800年を経て初公開!「御本殿 獅子・狛犬」特別公開『御出現!春日大社の神獣』の見どころ


2016.06.11

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現在、記念すべき第60次式年造替(しきねんぞうたい)が行われ、奈良観光の中でも高い注目を集める春日大社。JR東海の「うましうるわし奈良」でお馴染みの方も多いのでは?
この度のご造替で、約800年もの間、国宝・御本殿を鎮護してきた非公開の獅子・狛犬(4対8体)が新調されることに。それに伴い、春日大社境内の景雲殿で、平成28年6月1日~30日までの期間限定で初の一般公開が行われています!
800年を経て御出現!初の一般公開された『御本殿 獅子・狛犬』
春日大社の国宝・御本殿は、皇族や神職といった限られた方のみ、立ち入りが許された神域。神体山である御蓋山(みかさやま)の中腹に四棟の神殿(御本殿)があり、四柱の神様がお祀りされています。
その御本殿の神前を約800年間お護りしていたのが、今回初の一般公開となった『獅子・狛犬』(4対8体)。
今までのご造替(※1)では、この獅子・狛犬は、基本的に新調することなく安置されてきました。しかし今回、式年造替において新調されることになったため、撤下(※2)し、奈良国立博物館の岩田茂樹先生らによって、初めて調査がなされたのです。その結果、8体のうち6体は、約800年前の鎌倉時代まで遡ることが判明!
現在神社境内・参道横にみられる狛犬の多くは石造ですが、古い様式では屋内用で、神殿近くに安置され、仏師によって彫られた木製小型のものが多く見られました。
この春日大社御本殿の『獅子・狛犬』は、木造彩色金泊で古い様式を残す大変貴重なもの。歴史的・芸術的価値が非常に高いことが明らかになったのです。
(※1)神様が御座所ごと遷(うつ)される「遷宮」と異なり、春日大社では、御本殿の位置を変えずに造り替えるため「造替」という。(20年に一度斎行)
(※2)神仏に奉られたものがお役目を終えて下げられること。
鎌倉初期の作!第一殿・第二殿の獅子・狛犬にご注目を
「御本殿 獅子・狛犬』で第一殿・第二殿の2対4体と第三殿、第四殿の獅子・狛犬の内2体の計6体が鎌倉時代のもの。(残り2体は室町時代のもの)
中でも第一殿の獅子・狛犬(写真右)は、作風やエックス線調査等から平安後期の特徴を残す鎌倉時代初期のもので最も古様な一対と判明しました。
春日大社宝物殿主任学芸員の松村さんによると、平安後期の特徴が残る箇所は、
●和様と呼ばれる非常に穏やかなフォルム(あまり動きが無く、丸々とした胸や胴のかたち等)
●玉眼(※1)ではなく、彫眼で荘厳な顔
一方で、うずを巻いたような動きのあるたてがみ、やや前のめりの姿勢などは、鎌倉時代の特徴とのこと。第二殿の獅子・狛犬は、更に躍動感があり、体つきもシャープな点が鎌倉初期に見られる特徴です。
第二殿の獅子・狛犬は台座にもご注目を。州浜(すはま)に岩座(いわざ)を組み合わせた台座で、特に獅子の台座は当初のものと考えられています。
かなり間近で拝観できるので、現地で存分に確認してみて下さい。
(※1)仏像の目に水晶を入れたもの。鎌倉時代に一般的になる。第三殿・第四殿の獅子・狛犬は玉眼。
春日本・春日権現験記に登場する『御本殿 獅子・狛犬』
獅子・狛犬は、平安時代初期に「阿形の獅子」と角がある「吽形の狛犬」一対で、神社神前等に置かれるようになったもの。のちに、広い意味で一対をあわせて「狛犬」と呼ぶようになりました。
春日大社の国宝・御本殿は、神様がおわす時は、写真撮影一切不可。神様がおわす時に獅子・狛犬が安置されているため、実際にどういう配置なのかは絵でしか分かりません。
是非、あわせて展示されている「春日本・春日権現験記(かすがごんげんけんき)」(江戸期)で、御本殿御扉前に安置されている獅子・狛犬を確認し(写真右上)、実際の様子を想像してみて下さい。
春日本・春日権現験記に登場する『御本殿 獅子・狛犬』
国宝・御本殿の第二殿と第三殿の間のことを、春日大社では「獅子間(ししのま)」と呼び、重要な祭事空間として、御祭神を護る「獅子牡丹図」が描かれています。
「獅子牡丹図」は、春日大社の摂社の中でも取り分け古い信仰を背景にする、榎本神社や水谷神社にも装飾が見られるので、春日大社で古くから神前を守護する装飾として根付いていたと考えられています。
水谷神社には、国宝・御本殿にある漆喰で固められた謎の磐座と同様のものがあり、榎本神社は春日の地主神をお祀りしているので、本当に古い信仰が残る場所なのです。
水谷神社の「牛頭天王曼荼羅衝立(ごずてんのうまんだらついたて)」の獅子牡丹図や榎本神社の「獅子牡丹図」の展示もお見逃しなく。
その他の春日の神獣にもご注目を
今回の特別公開は、名称の通り春日の神様を護る「神獣」をクローズアップした点が特徴。
春日大社には獅子・狛犬の他にも、春日明神がお乗りになる神様の使い「神鹿(しんろく)」や神様の乗り物である「神馬(しんめ)」などの神獣がいます。
鹿に関しては、御本殿・第一殿の御祭神・武甕槌命が茨城県の鹿島神宮より白鹿に乗って御蓋山に遷られたことや、古来より吉祥の証とされてきたので、「春日明神図」など神鹿にまつわる品の展示も。
また、御本殿の四つの社殿をつなぐ御間塀(おあいべい)5面のうち2面には、飾馬を牽く舎人が描かれており、絵馬の原型と言われています。
ご造替の際に、春日画所に任じられた絵師により描き継がれており、今回のご造替においても描替えが行われています。その写本の展示も注目です。
未来の文化財指定候補かも!?歴史的価値ある瞬間
『御本殿 獅子・狛犬』は、つい最近調査がなされたばかり。まだ文化財指定などは受けていません。先ほどの松村さんによると、表面の修理を繰り返しているので、本来の彫刻が分かり難いとのこと。現段階では、解体修理の予定はないとのことです。
今後どのようになるかは分かりませんが、今回の特別展のように古い獅子・狛犬がまとまって新たに公表され、同時に初公開されるのは、近年あまり例がありません。
是非、奈良で、日本の彫刻史に残る、この歴史的価値ある瞬間に立ち会ってみませんか?
※詳細は下記MEMO欄より公式HPでご確認下さい。
※一般拝観者の撮影は禁止されていますのでご注意下さい。写真の転載・二次利用一切は春日大社により禁止されています。
 

春日大社
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奈良県奈良市春日野町160
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[3-10月]6:30-17:30[11-2月]7:…

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