半田・「赤レンガ建物」、本格ドイツビール造りの情熱とものづくりの工場跡を歩こう!


2016.02.11

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アニメ『風立ちぬ』、名古屋駅前のシーンに「カブトビール」の看板が登場しました。カブトビールが製造されたのが、半田市にある「赤レンガ建物」と呼ばれる工場。明治期に建築された建物としては5本の指に入る名建築です。これまではイベントで復刻カブトビールが販売されましたが、2015年夏、耐震工事などリフォームを経て、常設施設として本格オープン。
醸造家たちの情熱や「赤レンガ建物」のみどころをご紹介します。
日本有数の赤レンガ建築、設計者は「横浜赤レンガ倉庫」と同じ
「赤レンガ建物」と聞くと、真っ先に連想するのは、「横浜赤レンガ倉庫」という方も多いのでは。それもそのはず、設計者は同じ明治の名建築家・妻木頼黄(つまきよりなか)。現存する妻木設計や関わった建築に、「横浜赤レンガ倉庫(横浜市)」、「日本橋(東京都)」、「旧・門司税関(北九州市門司区)」などあり、いずれもその街のランドマークになっている名建築です。
名古屋方面からは名鉄住吉駅を降りると国道247号に出ます。東へ200メートルほどで赤レンガ建物のハーフティンバーの1階が見えます。赤レンガに、柱がタテ横すじかいに入りオシャレな外観。ハーフティンバー部分が、レストランと売店です。ここからも入場できますので、覗いてみると、巨大なビア樽があり、赤レンガむき出しのレトロな雰囲気が漂います。ハーフティンバー部の外部、内部とも絶好の撮影ポイント。入り口は北側の高い部分にあるので、ハーフティンバーに沿って左周りに入り口へ向かいます。
半田と知多半島のランドマーク、「マッサン」を思わせる情熱とこだわり!
入り口に向かうと建物北側に芝のイベント広場があり、ちょうどハーフティンバー角部から対角線の位置に入り口があります。ここで、建物の壁に注目ください。『風立ちぬ』のモデル、中島飛行機製作所の衣糧倉庫だった太平洋戦争中、北側2階部分の壁に機銃掃射を受けた銃弾跡を見ることができます。
内部は入場無料です。入り口右横に、レンガ5層に空間がある断熱効果の高い構造が見える工夫があります(写真)。壁の厚みは70~80cmあり、ビール醸造の温度管理に重要な役割を果たしました。この分厚い壁で建物が囲まれています。1898年竣工時の建物は現在の何倍もあり、約240万本ものレンガが使用されました。因みに、レンガの長さ21cmを並べると、504kmです。
ミツカンの前身・中埜酢店の4代目「中埜又左衛門」と敷島製パン創業者・盛田善平らが、「丸三ビール」瓶詰めを初出荷したのが1889年。その9年後の1898年、丸三麦酒醸造の新ビール工場として半田赤レンガ建物が竣工。又、ドイツから技術者を招き、本格ドイツビール製造に取り掛かりました。当時、サッポロビール、キリンビール、エビスビール、アサヒビールの大手が隆盛を極める中、壮大な工場建設も含め、大変なチャレンジでした。上記2名を中心に、出資者約20名が会社設立に連なりました。大手ビール会社に対抗するため、最新鋭設備の工場造りにこだわったのです。朝ドラの「マッサン」にも似た情熱を思わせます。この最新鋭工場から、2年後の1900年のパリ万博に「カブトビール」を出品、金賞受賞しました。これをきっかけにカブトビールは全国に広がっていきます。
歴史的、文化的にも貴重な「赤レンガ建物」は、近代化産業遺産(経産省)に認定され、半田市指定の景観重要建造物第1号。半田市、知多半島のランドマークとなっています。地元の「赤煉瓦倶楽部」が中心となり、復刻ビールを2005年に販売、その芳醇な味わいが幻のビールとの評判を呼ぶとともに、地道な活動継続により、今日の常設施設化につながりました。
建物内を歩いてみよう
リフォーム後の現在、クラブハウスA、B、C、Dと呼ぶ会議室やミーティングルーム、ソファーやしゃれたテーブルのおかれた共用サロンや企画展示室があり、会議などに貸し出しされます。
広大な建物内部には細長い廊下があり、むき出しの天井、レンガ造りの壁、ほのかに照明が灯り、記憶に残る風景です。
赤レンガ・シアターと常設展示(2部屋)の見学は有料(大人¥200円、中学生以下無料)。丸三麦酒醸造時代の貴重な資料や映像などで、当時の醸造家たちの情熱やものづくりに対するこだわりが伝わる展示です。ぜひ、お立ち寄りください。瓶詰めカブトビールは今と違いコルク栓、現在のワインオープナーで開けました。「カブトビール」の由来は日清戦争後の勝利に対し、「勝って兜(カブト)の緒を締めよ」からきているとの説も。
建物内を歩いてみよう
人気の「赤レンガ建物」では、毎月第4日曜が「マルシェの日」。「わんこのマルシェ」の開催もあります。全国、中部一円から犬に関する出店があり、テントショップが北側の芝広場に軒を並べます。通常のマルシェでは、半田市や近隣のレストラン、地元農園、食品店、さまざまな雑貨関係などが店を出します。
半田市内では、昔から、特定の日にちに、「一六の市」、「二七の市」、「三八の市」、「四九の市」、「五十の市」が各所で立ち、鮮魚や野菜、果物などの直売がありますが、マルシェは新しい賑わいです。
「マルシェの日」はとても賑わうので、足を運んでみてはいかがでしょう。
赤レンガとハーフティンバーのパブ風レストランで一杯!
お天気の良い日に「赤レンガ建物」を歩くとのどが渇きます。建物の一番南側にあるのが、セルフサービスのレストラン「CAFEBRICK」。レストランというよりは、英国かドイツパブの雰囲気です。天井の梁も寛ぎの空間を演出します。カウンターで、コーヒーや、カブトビール+ソーセージ、世界中で人気のドイツパン・プレッツェルを注文し、一休みはいかがですか。半田は知多半島酪農の発祥地。知多牛、知多豚などの畜産も盛んで、ソーセージは絶品デス。
ハーフティンバー工法(1枚目、4枚目写真)は温かみがあり、落ち着けます。白い漆喰の壁に立にハーフティンバーが続く英国ストラットフォードやヨーロッパの街並みを思い出される方もおられるかもしれません。
おわりに、
名古屋方面からは、名鉄河和線・住吉町(急行停車)から東へ徒歩5分。車は知多半島道路・知多中央ICから東へ約10分。駐車場は広大。名古屋からは名鉄急行で30分程、車は1時間以内。レストラン横に売店があり、人気スィーツ(「赤レンガバウムクーヘン」、「赤レンガクランチバー」など)があります。
赤レンガ建物は、新美南吉で有名な矢勝川(300万本の彼岸花)と、半田運河地区(ミツカン・ミュージアム)の丁度中間にあり、どちらも徒歩で10~15分程で行くことができます。時間がある方は、足を伸ばし半田の見どころを満喫してみてはいかがでしょう。半田運河地区へは、「紺屋海道(こんやかいどう)」という素敵な散策路で行くことができます。
 

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CAFE BRICK
place
愛知県半田市榎下町8 半田赤レンガ建物内
phone
0569247031
opening-hour
10:00-17:00
no image
半田赤レンガ建物
place
愛知県半田市榎下町8
phone
0569247031
opening-hour
[カフェ&ビアホール「リ・…

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