美しすぎる教会群と絶景ビーチ。五島列島福江島一周ドライブ


2018.01.26

トラベルjp 旅行ガイド

五島列島は、ユネスコへの推薦書が提出され世界遺産への正式登録が間近とされる「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の主要スポットのひとつとして注目の島々。
その五島列島の政治・経済・文化の中心で、一番アクセスしやすいのが福江島。今回は、その福江島を1日でぐるっと一周ドライブしながら立ち寄れる、美しい教会やビーチのハイライトを紹介します。正式登録される前にのんびりと堪能してみてはいかがでしょうか?
五島を代表する威風堂々とした教会、堂崎天主堂
福江島は、五島列島の中では最大、日本国内でも11番目の大きさですが、その面積は326.43平方km(平均すると東西18km/南北18kmの正方形に近い形)と、さほど大きな島ではありません。
主要道の国道384号線を中心として、島の海岸線に沿ってぐるりと一周できる道路がありますが、1日あればゆっくりと寄り道しながら回れる距離ですので、レンタカーやレンタルバイクを借りての一周旅行をお勧めします。
福江島の表玄関・福江港周辺から、まずは北に向かって約10キロ、堂崎天主堂へ向かいましょう。
五島の市街地から郊外へと出て、いくつかの小高い丘陵をトンネル抜けると小さな入り江が続く海岸沿いに出ます。その先の小さな半島の入り江に面した静かな場所に、突如現れるのがこの堂崎天主堂です。
堂崎天主堂は江戸時代からのキリスト教禁教令が廃止されて以降、五島列島で最初に建てられた聖堂。当初はユネスコの「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する教会の一つでしたが、残念ながらその後の構成資産の見直しにより外され、「世界遺産の構成資産と一体的に保存・継承していく資産」とされてしまいました。
とはいえ、五島を代表する威風堂々とした教会であることに変わりはありません。
高台から美しい入江を望む、水の浦教会
堂崎教会から先、島をめぐる主要道である国道384号線に出るまでの間は、複雑な湾内の入り江に面した道を進みます。いくつかの集落を抜けると、ほとんど人家は途絶え、海岸と崖に挟まれた狭い道になり、ときどき車同士のすれ違いが困難な場所もありますので、やや注意が必要です。
国道に出たら、そこから反時計回り島を一周します。少し進むと岐宿の集落があり、それを過ぎるとすぐにあるのがカトリック水の浦教会。
ここは水ノ浦の入江を望む景観(写真上)が有名です。昭和13年に建設されたこの美しい白亜の建物は、現存する木造教会堂としては最大規模のもの。
教会裏の隣接地には、入江を見下ろす美しい墓地が広がるとともに、明治時代の五島キリシタン弾圧の歴史を物語る、牢跡や聖人ヨハネ五島の像が立てられています。
日本一美しいといわれる、高浜ビーチへ
水の浦教会を出て10数キロ、国道384号が島の西端を海岸にそって南下しはじめるとすぐに高浜ビーチが現れます。
この高浜海岸は、天然の海水浴場としては日本一ともいわれる美しさを誇る白砂のビーチ。遠浅で澄みきった海で知られる五島を代表する海水浴場です。
波打ち際から東シナ海に向かって広がる海の色はエメラルドグリーンだったり、セルリアンブルーだったり。見る角度によってもさまざまな海の色を楽しむことができます。
国道384号線は日本の道百選にも選定されている快適なドライブコースでもあります。この高浜海水浴場周辺の景色も、そのハイライトのひとつです。
海と崖の果てに厳かに気高く佇む、井持浦天主堂
高浜海岸を過ぎると国道とはいえ、クルマの通行が極端に少なくなります。そんな開放的な道をさらに南下して、島の南端に近いところから突き出た半島を西へ進むと、半島の先端近くにひっそりと佇む美しい教会が、井持浦天主堂。
この教会の境内には、フランスのルルドを模倣して1899(明治32)年に作られた日本で最初のルルドがあるため、日本全国からの巡礼者が後を絶えません。
ルルドというのは、もともとフランス南西部の都市の名前ですが、そこで聖母マリアと、聖母に導かれた奇蹟の泉が出現したとされていることから「聖母と聖なる泉が湧く場所」というような意味で使われています。
今はこうして道路も整備されていますが、細長く突き出た半島の奥深いところ、まさに海と崖の果てにあることを考えると、昔は小船でしか来られないような場所だったはずです。
五島列島に残されたほかの教会同様、迫害の嵐を逃れて人里離れた奥深くに住み着いた信徒の苦労が思いやられますが、厳しい環境であればあるほど、残された教会は厳かで、気高く、美しく感じられます。
城下町でもある福江のみどころ
井持浦天主堂を出ると、島の南側の海岸沿いを進むことになりますが、島を一周する中では、この先が一番の難所となります。
福江島の南側はリアス式海岸となっていて、海辺の集落と集落の間に険しい断崖絶壁の続く海岸があるため、国道はそれを避けて急なヘアピンカーブを繰り返しながらかなり高いところまで山を登り、尾根の分水嶺を越えたところで再び下ります。直線距離であればおそらく2、3キロのところですが、その倍以上の、しかも激しい山道を越えなければなりません。
二つの峠を越え、旧富江町の中心部に入ると国道384号はここで終わりとなり、なだらかな海岸線と丘陵地帯が続く県道49号で福江まで残り15キロほど。この先にはシンダーコンと呼ばれる珍しい形の火山として知られている鬼岳がありますので、鬼岳の裾野に沿って海岸線をぐるっと回る道で、ちょっと遠回りして福江まで戻ってもいいかもしれません。
最後は福江市内の見どころ、武家屋敷通り。離島なので、あまり知られていないのですが、実は福江は福江藩五島氏の城下町で、市内中心部には福江城(石田城)跡もあり、意外にも和風情緒が感じられる町でもあるのです。
また、福江城(石田城)の城跡内には長崎県立五島高校があり、かつての城門が現在では立派な校門となっています。 

read-more
高浜海岸
place
大分県津久見市四浦高浜
phone
0972829521
すべて表示arrow
no image
堂崎教会
place
長崎県五島市奥浦町堂崎2019
phone
0958530053
opening-hour
9:00-17:00
すべて表示arrow
武家屋敷通り
place
長崎県五島市武家屋敷
opening-hour
24時間
すべて表示arrow

この記事を含むまとめ記事はこちら