完全予約制のいなり寿司!? 福井・鯖江の新名物「串に刺さったおいなりさん」を食べてみた


2022.02.18

食楽web

福井県鯖江市の新名物グルメとして注目を浴びる『いなり屋 一咲』の「串いなり」 | 食楽web 日本屈指のメガネ生産地域として知られる福井県鯖江市。ここ鯖江は派手な繁華街などがない一方、地域に根付いた様々な名物グルメが存在します。 中でも開業してまだ2年足らずにして、すでに鯖江の新名物グルメとして絶大な支持を得ているというおいなりさんを見つけました。『いなり屋 一咲』が展開する「串いなり」というもので、その名の通り串に挿したおいなりさんです。すでにテレビで取り上げられたり、「福井の手土産発掘会」で優秀賞を受賞したりと、その味・クオリティは地元の人たちはもちろん、県外の人にも評価されているとのこと。 この「串いなり」、横から見ると、どことなくメガネっぽくかわいらしくもありますが、その味は果たしてどんなものなのでしょうか。今回は『いなり屋 一咲』を訪ね、実際にいただいてみることにしました!事前に予約した受け取り時間にのみお店が開く仕組み『いなり屋 一咲』の店頭『いなり屋 一咲』は鯖江駅より約500メートルほどの幹線道路沿いにあります。ただし同店の「串いなり」は現在、注文数の多さと、一串ずつ丁寧に作られることから、完全予約制となっており、お店は「受け取り時間」のみ開店するという独特のシステムだそう。筆者もその通り、事前予約をして、その時間に受け取りに行きました。「おいなりさん」の概念をはるかに超える、繊細な味!筆者が頼んだ4本包の「串いなり」 受け取り時間にお店が開き、事前予約していた「串いなり」と対面! 竹皮に包まれたそのビジュアルが上品で、緊張感のある趣があります。気になるお値段は4本包で1150円(税込)、6本包で1700円(税込)。このほか、折箱詰は6本入りで1800円(税込)~もあり、いずれの「串いなり」も全国発送を受け付けているそうです。『いなり屋 一咲』にはイートインスペースなどはなく、原則テイクアウトのみですが、あまりにカッコ良い包みに我慢ならず、その場で開けてしまいました。それがこちらで、いわゆる一般的ないなり寿司とは似て非なるものですが、かわいらしく、そしてやはりストイックに作られている印象を受けました。『いなり屋 一咲』の「串いなり」 串いなりの中は、その時期ごとに内容が変わり、どんなものになるかは公式サイトで告知されるそうです。この日の串いなりは定番の「胡麻味」と「大葉味」でした。持ち帰って食べたところ、その見た目通り複雑で奥ゆかしい味! 確かにお揚げとお米の味付けは、「おいなりさん」そのものではありますが、一般的ないなり寿司のようなお揚げの強い甘辛さなどはなく、お揚げそのものの味を楽しめるよう繊細に味付けされています。またお米も酢飯がベチャっとしておらず、かと言ってパラパラすぎない絶妙の食感であり、後から「胡麻味」「大葉味」それぞれの風合いが口の中に広がってくれるような繊細な味でした。 この繊細かつハイクオリティの味に驚きましたが、他方で鯖江市の新名物グルメとして認められたということは、すなわち地元の方々は相当「味がわかる」人たちなのではないかと思いました。メガネ作りの職人さんたちが多いからかどうかはわかりませんが、とにかく「串いなり」の繊細な味がきちんと評価されていることから、実は鯖江は相当なグルメエリアなのではないかと思った次第です。“調味料は一滴単位でこだわる”「串いなり」は店主にしか出せない味だった!『いなり屋 一咲』店主・近藤一輝さん 聞けば、『いなり屋 一咲』の店主・近藤一輝さんはいなり寿司のメッカ・愛知県出身で、ここ鯖江に移り住んだ方。「串いなり」考案・販売までに相応の修業と試行錯誤を重ねてきたとのことです。「愛知県内のホテルで和食を2年学び、その後福井にあるミシュラン二つ星のお店で修業をさせていただきました。いずれも高級単価のお店だったわけですが、『これくらい美味しいものを、手軽に口にしていただけるような価格帯でご提供できる商品はないだろうか?』と模索しました。そんな中で、私自身が子どもの頃から好きだったおいなりさんに着目したのですが、改めて私が作るにあたって、『素材の旨み』を生かして召し上がっていただけるよう突き詰めていったところ、この串いなりに辿りつきました」(近藤さん) その作り方は聞けば聞くほど繊細。修業時代に学んだ調理法で赤酢でシャリを仕込み、お揚げも素材・出汁の風合いを活かすよう調味料は「一滴単位」の加減で作られているとのこと。さらに使われる素材は福井県産にこだわり、特にお米・醤油・酒などは県内でも入手が難しいものを採用しているそうです。『いなり屋 一咲』の店頭に飾られた「福井の手土産発掘会」優秀賞の賞状「お店を始めた最初の半年間は、予算もかけられなかったこともあり、知り合いの居酒屋さんに間借り・そこで調理させていただき、配達専門で販売させていただいていました。その後、召し上がっていただいた方々がリピートされるようになったりして、現在のような完全予約制の持ち帰り専門の業態になり、最近やっとお取り寄せまで始められるようになりました」(近藤さん) いわば、現在の「串いなり」は、まだ発展途上の最中とも言えそうですが、冒頭でも触れた通り、すでに注文が殺到、「福井の手土産発掘会」で優秀賞を受賞するなど、注目度は十分高まっています。「予約制・お取り寄せといった限られた販売しかできないことが心苦しいですが、味にこだわるため、この点はどうかご容赦いただきたいです。また、お取り寄せの串いなりは店頭販売のものと包装やお値段などが異なります。また、価格などの変更も今後あるかもしれません。その上で召し上がっていただく機会がありましたら、本当に嬉しいです。是非ひと味違うおいなりさんの味、お試しいただければ嬉しいですね」(近藤産)『いなり屋 一咲』の「串いなり」は、確かにおいなりさんではありますが、従来の味をさらに引き上げた「串いなり」という類い稀な料理のようにも感じました。この繊細な味、是非一度ご賞味されてみてはいかがでしょうか。(撮影・文◎松田義人)●SHOP INFO店名:いなり屋 一咲住:福井県鯖江市五郎丸町102-1 堀ビル1FTEL:080-8995-2204営:9:30~18:30 ※完売次第終了休:火曜(不定休)https://hitosaki2019.amebaownd.com/ 

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いなり屋 一咲
place
福井県鯖江市五郎丸町102-1 堀ビル 1F
phone
08089952204
opening-hour
10:30-17:30(串いなり完売次第…
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