一生に一度は飲んでみたい酒! 浅草『神谷バー』の名物「デンキブラン」を洋食と共に味わってきた


2023.01.04

食楽web

神谷ビルは1921(大正10)年竣工。奥にある新館は昭和55年竣工 | 食楽web いつか行こうと思いつつ、あまりに有名だったり身近すぎたりして結局行きそびれてしまう…。そういう場所、ありませんか? 筆者にとっては、浅草のランドマーク的存在であり、伝説的カクテル「デンキブラン」で有名な『神谷バー』がまさにそうでした。 創業はなんと1880(明治13)年。看板メニューのデンキブランは1882年(明治15)年に製造がスタート(当時は「速成ブランデー」という名称)。『レストランカミヤ』では、デンキブランはもちろん、ハンバーグステーキ(900円)やビーフシチュー(1450円)などの洋食メニューのほか、1階・神谷バーの定番メニューも楽しめます 名称の由来は、明治時代は電気が珍しかったため、舶来の目新しいものとして「デンキブラン」と名付けられたそう。太宰治「人間失格」、芥川龍之介「十円札」、林芙美子「新版 放浪記」などの作品にも登場するカクテルです。1Fが『神谷バー』、2Fが『レストランカミヤ』。今回は2Fへ! というわけで今回は、神谷バーの2階にある洋食レストラン『レストランカミヤ』を初訪問し、デンキブランや、ここでしか味わえない料理を堪能してきたので、その全貌をレポートしたいと思います。それではいざ実食です!美しすぎる飲み物、これは日本で初めての映えドリンクかも?「デンキブラン」300円 やってまいりました、デンキブラン(300円)。ブランデーをベースに、ジン、ワイン、キュラソー、薬草などがブレンドされた秘伝のメニューです。 キリッと冷やされたグラスになみなみと注がれています。めちゃくちゃ美しい琥珀色! しばしうっとり見とれてしまいました。ちなみに現在の「デンキブラン」はアルコール30度、元祖デンキブランを味わいたい方は40度(!)の「電氣ブラン<オールド>」(400円)をどうぞ。この琥珀色の海に迷うことなく飛び込むのだ! グラスの縁ギリギリまで注がれているので、最初の一口目はグラスを持つよりも、思いっきり琥珀の海にドボンするイメージで顔を近づけていきます。ほんのりと甘い口当たりに絡み合う薬草の風味。おお、甘やかで美味しい! さすが30度あるので、飲み込むと喉がカーッとアツくなります。でも、それがたまらない! 複雑な味わいなので合わせる料理によってさまざまなマリアージュが楽しめそうです。お酒の弱い人やビギナーは無理せずお冷をチェイサーにしましょう ネットの情報によると、常連さんはビールをチェイサーにするとか。ウソでしょ!? と思ったら、「ビールをチェイサーにされるお客様は多いですよ」と、5代目の神谷直彌さん。そのため、おつまみもビールに合う揚げ物などが人気なのだそうです。かにコロッケの濃厚っぷりにデンキブランが進む進む……洋食メニューが豊富に揃っています! 今回は、デンキブランに合う料理として、「かにコロッケ」(900円)と、もう一つの定番料理「ジャーマンポテト」(650円)をオススメされたので注文することに。「ジャーマンポテトもかにコロッケも、おそらく60年以上前からあるメニュー。さらに昔、創業当時は洋食はなかったので、豆腐や煮豆、こんにゃくの田楽といった簡単なおつまみでデンキブランを楽しんでいたようです」(5代目・神谷さん・以下同) かにコロッケ、まずこのボリュームにビックリ。女性のゲンコツ大くらいあります。しかも、ものすごーく中身の密度が高くてねっとり、それでいてふわふわ。ふんわネットリ!「かにコロッケ」。お、大きい! 見るからにずっしり。 聞けば、ズワイガニのフレークを使い、タマネギとマッシュルーム、バタールーを合わせて作っているとのこと。「土・日・祝日は1日で100人前くらい軽く出ますね。出来合いをポンと出すのではなく、昔から自家製、手作り。そこが長きにわたり、お客様にご評価いただいているのかもしれません」濃厚なバタールーとズワイガニからにじみ出たエキスのハーモニー。 中濃ソースではなくトマトソースがかかっているところも特徴。衣のサクサク部分と、トマトソースのシミシミ部分のコントラストが絶妙です。「ジャーマン」だけど下町ならでは!? 定番の一皿「ジャーマンポテト」。2度揚げしたジャガイモの香ばしさとウスターソースの甘辛さが合う! お次は「ジャーマンポテト」。これは間違いなく万人が喜ぶ味! その秘密はウスターソース。ジャガイモを一口サイズに切り、2度揚げてからタマネギとベーコンとウスターソースで炒めているのだそうです。ウスターソースを使うと“下町の味”になるのだそう。こうした安定感のある一皿は、複雑な味わいのデンキブランによく合います。やっぱりこういう定番の味は欠かせません。パクパクいけちゃう。 明治時代の雰囲気に思いを馳せたいなら、1階の神谷バーのワイワイした中でいただくのもいいのですが、2階のレストランカミヤは落ち着いていて、お酒も飲める上にパフェやサンドウィッチなどの喫茶メニューなどもあり、ゆっくりと楽しめます。デンキブランを静かにちびちび飲むにもちょうどいい。アーケードの看板もレトロでいい感じ「下町の気取ることのない店です。お客様がお1人でもグループでも、お気軽にお立ち寄りいただきたいですね。2階はお子様ランチなどもご提供しています。お子様連れ、ご家族連れのお客様は2階をおすすめしてます」と神谷さん。 浅草寺詣での帰りに、ちょっと一杯、あたたまりに行ってはいかがでしょうか?。(取材・文◎松みのり)●SHOP INFO店名:レストランカミヤ住:東京都台東区浅草1-1-1 2FTEL:03-3841-5400営:11:30~22:00(21:30LO)休:火 

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浅草 神谷バー
place
東京都台東区浅草1-1-1
phone
0338415400
opening-hour
11:00-21:00(L.O.20:30)
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