名松100選にも選定されている「千代の傘松」がひろがります。樹齢六百年と言われていて、近江から移植した松を三百年かけて傘型に仕立てたもので、枝葉の直径は15mあり、刈り込みの際には、30人もの人手が必要とされています。見ごたえのある松です。
この庭園は、もとは中津海浜の松原から、その松を繋ぐように、さらに1,500本余りの松を加えて作られた庭園ですので、庭園全体は松で覆われていますが、それ以外にも桜並木、椿の道、菖蒲、藤棚、紫陽花、常盤露草、そうして山茶花の道など、季節の植物が配されていています。こうした四季折々の花々が庭園に彩りを添えて、訪れた人たちを季節ごとに楽しませてくれるのです。
庭園内には庶民に親しまれた「石投げ地蔵尊」が
この庭園の歴史的にユニークな点は、ここは大名庭園であるにもかかわらず、江戸時代には庶民が園内に出入りしていたと言うことです。身分制度があった江戸時代に庶民が大名の庭園に入るなどとはちょっと信じ難ですが、それはこの庭園の西の端にある「石投げ地蔵尊」に参拝していたからです。無法な振る舞いは慎むように、とのお触れが出ていたものの、参拝は認められていたのです。理解あるお殿様ですね。
現在でも、写真にあるように白い石に願い事を書いて、この地蔵尊に投げ入れるのです。成就する願い事は、長寿など十種の福徳があるとされています。 

read-more
中津万象園・丸亀美術館
rating

4.0

44件の口コミ
place
香川県丸亀市中津町25-1
phone
0877236326
opening-hour
9:30-17:00
すべて表示arrow

この記事を含むまとめ記事はこちら