冬こそ狙い目!本気の湯治場、山梨・増富温泉「金泉閣」で寒湯治


2015.12.24

LINEトラベルjp 旅行ガイド

山梨県の増富温泉は、人里離れた険しい山中に佇む古くからの湯治場です。非常に辺鄙な立地にも関わらず、そのお湯の効能の高さから全国各地より入浴客が訪れます。また、増富温泉のお湯は世界でも屈指のラドン含有量を誇ることから、病気の療養を目的とした湯治客も少なくありません。
今回はそんな増富温泉の宿の中でも、冬にこそ特にお勧めしたい「金泉閣」の自炊プランをご紹介します。
増富温泉で唯一自炊棟を持つ金泉閣
韮崎市内から車で約一時間。その名も「増富ラジウムライン」と名付けられた県道を山中に向かって進むと、小さな民宿や食堂が数軒寄り集まった鄙びた温泉街に出ます。温泉街を奥へと進むと、赤い欄干の橋の脇に、似たような門構えの2軒のホテルが向かい合って建っていますが、今回ご紹介する「金泉閣」は橋から見て右側の建物です。
金泉閣は、増富温泉の宿の中ではかなり大型の宿ですが、病気療養のために頻繁に通って来られる湯治客向けのサービスが手厚いのが特徴です。例えば、旅館にありがちなてんこ盛りの食事を一汁三菜の定食にしてもらえるプランや、連泊客の昼食向けに要望があればおにぎりなどの軽食を作って貰えたりもします。
さらに食事は全て部屋出し。エレベーターがあるとはいえ、食事のために広間まで移動する体への負担を考慮したサービスです。そして、長期滞在のための自炊棟を設けているのも、増富温泉では金泉閣だけです。
常連さんたちの笑い声で溢れる明るい浴室
金泉閣のお風呂は、男女別の内湯が各一のみ。毎朝入れ替えになっていますが、それぞれ少し湯船の形が違ったりするぐらいで、さしたる違いはありません。
増富温泉のお湯の特徴は、放射能の濃度が高いことに加え低温であることが挙げられます。金泉閣の源泉は湧出時の温度が約30度、近隣のホテルも20~30度で、成分が飛んでしまうのを避けるため非加熱で提供されます。
そのため、45度ぐらいの適温に加熱された上がり湯が併設されており、温泉に入った後はそちらでよく温まってから風呂から上がるというのが増富温泉流の入浴法です。
湯温が低いので、入浴客は皆かなりの長湯です。また、長期滞在している人や定期的に通っている人が多いため、入浴客の多くは顔なじみ。そのため、お風呂の中は常連さんたちの井戸端会議で常に賑やかです。病気の療養で知らる温泉地というと、浮ついた観光客にはいたたまれないような暗い雰囲気を想像しますが、全くそんなことはありません。逆に、明るい常連さんの姿からこちらが元気を貰ってしまうほどです。
鮮度が命!金泉閣のお風呂は地味だけどすごい
金泉閣のお風呂はホテルの規模からすると非常に狭くて地味なのですが、増富温泉はそもそもが大きな湯船にジャンジャン注入できるほど湯量の豊富な温泉地ではないので、新鮮な状態で提供できる限界はこれぐらいの大きさの湯船なのでしょう。増富温泉には、露天風呂や寝湯など、たくさんの湯船を有する日帰り温泉「増富の湯」がありますが、そちらと金泉閣のお風呂を入り比べると、お湯の鮮度の違いがよく分かると思います。
泉質は含放射能炭酸食塩泉、もちろんかけ流しです。10人も入るといっぱいになってしまうぐらいの大きさの湯船は、休日ともなれば一日中入浴客で満員になりますが、ガボッガボッと大きな音を立てて勢い良く源泉が湯船に注がれているおかげで、お湯は常にフレッシュ。
源泉は飲むこともできます。温泉の注ぎ口には漏斗が準備されているので、ペットボトルを持参すれば持ち帰ることもできます。味は炭酸の効いた塩水のような感じで、見た目のイメージに比べると飲みやすいかと思います。
鮮度が命!金泉閣のお風呂は地味だけどすごい
自炊棟は、温泉街の中程にある「はくすい」と書かれた建物。二階が客室のフロアで、一階に自炊のための広々とした厨房があります。厨房には食器類や包丁まな板などの細々とした物から、コンロ、レンジ、何と炊飯器まで各部屋に一つずつ用意されています。
米は本館のフロントで購入することが出来るため、客が持ってくる物はおかずの食材のみですが、温泉街には食料品店や食堂も何軒かあるので、数日の湯治であれば特に食材を準備していく必要も無いかもしれません。
また、浴衣やタオルなども無料のレンタルがあるので、普通の旅館に泊まる時とさほど変わらない持ち物で気軽に湯治ができるのが、車のない人にも嬉しい心遣いです。
湯治プランでも一泊からOK!増富温泉は冬場が狙い目
金泉閣の自炊棟は、一泊4200円という魅力的な料金から夏場は空室が出ることは稀です。しかし冬期はやはり温泉がぬるいせいか若干客足が落ちるので、お手軽に湯治を体験したいという方はむしろ冬場は狙い目。
また、他所の旅館では湯治のプランは2泊以上など日数の制約があるのが普通ですが、金泉閣の自炊棟は1泊からOK。自炊棟は価格が安いこと以外にも、布団の上げ下ろしなどで仲居さんの出入りがないのも、現代人には嬉しいポイントと言えるでしょう。
自炊棟とはいっても、客室は一般的な旅館と遜色ありません。ただ、唯一不便なのは建物内にお風呂が無いので、金泉閣本館まで入りに行かなければならないことです。自炊棟から本館へは徒歩3分ほどで、本館のお風呂が開いている午前6時~11時半と午後12時半~22時の間であれば、好きな時に入ることができます。
最後に
増富温泉は遊興地として開発された温泉地ではありません。温泉以外のレジャーは一切無く、湯温が低いのもかなり好みが別れると思われるため、大勢でのグループ旅行や小さな子供連れにはあまりおすすめできない温泉地です。
しかし、一度入れば増富温泉のお湯が古くから病気療養に用いられて来た理由が分かると思います。強力な温泉で湯上がりにだるさを感じる人もおられるようなので、入浴指導員の資格を持つ社長と女将にオススメの入り方を聞いてから、正しい入浴法で温泉を楽しんで下さい。 

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