カラアゲニストが厳選! 2021年に最高に旨かった「からあげ」の名店BEST7


2021.12.30

食楽web

食楽web ここ数年、空前のブームを巻き起こしている鶏のからあげ。2008年頃の第一次ブームに続く、からあげの第二次ブームといわれています。日本唐揚協会の調査によると、2021年4月現在でからあげ専門店は全国に3123店舗(推定)。2018年(1408店舗)の2倍以上に増えているそうです。 今回は、日本唐揚協会認定カラアゲニストとして日夜「から活=からあげ食べ歩き活動」に励み、本サイトでもからあげにまつわる記事を連載中の松本壮平氏が、2021年にご紹介したからあげの名店の中から、特にオススメというからあげのお店を7軒、厳選してご紹介します!「ここ数年、“薄衣&ジャンボサイズ”がトレンド。2021年も、50~60gほどあるデカくて旨いからあげにたくさん出会いました。1個あたりのサイズが大きく衣が薄いと、肉自体の味を堪能できるうえ、余計な油を吸わないので、意外とヘルシーなのが特徴です」と松本氏。 今年のからあげ界の印象としては、「コロナ禍の影響もあり、テイクアウトやデリバリーを専門とするお店が多く、大手飲食チェーンの運営店や個人経営店、フランチャイズ店など形態もさまざまですが、いずれもクオリティはハイレベル。どこもからあげについてしっかり研究しているイメージですね」とのこと。 というわけで、2021年の絶品からあげを一気にご紹介していきます。2個で満腹! 1個80gあるジャンボからあげ|『からあげ専門店 侍』(千葉県柏市)「もも」は1個80gほどもあります 千葉・柏の『からあげ専門店 侍』は、肉の部位が豊富でモモ肉、砂肝、手羽先、軟骨、皮のほか、つくねやモモ肉の1枚揚げもあります。筆者は一番人気の「もも」(1個165円)を3個と、「砂肝」(418円)を「ご飯セット」(ご飯・鶏スープ・おしんこ付き、385円)でオーダー。 ももからあげはサイズがデカく、1個80gほど。片栗粉のみの衣はシャリッとした食感で、奥歯の上でじわじわすり潰されていく感覚がいい。味付けにはニンニクもショウガも不使用とのこと。「素材本来の美味しさ一本で行きたいと思っています」と店主の神好さんが話す通り、醤油と塩などでシンプルに味付けされているため、肉そのものの味を満喫できるのです。 鶏肉に歯を立てると、断面からは肉汁があふれ出てきます。しかも揚げたてなので湯気がもうもうと立ち上ります。これはもう、温泉の源泉にでも遭遇したかのような気分。「砂肝」はビールのお供にぴったり 肉の旨みも強烈で、思わずご飯が進みます。砂肝は弾力のあるコリコリ食感。かすかに甘みも感じられ、飲み込む寸前に旨みが炸裂する印象。これはビールのおつまみに最高。素材の味を引き出すため、味付けをシンプルにしているこちらのからあげ。侍のような気高い精神を感じさせてくれるからあげです。●SHOP INFO店名:からあげ専門店 侍住:千葉県柏市柏3-6-5石井ビル1Fザクザク食感にハマる絶品大分からあげ|『大分からあげ 弥栄』(世田谷・東松原)『大分からあげ 弥栄』の「しょうゆからあげ」100g250円 東京・東松原の『弥栄(いやさか)』は、大分県出身の店主が営むテイクアウト専門のからあげ店です。人気トップ3は「しょうゆからあげ」「ぼんじり」「ピリ辛チューリップ」。 しょうゆからあげは正統派のモモ肉からあげです。ザクッとした食感の衣を突破し、フワッとした肉に歯が到達したかと思うと、肉汁がピュッと水鉄砲のように噴き出てきます。醤油の香ばしさがほのかに広がったかと思うと、すぐにそれをかき消すように肉の旨みが畳み掛けてきます。肉の味に深みとキレがあり、肉本来の味わいを存分に活かした見事な調理です。 ぼんじりは炭火で焼いたホルモンのようなプリンプリンの食感が特徴で、カリッとした衣に歯で圧をかけていくと、ねっとりとした旨みが口いっぱいに広がります。コラーゲン感のある、舌の上でとろけるような味わい。ひと口サイズで、食べ始めると止まらなくなる美味しさで、お酒のアテにもピッタリです。「ピリ辛チューリップ」100g230円 ピリ辛チューリップは、手羽元を使用。通常のチューリップに唐辛子の風味を加えたもので、ややピリ辛。しかも骨にまでびっしりと衣がついているのが嬉しいですね。骨を手で持ち、ザクザクと音をたてながら食べていくと、ビールが欲しくなります。 そのほか、ムネ肉からあげや手羽先、砂ずりや軟骨などのからあげのほか、大分名物のとり天もあります。お弁当でも提供しているので、からあげの聖地・大分の味を堪能したい人にはおすすめです。●SHOP INFO店名:大分からあげ 弥栄住:東京都世田谷区松原5-3-15長崎で毎月150万個が売れる絶品アゴだしからあげ|『福まん家』(葛西)『福まん家』の「アゴだしから揚げ・プレーン」(1個120円) 九州の長崎に本店を置く『福まん家』は、地元では知らない人はいないアゴだしからあげの名店。その支店が、東京・葛西にもあります。名物の「アゴだしから揚げ」は、長崎・平戸産のアゴ(トビウオ)や、五島列島の椿油を使った秘伝の漬けダレで味付けをしており、長崎の新たな“ご当地からあげ”とも言える逸品。 一番人気の「アゴだしから揚げ・プレーン」は、アゴの旨みの攻撃力がスゴい! これまでアゴだしからあげは何度も食べてきた筆者ですが、ここまでアゴが強力に口の中を支配するからあげは初めて。もちろん超がつくほどの美味しさです。味わい深い肉汁もたっぷり! 鶏肉の味わいも十分で、これとアゴが見事にタッグを組んでいる“ダブル旨み”といったところでしょう。しかもあっさりしているので、アゴの上品ですっきりした旨みがさらに引き立ちます。 ちなみに、プレーンの次に人気だというのが「九州甘醤油」。こちらはプレーンの持つ“ダブル旨み”に加え、食欲をそそる甘辛い味がプラスされた、いわば“旨さのトリプルパンチ”を繰り出してくるからあげ。とろりとしたタレがシャリッとした食感の衣によく絡み、コク深い鶏肉と混じり合って、まさに美味しさの3段重ねです。「九州甘醤油」(1個・130円)。甘辛いタレで美味しさ3倍! どちも鶏肉が非常にふっくらとしており、箸でつまみあげると箸が衣にめり込んでいきます。トビウオのだしは「顎が落ちるほどに美味しい」ことからアゴと呼ぶらしいのですが、このからあげは顎が落ちるどころか、あまりの美味しさで口角が上がりっぱなしでした。●SHOP INFO店名:福まん家 葛西店住:東京都江戸川区中葛西3-29-4 佐藤ビル1F巨大すぎる台湾のご当地からあげ「台灣大鶏排」|『カピタピ』(渋谷)『カピタピ』の「台灣大鶏排」 巷でじわじわ話題を集めている台湾風からあげ「鶏排(ジーパイ)」。台湾に行けば、屋台や夜店などで売られていて、手軽に食べられるご当地からあげのひとつです。東京・渋谷にある『カピタピ』は、台湾風からあげ「鶏排(ジーパイ)」が楽しめるテイクアウト専門店。こちらの「台灣大鶏排」は大人の顔ほどもありそうな大きさです。 鶏排はムネ肉を使用するのが一般的ですが、こちらはモモ肉。1枚肉を広げて伸ばし、叩いたりしてこの大きさにしているそうです。衣には本場・台湾と同様に、さつまいも粉を使用。それも台湾産のものを取り寄せているとのことで、限りなく本場の衣に近いと言えそうです。台湾といえばこれ。「烏龍タピオカミルクティー」(430円)。鶏排との相性もいい! 両手で持つと、ズッシリとした重量感が伝わってきます。およそ300gはあるでしょう。味付けには五香粉などのスパイスを数種類使っており、エスニックな香りを感じます。サクサクの衣には、さつまいもの甘みもかすかに感じられ、スパイシーな味とも見事に調和しています。鶏肉はモモを使っているだけあって、やわらかくて旨みも抜群。スパイス、衣のさつまいも、肉の旨みがなんともいえない複層的な味わいを演出しています。 この鶏排、店員さんによると「1枚完食した後にもう1枚食べた女子高生もいます」とのこと。ス、スゴい! と目が丸くなりましたが、それも納得の美味しさです。完食の自信がない人には「台灣鶏排・ミニ」(370円)もありますよ。●SHOP INFO店名:カピタピ住:東京都渋谷区道玄坂2-16-1 伊勢八ビルレモンを使った感動的「塩漬込みからあげ」|『揚げたて唐揚 かしわ 本店』(千葉県柏市)『揚げたて唐揚 かしわ 本店』の「レモン塩漬込み唐揚弁当」636円 JR柏駅から徒歩数分にある『揚げたて唐揚 かしわ 本店』のおすすめは「レモン塩漬込み唐揚」。味付けそのものにレモンを使用しています。1個あたり60gほどと、かなり大きめのからあげ。片栗粉のみの衣はシャリッともシャクッとも表現できる爽快な歯ざわりです。1個約60gとかなりの大きさ。肉汁もしっかり閉じ込められています ブライン液(水+塩+砂糖)に漬け込んで柔らかくしたという鶏肉には、旨みと肉汁がしっかり閉じ込められています。その肉の旨みの向こうに、ほのかにレモンの風味。出しゃばり過ぎずに味を引き立てるレモンの働きに感服しきり。旨みが強いのでご飯も進みます。 衣は噛み進めるとポロポロと崩れて肉と一体化しますが、すぐに溶けてしまわないのがいい。たいていは肉汁に飲み込まれてしまうのですが、それがなく、肉のフンワリ感と衣のシャリッと感をしばし楽しむことができます。半身揚げ・レモン塩(1本1058円)もイチオシ また、こちらは半身揚げもオススメ。一般的に半身揚げは衣のない素揚げですが、こちらのものは岩塩を振ったあと、一定時間寝かせてから片栗粉をまぶして揚げています。これがまた激ウマ。岩塩を使っているせいか、塩味に深みのある旨みも感じます。このほか、ムネ肉のからあげも味わいましたが、しっとり優しい食感に仕上がっており、クオリティの高さを感じずにはいられませんでした。●SHOP INFO店名:揚げたて唐揚 かしわ 本店住:千葉県柏市柏2-4-12 染谷ビル 1Fガリザク食感の衣が美味のジャンボからあげ|『からり商店 平井店』(平井)ガリッ&ザクッ! とした食感の衣が旨い『からり商店 平井店』の「うま塩唐揚げ」 からあげの衣、みなさんはどんな食感のものがお好みですか? サクッと爽快なもの、フワッと軽やかなもの……。「ジャリッ」「カリッ」など、擬態語で表現すると、実はかなりのパターンの衣が存在することがわかります。 そして東京・江戸川区のテイクアウト専門『唐揚げ専門 からり商店』のからあげは「ガリッ」「ザクッ」という食感のからあげです。何やら岩石のような固い衣をイメージするかもしれませんが、これが旨いんです。 こちらのおすすめは「醤油唐揚げ」「てりマヨ唐揚げ」「うま塩唐揚げ」「手羽先唐揚げ」の4種類。 1個60g前後はありそうな巨大からあげです。一番人気の「醤油唐揚げ」は、歯を衣に軽く当てただけで衣の強さが伝わってきます。その衣に思い切って歯を押し込んでみると、ガリッという音が。しかしさほどの抵抗は受けずに肉に歯がたどり着き、歯の上でザクザクという音を立てています。「醤油唐揚げ」120g・292円。ほのかな甘みを感じる醤油味が後を引きます 軽いおこげが香ばしく、やわらかく、そして弾力のある肉と徐々に混じっていきます。衣ガリザク、肉フワリ。両方の食感がシャッフルされていくのが心地よい。ニンニクのほのかな風味の中に醤油の風味も感じます。飲み込んだ後も、とろりとした肉の旨みが舌の上に残ってしばらく消えません。これが後を引くんですね。 ちなみに売れ筋No.2は「てりマヨ唐揚げ」。甘ダレとマヨネーズをブレンドしたタレがたっぷりとかかっています。このタレがガリザク系の衣にしっとり感としなやかさを生み出し、甘みと酸味も加わって、ちょっとチキン南蛮にも似た味わい。「てりマヨ唐揚げ」120g・314円は、照り焼き風の香りが最高 また、「うま塩唐揚げ」(120g・292円)は塩味が何とも上品でさわやかさを感じるひと品。白いご飯が欲しくなります。「手羽先唐揚げ」は肉厚で可食部が多いのがうれしい手羽先。甘さの中から、スパイシーな味わいも感じられて、これまた食欲増進。骨にむしゃぶりつくように食べてしまいました。●SHOP INFO店名:唐揚げ専門 からり商店 平井店住:東京都江戸川区平井3-30-1千葉産食材にこだわるムネ肉からあげが絶品の名店|『からあげ食堂 房総家』(豊洲)左が「サクふわからあげ(ムネ肉・3個)」、右が「カリじゅうからあげ(モモ肉・2個)」『からあげ食堂 房総家』のランチタイムは、モモ肉とムネ肉の両方のからあげを味わえる「房総家定食」が人気。モモ肉からあげ(カリじゅう)2個とムネ肉からあげ(サクふわ)3個が合い盛りになったものです。 ムネ肉(サクふわ)はその名の通り、サックリした食感の衣ですが、一瞬トロリとした舌ざわりも感じます。そして何より驚いたのが、その衣に包まれたムネ肉の柔らかさ! 歯が衣と一緒に肉にスイスイと沈み込んでいきます。「房総家定食」980円。ムネ肉とモモ肉の合い盛りです 旨みの溶け出した肉汁と衣があっという間に一体化してくれて、下手なモモ肉よりも美味しさを感じます。とにかく肉がふんわり柔らかくて旨みが強い!さらにかすかに感じる魚介系ダシの風味。数種類のダシをブレンドしているとのことで、和のテイストを醸し出してくれて、ご飯も進みます。 モモ肉は、クリスピー感のあるカリッとした歯ざわりの衣です。味付けは正統派のモモ肉からあげという印象で、醤油の風味を巧みに抑えて、肉の旨みを引き出しています。期待通りの美味しさに、大満足のランチタイムとなりました。●SHOP INFO店名:からあげ食堂 房総家住:東京都江東区豊洲3-3-3豊洲センタービル地下1F●著者プロフィール松本壮平ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。 

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からあげ食堂 房総家
place
東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービルB1F
phone
0335369090
opening-hour
月-金ランチ 11:00-17:00ディ…
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東京メトロ有楽町線豊洲駅1a出口より徒歩約1分

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更新日:2024/04/18

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