東京最強の広島お好み焼き専門店『八昌』の「広島風お好み焼き」の旨さの秘密とは?


2023.04.27

食楽web

食楽web●東京在住の広島民が足繁く通う本場・広島のお好み焼きの名店『八昌』(経堂)を調査。本場の味を堪能してきた 突然ですが、皆さんはお好み焼きと聞いて、具材を混ぜて焼く関西風と、鉄板に薄く生地を敷いて、上に具材ややきそばをのせて焼く広島風のどちらを想像しますか? 筆者は、お好み焼きは絶対に広島派。祖母の実家が広島県にあったことや、筆者自身も転勤で広島に1年ほど住んでいたことがあり、とても縁がある地域です。小さい頃から家も外でも広島風お好み焼きを食べて育ち、大人になった今も、月に1回は食べに行くほど広島のお好み焼きに夢中です。お店は小田急小田原線・経堂駅から徒歩3分ほどの場所にあるビルの2階 現在、東京には、広島からさまざまなお好み焼き店が進出していますが、広島で昔から愛され続けている本場のお好み焼きを味わえる店は、恐らく東京では数える程度。 そして筆者が東京でここは絶対に間違いない! と確信しているのが、世田谷区経堂にある『八昌』です。実はこのお店、広島に本店があり、地元では知らない人がいないほど超有名。その東京唯一の暖簾分け店がここなのです。 その味は折り紙付きで、東京在住の広島県民が本場の味を求めて足繁く通う ことで知られています。今回は、同店にお邪魔して、本場広島のお好み焼きを堪能しつつ、旨さの秘密について取材してきたので、その全貌をご紹介しましょう。創業時から変わらない作り方で作られる伝統の味「お好み焼き そば入り」鉄板に面したカウンター席7席、奥には4人がけのテーブル席が2卓。お酒は広島の地酒「美和桜」、「誠鏡」、「亀齢」を筆頭に、ビールや酎ハイなど充実のラインナップ。昼も夜も楽しめます お店があるのは、経堂駅南口を出て農大通りを3分ほど歩いた場所の2階。お店の窓ガラスには大きく『お好み焼き 八昌』と書かれているため迷うことはないと思います。ビル横の階段を上がり暖簾をくぐると、大きな鉄板が置かれたカウンター席が目に飛び込んできます。「お好み焼き そば入り」1100円。ほかに「肉玉」(1000円)、「うどん入り」(1100円)のほか、「イカ天」(200円)、「ねぎ」(350円)、「もち」(300円)などのトッピング各種。季節ごとに変わる鉄板焼きメニューや創作料理も多数 今回は、一番人気の「お好み焼き そば入り」をオーダー。焼き上がりを待つ間に、店主の坂本さんに、『八昌』がなぜ東京に1店舗しかないのか聞いてみました。「創業は今年で22年。なぜこの店が東京唯一なのかというと、実は『八昌』では、暖簾分け店は首都圏に一つという暗黙のルールがあるんです。私が最初に東京でこのお店を始めたので、他の人はルール上、東京に出店しないんです」と教えてくれました。本店でも使われている広島の製麺所の中華麺を使用 レシピは、創業当時から変わらない本場仕込み。こだわりは焼き方にあり、生地は薄めにしてキャベツなどの野菜はなるべく押さえつけずにやさしく焼くのが美味しさのポイントだそうです。「ペタペタ押さえたりせず、ゆっくり時間をかけて焼くことで、全体に熱を与えて、素材そのものの味を楽しめるようにしています。最後だけしっかり押さえて、表面を香ばしく焼き上げるのがコツですね」(店主・坂本さん)。 天かすとそばは広島から直送したものを使用。麺は本店でも使われている磯野製麺の中華麺。この麺は断面が四角いのが特徴で、どんな料理にもマッチするとのこと。また、味の決め手となるソースは、甘口のおたふくソース1種。これを生地に薄くかけることで、素材ごとの味をきちんと感じられる味に仕上がります。ソースは薄めに塗ることで、素材の味わいも含めバランスの良い味を楽しめる 鉄板の上でじゅうじゅうと焼かれるお好み焼きの香ばしい匂いに包まれ、食べる前からもう胃袋が完全につかまれた状態になってしまった筆者。まずはお好み焼きをヘラで半分に切りわけてみます。ヘラを入れた瞬間の「パリッ」という音がまた食欲をソソること。断面を見ると何層にも重なった綺麗なミルフィーユ状になっていて、これまた美しい…。生地、キャベツ、やきそばなど、ミルフィーユ状になったお好み焼き まずはそのままひと口。ほのかなソースの風味と、パリッと焼き上げられたそばとキャベツの優しくも歯応えのある食感が最高! 食べ進めるうちに、野菜の甘みが増して、箸が止まりません。 薄皮もカリッと焼かれており、食べ応え抜群です。途中から追いソースをすることで、ソースの甘みと酸味が追加されて、さらに美味しくなります。久しぶりに本場の広島お好み焼きを堪能し、大満足しました。お好み焼きのこだわりは、マスターしか作らないこと!店主の坂本さん 坂本さんによれば、美味しさの秘訣は、なんと言っても本店の味を継承した坂本さんだけがお好み焼きを焼いていることだそうです。「広島の『八昌 本店』は昼のみの営業で、お好み焼きしかメニューがないほどお好み焼きに注力しています。なので、暖簾分けをしてもらっている以上は、お好み焼きはブレずに修業先の味を守って行きたいと思っています。おこがましいですが、継承するという気持ちで焼いています」(店主・坂本さん)。 その言葉通り、提供されるお好み焼きは、どこか懐かしさもありながら、他のお好み焼き店では真似できない確かなこだわりを感じさせる唯一無二の味わいでした。「夜も予約をとっていないのと、日によっては満席の場合もあるので、来店の数分前でも良いので電話をもらえれば店内状況をお伝えできます。こちらとしてもあまりお待たせするのは申し訳ないので、一度ご連絡をしてもらえると嬉しいです」とのこと。(取材・文◎Marcia)●SHOP INFO店名:八昌住:東京都世田谷区経堂1-21-18 HARADAビル2FTEL:03-3428-8437営:火~土/17:00~23:00(L.O.22:30)、日・祝/17:00~22:00(L.O.21:30)休:月曜日、第1・3・5火曜日 

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